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弘徽殿の女御


弘徽殿の女御。

源氏物語では光源氏の最大の敵。

桐壺の更衣をイジメ倒した悪役として描かれている。

右大臣家の姫君で、誰よりも先に桐壺帝に入内し、東宮を産んだ女御だ。

いずれは『皇后』になるはずだたのに、桐壺の更衣の登場にせいでなれなかった。

桐壺の更衣に帝の愛を横取りされて、死んだと思ったら、瓜二つの藤壺の女御に『中宮』の地位を奪われた。

桐壺の更衣を『悲劇の女性』と書かれているけど、弘徽殿の女御が方がよっぽど『悲劇の女性』だよ!

息子の幸せを踏みにじる男を憎く思わない母親がいるか?

やっと排除したと思ったら、亡き桐壺帝が、最愛の息子と父親を祟る始末。息子は目が見えなくなるし、父親は亡くなるし、その後もまた酷い。

憎い光源氏は都の戻って栄華を極める姿を見なければならない反面、自分の一族の衰退も見ていたことだろう。

原作では衰退らしいことは書かれていなかったように思うけど、後半、右大臣家の子息たちの事が描かれていない事から、出世した人はあまりいなかったんじゃないかと思われる。







「光、大丈夫かい?」


はっ!!!

いけない!回想に耽っちゃったよ。


「はい……兄上」


「よかった。先ほどから上の空にようだったから心配したよ」


「ご、ごめんなんさい」


「いいんだよ。私の母上とは初めてあったから疲れたんだろうね」


僕の一世一代のプロポーズは儚くも散った。初恋と共に。

あの後、パパ上と弘徽殿の女御は再度お話し合いが勃発。長引くとやらで余所に移っていった。


「今日は私の局で休んでいくといい。母上も歓迎するだろう」


そうだろうか?


「僕は桐壺の更衣の息子ですよ?」


「それは関係ないと思うおよ?あんなに楽しそうな母上は久しぶりにみたよ。光の事を気に入ったんじゃないかな?」


「女御様に嫌われてないならいいんですけど」


あんな美女に嫌われたらショックで寝込んじゃうよ。


「心配性だね、光は」


穏やかに笑う兄上を見るとほっこりする。

癒し系だ。


兄上の勧めで、数日、弘徽殿に滞在する事になった。

パパ上は渋っていたけど、弘徽殿の女御の鶴の一言で万事解決。


桐壺帝を言い負かす弘徽殿の女御の姿は、まさに『女帝』だった。


右大臣家が自信満々に後宮に送り込んだのも納得できる。皇后でも中宮でもないのに既に後宮を支配下に置いている手腕は見事すぎる。

うちの母じゃ、到底太刀打ち出来ない。


ああ~~~~~~~。


父帝の女御()でさえなければ口説き落とすのに!

この世は無情だ。

今、原作の光源氏が義母に恋慕した気持ちがよく分かる!!!



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