第5話 グレイグ火山 5
「おい、シュン?やめろ!」
何かに気がつくライドン。
目線の先には、
"グレイグワイン 赤"
シュンはそれを手に取り、素早く店番に現金を投げた。
「これもらうね」
何が起きてるのかわからない一同。
シュンはワインの木栓を抜き、そのままネリの口に押し込んだ。
「むぐ、シュンさ、、
なにを…」
「ネリ、黙って飲んでくれ」
「……むぐ」
「………」
…ゴクリ。
たちまち、ネリの目つきは一変する。
「………」
「…おい」
ネリが何かつぶやく。
いつもと違う低い声。
「ネリ大丈夫?」
心配そうにスーノが近づいた。
「おい!そのでかい奴!
貴様に言っている」
「…?おれ?」
さすがのアーネスも想定できない事態だ。
「おめえ以外誰がいるっつうんだよ!
さっきからなんだ?
てめえは人の話を聞いてんのかよ!舐めてんのか頭が悪りいのかどっちなんだ?」
高貴な出身のアーネスだ。
もちろん人生において、こんな口の聞き方をされてことは、ない。
「貴様、このおれを何だと…」
「ただの
木偶の坊だろうがよお!」
やばい…思ったよりひどいことになった…シュンは逆に焦り始める。
スーノは…目を丸くして、この状況が信じられない様子だ。
ライドンは笑いを堪えきれずに必死に下を向いている。
「人の話も聞けない
仲間が必要なタスクで仲良くなろうともしない」
「そんなやつが使い物になるか?クソボケが」
「なんだと…貴様」
アーネスが何か言おうとするタイミングで、今度はライドンに飛び火した。
「おいちびすけ、てめえもだ
笑ってる場合じゃねぇぞ」
ライドンも、やばい、という表情を見せる。
「ここはおれに協力して一緒にあのクソ木偶の坊を説得するところだろ?
だ れ が リーダーだと思ってるんだ?
おめぇに拒否する権利はあるのか?」
どうやらネリはリーダーだったらしい。
「クソガキども、
ほら、座れ
おのれらは明日どう戦うつもりだった?
ジルの話を聞いてたんだろ?
一人じゃ戦えねぇんだよ!わかってるのか?カスども」
「わ、わかった
ひとまず周りの連中がこっちを見てる、落ち着け」
ここまでくると面白いもので、あのアーネスがなだめる側になっていた。
「オーケー、座ろう」
ライドンも席についた。
「見ろ、おめえらが何にもできねえ甘ちゃんだからおれが全部フォーメーションを考えてやったんだよ
レベル見せろ、それでまた精査するからよ」
「いや、ステータスは」
アーネスは少し拒む態度を見せる。
「おい、拒否する権利はないと言っただろ?
それともここでゲロを撒き散らされたいか?
掃除が好きならいいけどよ」
これは強烈なパンチラインだった。
さすがのアーネスもお手上げ状態だ。
「おい…
おめぇレベル高えじゃねえか!
よし、おめぇは頭を担当だ、わかったな?」
シュンの思っていた形とは少し違ったが、何となくうまく事が回り始めた。




