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後宮侍女の妖退治  作者: てんまる
第四章 蒼大蛇編
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第十六話 絶体絶命の危機

 妖・蒼大蛇と契約した謎の宦官と対峙する私と海俊。激しい猛攻を繰り広げるも、謎の宦官のヘドロ攻撃により海俊が死んでしまう。


 ーー絶体絶命の危機となった私であったが、果たして?


* * *


 意識が朦朧としていた。海俊が死んだショックと、また何もできなかった無力な自分自身に対する罪悪感で。


 ーーああ。私も死ぬのだ…


 などと戯言を言う。


 目の前には、蛇の頭をしたバケモノ。一体、奴はなぜ私たちを攻撃するのだろう?奴の目的は?などと頭が色々な憶測を立てるが、今はもうどうだって良い。


 ーー悔いはない。


 私は目を瞑った。と、その時だった。


「なっ…何事だっ?!」


 謎の宦官が慌て出した。無理もない。なんせ、私自身もよく分からないのだが、突如として、私の胸の辺りが光り出した。これは…?


「妖の力…なのか…?」


 宦官はそう言った。私には心当たりはなかったが、どうやら私の胸の中に妖が宿っているらしいのだ。それ故、私はその妖に今、生かされているという訳だ。


「これはチャンスだな…」


 唐突の展開ではあったが、私はこれを好機に感じた。そして、妖の力を行使しようと試みた。


「私の中にいる妖よ…私に力をくれっ…!」


 念じた。そして、力を振り絞った。海俊の仇が目の前にいるのだ。私が倒さなければ、誰が倒すのか。しかし…


「クソッ…力を行使できないっ!」


 妖の力は私の肉体と密接に繋がっている訳ではなかった。初めて使うからだろうか。全く行使できなかった。モタモタしている場合ではないのに…と、その時だった。


「待てっ…!!」


「私も力を使い果たした…サヨナラだ…少女よ」


 何ということだ。目の前の宦官が逃げ出した。海俊の仇が。絶対に奴を倒さなければならぬと言うのに。


「クソッ…!!」

 

 ーー悔しい。悔しくてたまらない。


 私は胸を押さえ、その場でバタリと横たわった。

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