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 ──結局、気不味い雰囲気のまま、夜が明けた。

 夜が明けると、

「朝芽さーん!」

「おーい! 咲夜!」

 エンジン付きゴムボートで迎えに来る彩と上村くん。それと、姉川さん。ママとパパは、遠くビーチにて待っていた。

「どうでしたの、朝芽さん? 熱い夜で眠れませんでした?」

「よう、咲夜! 大人の階段上った気持ちは?」

 ──ははーん。この二人、図ったわね。でも残念。

「──咲夜は玉砕したわ。」

「「なんですとー!?」」

 私は告げてやる。ま、咲夜には悪いがここは辛抱してもらおう。

「……あのね、あなた達、自分と声もそっくりな異性に迫られて、“はい、そうですか”って、受け容れられる?」

「…………あー、無理ですわ……」

「…………オレっちは、ギリギリO.K.だな」

「そうでしょう。

 それに、上村くんはギリギリって言ったけど、正直には?」

「……まあ、無理かな」

「でしょ。」

 ──詰まりは、そういうこと。どうしても、他人と判っていても、鏡に見えてしまう。それが、私が咲夜に感じる感情。同属嫌悪とは似て非なる。


 屋敷の部屋に戻って着替え、そのままベッドに寝っ転がり、一先ず、眠る。昨日は、気不味くてずっと起きたままだった為、本当に眠い……──。

「……ふぁ~……、おやすみ……」


 昼。

 パチクリと瞼を開き、起きる。そう言えば“お風呂入ってないな”と思い、昼メシ前に入っておこうとお風呂場へ。

 私は大人数で入れる風呂場へ。なにしろ、お風呂が広く、ゆったりもできる。

「──ふっふーん♪」

 私は台場で服を脱ぎ、籠に入れてタオルを手にしてお風呂へ。

 ──ガラガラ……。

「うーん、やっぱ広いお風呂はいいわね」

 ここはそもそもが、お屋敷で働いている人のお風呂場。故に、人がいたとしても、たいして問題ではない。例え、そこに髪を切ろうとしている咲夜がいても? はい?

「……ちょ、なにしてるの!? ってか、なんでいるの?」

 しかし、私の声が聞こえてないのか、咲夜は真剣な面持ちで、鏡を睨む。そして、躊躇うことなく、咲夜は鋏を入れたのだった。


「──咲夜!」


 私はタオルを体に巻いて、咲夜に駆け寄る。何故そうしたのかは分からないけど、私は咲夜が手放した髪を床に落ちる前に掬っていた。

「……なんで?」

 ここにきて、漸く、咲夜は私の存在に気付き、

「……朝芽? おい、なんで、朝芽がここにいるんだよ! ここ、男湯だぞ!」

 ──………おひ。

「……あのね、ここは女湯。男湯は向こうよ。ってか、なんで髪を切ったの?」

 私は手にした咲夜の髪を握りつつ、そう問いかける。ちなみに、この間も夜から朝まで働いたメイドがお風呂に入ってきている。

「──お前に、朝芽に“ちゃんとした男”として、認めてもらう為だ!」

 ──…………。

「…………あー、うん、分かったわ。でもね、取り敢えず、出ようか?」

「あん? なに言ってんだよ。

 って、ええー!?」

 夜勤のメイドたちが、興味津々に見てきていた。そして────



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