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陽は完全に沈み、夜の帳が広がる。遍く満天の星空に散りばめられた星々。
「なあ、朝芽」
「ん? なに?」
「こうして、二人きりは、何気に初じゃね?」
「……言われてみれば、そうね」
しかし、まるで自問自答してるみたいで、なんか落ち着かない。たぶん、だから、これまで避けていたのだろう。
──ま、いい機会だ。ってか、話してないと、退屈極まりない。
「ねえ、咲夜はさ。好きな人はいる?」
私は定番の恋バナからいく。どうせ、まごまごして、しどろもどろだろうけど、その辺が面白いのよね。
「──え? なんだって?」
──おい、聞いてないの? まったく。
「好きな人は、いるの?」
私は再度、問う。勿論、他意はない。只の興味本位だ。
「……えっと、その……」
──ふふっ、男子ったら、いつもこうだ。だが、そこが面白い。
私が待てど暮らせど、咲夜からその先が出ない。まあ、予想済みだから、これくらいはなんともない。
さて、どれくらい待っただろう。流石に長いと思い、私は咲夜の顔を覗いて見ることに。
「──咲夜──」
──おひ! 暗がりでも判るほどに顔を真っ赤にして俯く、咲夜。まさか、とは思うけど、“私?”。いやいや、ないない。自惚れはよくない。ここはよーく、考えよう。
手近な普通な相手は彩。だが、今のご時世、BLなんてよくある事だから相手は上村くん? 例え、恋愛の自由化はなれど、同性愛は憚れる。特に中高生は。
私はそう結論付けると、
「咲夜、そう畏まることはないわ。例え、同性愛でも、私は否定したりしないわ。だから、聞かせて?」
そう優しく問いかける。すると、
「──お、オレは、オレは、オレは────」
「──朝芽、お前の事が──」
「──えーと、ゴメン、無理」
私は機先を制して、咲夜の告白を阻止する。ぶっちゃけ、好意を抱かれるのは問題ない。が、心の準備以前に“同一の容姿に声”というモノが恋愛という領域に踏み出すのを拒否していた。
「…………」
あー、うん、一気に気不味い状況になってしまった。さてさて、如何したものか?




