第六話 宦官・英泉の噂
翠晩魔を倒した私。ひとまず一安心といったところだったが、青鈴がまたも噂話を持ち出す。
「ねえ、紅蘭」
「今度はなにっ? 青鈴」
「それがさ…東東宮の新しい宦官の話なんだけど…」
* * *
青鈴の話は、以下のようなものであった。
私・紅蘭の仕える東東宮に一人の新しい宦官が入宮したという。
名を英泉という。彼の出身は山奥の異民族であり、捕虜として国に捉えられ、去勢した後、宦官になったという。
そんな彼だが、とある能力を持っているというのだ。よって、妃である東珠妃のすぐそばで今は働いているという。
ーーその能力とは、なんと…
* * *
「なんとっ! その英泉というもの、私と同じで妖術師なの?!」
「そっ…そうみたいよ…!」
* * *
青鈴の噂話によると、英泉は私と同じく妖術師であるという。妖術師とは何か、まず説明しておく必要があるだろう。
妖術師とは、妖術によって妖を討伐することのできる人間のことだ。この国では、山奥の田舎に出身を置く者だけがその技を使うことができる。
要するに、妖術師自体、とても少ない人間しかいないという訳だ。
* * *
ーーだが、青鈴の話を聞く限り、英泉もまた山奥出身であるまいか。どうやら彼は妖術師に間違いないらしい。
そして、同じ妖術師として、私はどうもその宦官と面会したいと思った。
「青鈴…その、英泉とやらは今どこにいる?」
私は問うた。青鈴は答えた。
「英泉は、東東宮のとある屋敷で仕事をしているっぽいね。その屋敷では、後宮に出る妖に関して情報を探っているだとか…」
「…後宮に出る…妖に関してだと…?」
またも気になる情報が得られた。英泉は後宮内の妖を討伐するため、とある屋敷で情報を収集している。彼に会えば、私は妖についてもっと知れるかもしれない…
と、私・紅蘭は思うのだった。なんせ、私は生粋の妖ヲタクでもある。妖研究をしている宦官の英泉とやら、是非とも会いたい!!




