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第16話 俺と回復と牛の反省

遅くなりました。申し訳ございません。


 俺は、最後に、保留にしていた牛のドロップ品に目をやる。


 これを最後にしたのは、ある種の現実逃避である。

 ただ、いつまでも、そのままという訳にもいかない。



 それは、アルミ缶だった。


 もう一度言う。アルミ缶だった。


 アルミニウムの缶である。


 もう、ツッコミどころ満載過ぎて、めんどくさい。



 このファンタジーの世界において、明らかに加工品である。

 いや、それを言うなら、ナイフとかスコップとかも加工品なんだけどね。その、なんていうか、こっちは明らかに、現代っぽいというか。



 俺は改めて、そのアルミ缶を観察する。


 アルミ缶の蓋は……開いていない。


 中身は……入っている。

 俺は、アルミ缶を拾い上げ、重さを確認する。


 そして、アルミ缶の側面には、何故か日本語。


「回復薬……」


 なんでやねん!


 ファンタジーなのか、現代なのか、ハッキリしろよ!

 ファンタジーならファンタジーで、小さい瓶に入れるとか、やりようは色々あっただろ! なんでアルミ缶に入れたんだよ。世界観をもっと大切にしろよ! あと、なんで日本語なんだよ!



 もっと早くドロップしてくれれば、俺の生活はもっと豊かになったんだが。

 主に、戦闘で少しぐらいの無茶は出来たはずだ。そうではなくても、回復薬があるからという心の余裕は、戦闘において、かなり気を楽に持てただろう。


 まぁ、そんなことを言ってたらキリはないのだが。


「手に入れた事を素直に喜ぶべきか……」


 という訳で、俺はさっそくだが、この回復薬を飲むことにする。

 実は、牛の戦いが終わって、体から出る粒子は無いのだが、HPが半分以上減ったままなのだ。


 このまま、HPを半分の状態で生活、ましてや戦闘するのは恐い。


 カポッと音を立てて、アルミ缶の蓋が開く。


 見た目は……緑色。

 匂いは……どことなく、さっき食べたほうれん草っぽい薬草と同じ匂いである。



 ぐびっ!


 と、一気に回復薬を飲む。


 味は……食べた薬草とほぼ同じ。


 不味くもないし美味しくもない。


 ただ、体にはすぐに変化が現れた。

 体の内側から、何か力が湧いてくる感じがする。


 視界の隅のHPバーも、みるみる回復していき、満タンになった。


「よし、これで片付けも捗るな」


 俺は、途中だった片付けを再開し、拠点へと戻るのだった。





 さーて、今日も始まりました。サバイバルーーークッキング!

 司会は私、明石秋人、調理兼アシスタント、明石秋人でお送りします。


 さて、明石さん。今日は、何を作るんでしょうか。

 今日はですね。この牛からドロップしたお肉を使って、お肉祭りを開きたいと思います。

 お肉祭りですか。いいですねぇ。

まずは、串を作っていきます。

 串から作るとは珍しいですね。

 えぇ。僕の場合、スキル【武器作成】のおかげで、細い枝からあっという間に作れるんですよ。

 なるほど。串を武器と思って作ることで、スキル【武器作成】の補正を受けるという事ですね。

 そうなんですよ。さて、そうこうしているうちに、串は出来上がりましたよ。次は、出来上がった串に、一口サイズに切った肉を刺していきます。

 お得意の串焼き肉ですね。

 はい。そうです。そして、これを竃で焼いていきます。焼いている間に、もう一品作っていきます。

 時間の節約ですね。

 次の一品は、シンプルにステーキを作りたいと思います。材料は、今日、牛さんからドロップした超高級肉です。

 いいですねぇ~。

 まずは、丁寧に葉っぱの包みを剥がしていきます。

 おぉ~! 生のままでも美味しそうですね。

 さて、これを竃の上に置き、熱で焼いていきます。

 調味料はしないんですね。

 はい。お肉本来の味を感じられるように、あえて、何も付けずに焼いていきます。ここがポイントですね。


 今日のポイント:お肉は何も付けずに焼く。


 どうしても、調味料を付けたいという方は、焼いた後に上から隠れ実の果汁を絞るといいでしょう。



 と、料理すること30分程。


 料理がすべて完成し終えたころには、空はすっかり暗くなっていた。



「いただきます!」

 と、俺は、まず初めに、自作の皿にのせた高級肉に手を出す。


 一切れ口に放り込んだ瞬間、美味しさで思わず笑みがこぼれた。


「うめーーー!!!」


 分厚いステーキながらも、柔らかく、あまり力を入れずとも嚙み切れる。

 そして、噛んだ後に口いっぱいに広がる肉と脂の贅沢な味。


 もっと噛んでいたいのに、すぐに口の中で溶けてなくなってしまう。


 俺は、すぐに二切れ目へと、手を伸ばすのだった。




「ごちそうさまでした」

 俺は、大満足の料理に手を合わせ、礼を述べる。


 本当に旨かった。俺の語彙力では、それしか言葉が出てこないが、旨かった。


 さて、腹ごしらえも済んだし、ちょっと休憩がてら戦闘の反省でもするか。


 まずは、牛との前半戦。

 森の中を逃げながら、罠にかけていくのは、良かっただろう。

 たぶん、あれが、大きいサイズの敵と戦う、現状ベストな戦略だ。逃げながら、落とし穴までの誘導。それから、相手が隙を見せた時に投擲による攻撃。この一連の流れを一つの戦略・型として覚えていけばいいだろう。一つの勝ちパターン、一つの戦略を持っておけば、いざという時、役に立つしな。その使える手札が増えれば増えるほど、俺の勝率、生存率も上がってくるだろう。

