第6話 グレイグ火山 6
ネリの中で、戦闘者の個性とドラゴンを相手にするときの担当が決められているらしい。
「おれはなぁ、おめぇらとは別でジルから戦略を仰せ使ってんだよ
信用が違うんだよ、わかるか?」
どうやら本当にジルはネリにだけ何か伝えていたことがあるらしい。
「頭は複雑なリズムらしいから、デカブツ、頼むな
しっぽはドラゴンによってリズムの質が変わるらしいから、ちびすけやってくれよな」
「両サイドの退化した羽の部分はわりと速いリズムらしいから、シュンとスーノのコンビで頼んだぞ」
「腹の部分はゆっくり動くテンポらしいから、おれがやってやるからよ
それで…」
ゴンッ!
すごい音がした。と、思ったらネリは机に突っ伏していた。
「みんなごめん、とりあえず抱えるからライドン手伝ってくれるか?」
「あぁ、その紙って」
ライドンはネリの手元にあったメモ用紙を見た。
さっきの5箇所のリズムの説明以外にも、ドラゴンの分布の傾向や、個体別の色による対応の変化など、様々なことが細かく書き込まれていた。
「こいつ…なかなかの情報を持ってるな」
ライドンもここまでとは思わなかったらしい。
「……何なんだこの生き物は」
「ぶっ」
「ぎゃはははは」
アーネスのつぶやいた一言に、ライドンは大笑いしてしまう。
「なっ、笑うな 貴様」
「いや、お前、なかなかの言われようだったよ
グッジョブ」
「なんだと?この俺に向かって」
「いや、面白かったわよ
あなた、意外と何言われても平気なんだね」
スーノまでアーネスをいじり始めた。
「もういい
情報はわかったし、俺は行くぞ」
アーネスは慌てたような感じで宿を後にした。
「シュン、よくやったなぁ
ネリに次ぐMVPだよ、お前は」
「そうかなあ、おれはただこの状況をどうやって打開しようかと思って」
「多分ネリは、明日には覚えてないんだろうぜ」
クスクスと笑うライドン。
「ねぇ、あなたたちこのこと知ってたの?
悪い奴らだなあ」
「ははは、でもよかっただろう?」
ライドンは今日一番の上機嫌な姿を見せた。
「そうね、明日の戦い方も決まったし
でもさ、見た?
あいつのレベル、400以上だった…」
「そうだね うちの先輩のダルフやカークがレベル300台って言ってたから…」
「うちの先輩もたいして変わらないわよ
ジルだけ圧倒的なだけで、後は500以上って数えるくらいしかいないんじゃないかしら?」
そこだけはライドンも認めざるを得ない。
「あいつどういう戦い方するんだろう?」
「明日になればわかるわね
楽しみだわ」




