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自称現実主義者の異世界トリップ  作者: GUOREN
現実主義者(自称)が異世界トリップ?
5/228

5.

取り敢えず明日にならないと状況は変わりそうもないので、このまま寝る事にした。

私の特技がどこでも寝ることができて、そして自在に起きられる事なので、早速このスキルを試してみようと思う。


—————————————————————————————————

おはよう御座います。

異世界の2日目で御座います。

ただいま朝の、6時ちょうどです。

体内時計は、異世界でも正確な様です。

多分。


いつも通りに起きてまずした事が体のチェックだ。

幸い朝日は照り始めており、窓は東側(地球基準)なのかスポットライトの様にこの部屋を照らしだしていた。

対象的に通路側が薄暗い。

自分の姿を確認するのに困らない明るさだったので、今の内に怪我とかの確認を済ませておこうと考えた。

ここでは恐らく迂闊に怪我が出来ないと思ったからだ。

ちょっとした怪我から、抗体を持っていないウィルス感染等をしようものなら、目も当てられない。

抗体の無い私はきっと、抵抗も出来ずになす術もなく倒れるに違いない。

直ぐに発症しない場合は、感染後数日経った後に症状が出るケースも少なくない。

ここは入念にチェックをすべきだろう。

何せ異世界だ。

やり過ぎという程、入念にチェックをしても良い位だ。

備えあって憂いなし。

好きだわ、この言葉。

そう言えば、昨日やたらと頭痛がしていた。

恐らくだが、車内に突っ込んで来た何かで頭を強く打ったからかもしれない。

吐き気や目眩などは今のところ無い。

これは暫く様子見か。

鏡が無いので、触診してみて怪我をしてないか入念に確認する。

怪我をした時の様な特有の痛みが無い事から、頭に外傷は無い様だった。

手足も念の為に確認してみるが、小さな傷も無く服にも見える範囲に破れや血痕が付いていない。

怪我はせずにすんだのだろう。

一通り確認してから、ほっと息を吐いた。

壁に寄りかかって座る。

それにしても、 昨日の内に体を確認しなかったのは迂闊だった。

だが、確認出来る精神状態で無かったのも確かで、これは不可抗力だったのだと無理やり自分を納得させる。

それに、感染するならとっくに感染しているだろう。

半ば投げやりになりながら、空を見る。

空の色は変わらないんだな、等と余計な事を考えてしまった。

何もせずに居ると人はどうでも良い事や考えても仕方のない事を頭に思い浮かべてしまうのかもしれない。

何故、自分はこんな所で何もせず座って居るのか?とか、どうやってこの世界に来たのか?とか、時計は何処にやったのか?とか。

色々。

ここに来る間際の出来事も、徐々に思い出してきた。

雷が直撃したのは、確か前の車だったという事。

その落ちた一瞬、何か違和感を覚えていた事。

私は一体何に引っ掛かったのか?

あの時、視界が真っ白になったと感じた瞬間恐らく前の車に雷は落ち、対向車線の車がスリップした事を覚えている。

その対向車に積載されていた何かが、ガラスを突き破ってきたのも覚えている。

ハンドルとブレーキ操作を必死で行っていた為、違和感を覚えていてもその事について考えている余裕がなかったのだが……

ああ、そうか。

雷だ。

記憶違いかもしれないが、雷はより高い場所に落ちる習性が有ると聞いた事があった。

なのに昨日は、前を走行中のアルファロメオに直撃していたんだ。

周りの高い物には反応せずに。

ゴルフ場みたいなだだっ広い場所とかでなら解るが、周りに街路樹やビルなんかもあってというロケーションで、敢えてあの車に落雷していた。

まるで目的を持って直撃した様な?

いやいやいや、雷に意思なんてあってたまるか。

今日はむかつくからあそこに落ちよう、とか言って落雷場所を決められるってちょっと嫌だ。

うーん、何か色々と私の知らない法則とかがあるんだろう。

例えば、街路樹に落ちない様に、自治体が工夫したとか何とか。

それで、前のアルファロメオに直撃。

それに驚いたと思われるトラックがスリップ。

物凄く歩行者に優しくない自治体の都市計画だが、景観第一に火災を第二に重点を置いた結果(※1)だろうと勝手に想像。

ま、まぁ、救いなのはあのアルファロメオの運転手が、恐らく無事だろうという事だ。

車の中は安全だと言うし。

トラックの運転手は、あー無事だと良いな、うん。

そして、私は頭に何かがぶつかって、気が付けば異世界と。

どういう原理かなのかがまったくもって不明……

判っている事は、とんだ災難にあったって事だけだ。

やめやめ、こんな事を考えていると頭が痛い。

いや現実に痛いんだけど、これってCTとかで見てもらった方が良いんだろうか?

と、そんな事をつらつら考えている内に、給食係もといキースはやって来た。

勿論、朝食を持って。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

気が付いたら多くの方に、目を通していただいているようで恐縮です。

主人公の性格をこの辺りまで執拗に書き進めてきましたが、少しでも皆様に理解していただければ幸いです。

牢屋の中だけでは話は進まないので、次回から外に出てもらおうと考えています。

では、次の6話でお会いできたら嬉しいです。


※1…そんな地方自治体の都市計画は存在しません

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