表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
201/228

第76話 ハルリ

「ハルリ、そろそろなんとかならないかな?

実は来週からモンスターのタスクに同行させてもらうことになったんだ

今の実力では足を引っ張ることになりそうなんだ」


「待ってくれ、俺も大変なんだよ

戦場ではみんな薬を欲しがってる、そっちの方がお前より切迫してる

なんせ敵味方両方に売りつけられるんだ、物がいくらあっても足りない」


セムとハルリはバルムド中央から少し外れたスラムの一画に居を構えている。

二人の家は数軒しか離れていない。

同じ長屋の一部のようなもので、セムの部屋はハルリにとっては自分の部屋のように慣れ親しんだ場所だった。


「ハルリ、それはないよ

俺たちは金のために活動したことなんか一度もない、全ては女神様のためだろ?

今律動連盟に取り入っておかないと、政府の弾圧に耐えられるか?

戦場で捨て駒にされているのだって同じ女神真教の仲間たちじゃないか

それを黙って見てるばかりか、薬を売りつけてボロボロになるまで戦わせる気か?」


セムは普段から口が達者ではないが、ハルリにだけは別だ。


「…セム、俺は自分の考えだけで動いてるわけじゃない

組織に入ってる以上そっちの言うことも聞かないといけないんだよ

一人で薬屋をやってた頃とはわけが違うんだ

……でも、わかった、来週だな、用意する

だが、いつまでも後払いは無理だぞ

金は用意できるのか?1粒で効き目は2時間

ランクは低い代物だから、振動倍率は1.2倍かな

500ピアルでいい」


「……わかった、2粒くれ」


「オーケー、あさっての朝受け渡しにくる

お前も薬だけに頼らず少しは修行しろよ?」


「…ありがとう」


ハルリは余計な捨て台詞を言って去っていった。

セムも薬を使わずに強くなれるのであればそれでいいと思っている。でもそもそもの入団試験において薬を使ってしまっている以上、履いてしまった下駄を脱ぐわけにはいかない。


「女神様…ご加護を」


セムは部屋の中心に置いてある小さな女神像に祈りを捧げる。彼にとってはこれが救いの象徴だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