 うん。今後は戦術の方も意識して考えていった方がいいな。


 さて、前半の反省はこれぐらいか。次は、後半の戦いの反省だな。


 後半の俺は、今考えると流石にどうかしてた。あの状況で、牛と真っ向から勝負するとは、改めて考えるとナンセンスだ。というか、自殺行為に近い。落とし穴の設置場所だって、まだ二箇所はあったのだ。あの場面は無茶をする状況ではない。どうやら、俺は、いつの間にか戦闘ウサギの性格に当てられていたのかも知れない。すべては勝利できたから良かったものだ。

 次からは、冷静に考えて行動することと無茶は極力しない方向でいこう。


 まぁ、真っ向から挑んだことで、分かったこともあるのだが。


 まず、今の俺では、牛に勝つにはかなり厳しいということ。今回勝てたのは、本当にまぐれに近い。罠を活用しても、そこまでダメージは無かったし。今後、発見したら即刻退散させてもらう。


 そして、技について。

 最後の牛とのぶつかり合いで、何故か、取得をしていないスキルの技が発動した。

 今まで、技を使うには、そのスキルを取得してから技を覚えることが出来ると思っていたが、どうやら、その推測は間違っていたらしい。いや、根本的には、この取得法が基本だと思うのだが……。


 俺は、拠点の外……河原側にでて、試しにあの技を使って見ることにした。


 剣を構えて、技を思い浮かべる。あの時は確か、右斜めから左下に向けて、剣を振ったはずだ。


「……」


 普段は、イメージと動作をすることにより、技を発動することが出来るが、技は発動しなかった。

 2、3回試してみたが、発動する様子は見られない。



 うーん。

 考えても分からないし、次はステータスでも見てみよう。

 と、俺は拠点へと戻り、ステータスを開く。



〇 アカシ シュウト


・取得スキル一覧

  【投擲】2.04 → 2.24

  :技《上方散乱両手投げ》

  :技《一球入魂》

  :技《早投げ》


  【武器作成】1.02 → 1.13



・以下取得未満スキル一覧

  【歩き】0.89 → 0.93

  【恐怖耐性】0.97

  【物拾い】0.62 → 0.69

  【観察】0.92 → 0.96

  【採取】0.32 → 0.36

  【潜伏】0.11 → 0.17

  【逃走術】0.20 → 0.28

  【道具作成】0.35 → 0.47

  【我流短剣術】0.21 → 【我流剣術】0.30

  :技 《スラッシュ》 使用不可


  【我流槍術】0.09 → 0.24

NEW【罠作成】0.72

NEW【回避】0.16

NEW【釣り】0.10



 全体的にかなり上がっている。


 そして、肝心の剣術の技は、一応、取得未満スキルに表示されているが、使用不可となっている。

 うん。結局、謎が増えただけだ。いつの間にか、【我流短剣術】も【我流剣術】に変わっているしな。  まぁ、俺の知らない技の取得方法、スキルに関することが、まだたくさんあるという事だろう。


 さて、この際だから、スキルも一つ一つ確認していこう。



 いつものようにまずは取得スキルから。

 スキル【投擲】に関しては、結構、順調なのではないだろうか。まぁ、戦闘のスキルにしては、毎日使用しているしな。ってか、使用しないと生きていけない。

 うん。これといって考えることはないな。


  技については、《上方散乱両手投げ》が隠れ実を取る時以外使わないな。何か他の使い道が在ったらいいのだが。

 《一球入魂》はスキルレベルも上がって、溜の秒数も短くなり、前より使いやすくなった。攻撃の威力を上げたい時に、余裕があれば発動している感じになっているな。余裕がないときは、相手が近くに来るギリギリまで溜めて投げる、ゼロ距離投擲になってしまっている。これはこれで、助かっているが、安全かというとそうではない。まぁ、別の技として発現してくれれば、話は変わってくるが、これは敵が向かってきて初めて成り立つ攻撃なので、練習のしようがない。


 《早投げ》も戦闘で大いに役立ってくれている。ウサギ、ネズミとかのサイズの敵相手には、そのまま攻撃として使っている。イノシシ、牛とかの大きい動物だと牽制として使っている感じだ。

 あとは、ポケットから取り出して投げる動作ではなく、持っているものを咄嗟に投げる最速バージョンとしても使っている。


 まだ、明確に決まった訳ではないが、技に関して、技ごとにある一定のルールが存在していて、そのルール範囲の中では、動作などを変えても問題なく発動出来ると最近分かってきた。


 例えばだが、俺の覚えている《上方散乱両手投げ》では、普段4個の石を手にのせて投げているが、これは2個以上なら発動する。また、1個では発動しない。

 おそらく、技のルールとして、”2個以上のモノを持っているときに発動する”という定義がされてるんだろう。


 考えてみれば、投げるモノが違ってても技は発動するのだ。技の動作を少し変えた程度で問題はないだろう。


 

 さて、次は【武器作成】の考察だ。【武器作成】は、この前も検証したが、取得スキルになっても技はないらしい、まぁ俺が生産系の技を思いつかないだけかも知れないが。あったところで、必要なのかと思ってしまうしな。

 数値の上りについても、武器を作れば上がっていくし、別に特筆すべきことはないな。


 これで取得スキルは終わりだ。




次は、土曜日か日曜日の更新です。

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