第十話 強力な依代
ーー英泉から、憂鴉の倒し方を伝授した私と海俊。
私たちは早速、憂鴉の肉片を集めるべく、任務を遂行し始める。憂鴉の肉片は、どうやらこの国の各地に散らばっているという話ではないか。
「一体、憂鴉の肉片はどこにある…?」
私は海俊に尋ねた。すると、海俊は答える。
「英泉殿から聞いたところによりますと、憂鴉の肉片は各地に潜む別の妖によって奪われたと、そう伺っております。なんせ、強力な依代ですから」
「なっ…なんと?!」
またも、ややこしい話となった。だが、海俊の話は全くの真実であった。以下に簡潔に説明しよう。
* * *
各地に散らばった憂鴉の肉片は、その強力な妖力を狙った別の妖たちによって奪われたという。
そして、その妖たちは憂鴉の肉片を依代とし、より強力な妖の姿へと変貌した。
簡単に言えば、そやつらを倒すことができれば、憂鴉の肉片を回収することができるのだが、無論、それは決して簡単なことではないのだ。
なんせ、奴らは一部とは言え、憂鴉の能力を引き継いでいる。ただ者ではない。
* * *
ーー私に、倒せるだろうか…
私には不安が募った。が、対して、海俊は至って元気そうであった。この男、最初はチャラチャラした性格の頼りない者だと思ったが、その性格が今は吉となっている。
海俊…こやつと一緒なら、私は憂鴉の依代を手に入れた妖も退治できるかもしれない…そして、あのイケメン・英泉に希望を叶えてもらうのだ…
などと、私が色々と思考を巡らしている。その時だった。
「紅娘。早速ですが…この海俊、英泉殿から憂鴉の依代を得た妖についての情報を聞き入れました。」
「なっ、なに…?! 話が早いな…」
全くいきなりだった。早速、私と海俊は現場へと向かった。その妖・梅漢魔の潜むとある場所へと…




