9
──そう、桜花 咲夜は十中八九で男であることが確定した!!
それになにより、目の前の男子は私を“桜花 咲夜と誤認している”以上、嘘を吐いている様子は見受けなられない。故に、確定で間違えない。
「……ごほっ、おい、色、これはどういった状況だ? ごほっ、なんか教室内の空気が“ヘン”な感じ、ごほっ、だが?」
「ん? ああ、咲夜が、“初めてできた彼女”を自慢しにきたんだよ」
「……ごほっ、ほうぅ、オレに“初めての彼女”……ごほっ、ね……」
「ああ、そうだぜ。咲夜!
……………………へ?」
──っ!?
J組の教室の空気が先ほどとは、また別の意味でザワつきだした。それもそのハズ。なにしろ、
「──私の“ドッペルゲンガー”さんが、お出ましのようね」
「──は? ごほっ、アンタ、一体なに言って…………、はあ?! ド、ドッペルゲンガーっ!?」
──『桜花 咲夜』御本人のお出まし。……しかし、まさか本当に、私と“容姿”が瓜二つ──いや、風邪マスクをしてなかったら、文字通りの────
「鏡合わせね」
「鏡合わせだ、ごほっ」
──しかもよ、“声までも”私とそっくりとは! 実に、
「キモチ悪い」
「気持ち悪ぃ、ごほっ」
──…………っ!!
「……ちょっと、マネしないでくださいます? ドッペルゲンガーさん。」
「ごほっ、そっちこそ、真似すんじゃーねーよ、女言葉なんて遣って気味悪ぃーんだよ、ドッペルゲンガー野郎!」
──……は? 言うに事欠いて、「女言葉なんて遣って気持ち悪ぃ」だ?
プチっ。
「私は正真正銘の女よ! 女言葉遣いのどこが悪いのよ! あなたの方こそ、女装なんてしちゃって、どういう趣味してるのかしら?」
「あ゛?! ざけンなよ! オレのは女装じゃねーぇ!! この恰好が、オレにピッタリと似合ってるから着てるんだよ!!」
「ふーん、そう。私ね、『浅木夢見魔工』の制服が“私にぴったり似合うから”進学したのよ。だから、あなたの“服装選びのセンス”だけは、認めてあげる。でもね──」
「……ごほっ、へえー。浅木夢見魔工に入った理由は“オレと同じ”ってことか。確かに“服選びのセンス”だけは気が合いそうだ。だが──」
「「──絶対に、────」」
「──はい、お二方とも、そこでストップですわ!」




