第十二話 梅漢魔の戯言
今回の任務に行くにあたり、私と海俊は梅漢魔について調べた。梅漢魔には他の妖にはない、とある特性を持っている。それは奇妙なものだった。
「気をつけてください、紅娘。奴は巧みに人間の言葉を操り、騙してきまっせ」
「そうですね…気をつけねば…」
海俊の言う通りだった。刹那、梅漢魔が私らに低い声で話しかけてきた。
「おお…人間の小娘よ…私に何のようだ…」
ったく、全く不気味だ。妖のくせに我ら人間の言葉を操るとは…何と不愉快なことか。
私は少々苛立った。が、対して、海俊はというと、私と違い冷静だった。彼は私に指図する。
「紅娘! 奴の言葉に騙されてはいけませんっ! 奴の話す言葉はどれもただの戯言。深い意味はないのですっ!」
海俊の言う通りだった。が、それはそうと分かっていてもだった。男の姿をしたこと不気味な妖は、逃げる暇も与えず私に近づいていく。そして…
「小娘…お前、めちゃくちゃに可愛いじゃねぇか」
「って、えぇ?!」
ったく!なんてことを言うんだ。この妖は。
私はまたも、こやつの言葉に騙されてしまう。これでは奴の思う壺。が、私はまんまとこのドツボにはまる。
梅漢魔は私にめちゃくちゃ話しかけてきた。
「小娘…お前は小柄で童顔…それに美しいロングヘアを持っている…めちゃくちゃ俺の好みだ」
「…って、なんですって?!」
「それにだな…スタイルも抜群に良いじゃないか。何だそれは…小柄な割に豊満なバストを持っているじゃないか…それ触らせてはくれまいか…」
「って、えぇ?!」
ここからは少々自主規制に入る。なんとだ。梅漢魔は私の身体を舐め回すように触ってきた。なんだかくすぐったい。これでは私はこやつをどうこうすることもできまい。
…ったく、なんてこった…
私は正直、諦めかけた。と、その時だった。
「紅娘になんてことするっ! 死ねっ!!」
刹那、梅漢魔の首が跳ねたっ!唐突な出来事に動揺する私。梅漢魔は仕留められたのだ。誰にって?それは当然の如くあの男によってだ!
「海俊っ! ありがとうっ!」
「このくらい容易い御用ですぜ、紅娘」
何と言うことだ。海俊は無茶苦茶に強かった。あの梅漢魔をいとも簡単に仕留めあげるとは。
「しかし…梅漢魔に襲われる紅娘も、なかなかにエロかったですぜぇ」
「…って、なにをっ?!」
ったく。先ほどこの男に賞賛の言葉をあげたことを訂正したい。と私は思った。
冗談がすぎるであろうが、この最強の妖術師こと・海俊は、私の胸部に視線を送り、ニヤッと笑うのだった。




