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そう叫ぶ。確かに、約二週間前と昨日は“交換留学”の影響で、我が家に彼を泊めた。が、今日からは違う。現に、上村くんは普段通りに自分の家へと向けて帰っていった。
しかし、なぜか咲夜は、「何言ってんだ? コイツは?」と言った感じの表情で見てきて、
「…………交換留学に行く前に、オレの親父が言ったと思うんだが、“暫く二人一緒に出張で家を空けるから、オレはその暫くの間、朝芽の家に厄介になる”ってさ。」
そう宣ってきた。
──は? いやいや、そんなの────、
「──聞いてない!!」
「──なんですって!? なんて、羨ましい!!」
私の絶叫と彩の羨望の叫びが木霊したのだった。
そして、彩とは途中で別れ、すごすごと私は我が家へ。
「……ただいま……」
「えっと……、ただいま……?」
玄関開けて二分でご飯ではなく、普通に帰宅を告げる。咲夜は他人の家ゆえに、ぎこちないが「ただいま」と言って我が家に上がる。
「あら、お帰りなさい、朝芽、咲夜くん。
あ、そうそう、昨日は言いそびれたけど、咲夜くんの荷物、もう届いてるから」
「あ、はい、すみません。今日から、お世話になります」
咲夜は玄関を上がりかけの足を玄関に戻して姿勢を正すと、ママに深々と頭を下げた。
さて、私は自分の部屋へと戻ると、クローゼットからテキトーに服を引っ張り出して着替える。制服はハンガーにかけてクローゼットに押し込み、私はベッドにドスンと腰掛ける。
「……まったく、迂闊だったわ……」
自分とほぼ同じ似姿とはいえ、常時、家に居座るとは……。マジ、ストレスものね。昨日と約二週間前には感じることの無かった目に見えないストレスがふつふつと溜まっていくのが目に見えるようだ。
──ピンポーン!
「朝芽ー! 彩ちゃんが、来たわよー!」
ん? はて? 中学までの夏休みに、彩が我が家に来て一緒に夏休みの宿題を速攻で片付けたことはあったが、アレは夏休みが始まってからのハズだけど……。
ひとまず、私はベッドから起き上がり、玄関へ。
「どうしたの? 彩」
私は玄関にいる私服姿の彩に、コテンと首をかしげる。
「朝芽さん、夏休みの宿題、今日から始めますわよ!」
「はひ? いや、まだ夏休みじゃないし、それに、お昼もまだだからさ。取り敢えずはお昼ご飯……──」
「お昼ご飯なら、ちゃんとありますわ!」
そう言って、彩は近所のコンビニにで買ってきたおにぎりやサンドイッチに飲み物までが収まった袋を掲げる。なる程、準備万端なワケね……。
「それでは、お邪魔しますわ」
言うが早いか、彩は上がり込み、私の背中を押して私の部屋へ。
途中、空き部屋に詰まった段ボールを見遣り、時折、姿が見え隠れする咲夜の姿に、何故か彩は得意満面な表情で、ニヤリと微笑んだ。私はそれを見て「何を張り合ってるのやら……」と、心の内で呟く。




