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魔法工学の合同授業は二時限通しで行われる。なので、休み時間──休憩を挟んだ二時限目。
チャイムが鳴り、授業が再開する。
「それじゃ、授業を始める前に一応確認するぞ──」
前の授業と同じ教科担当の先生が教壇に立つと、先の言葉を口にし、それに続き、
「──魔法取扱い『仮免許』と『魔工検定 五級』のライセンスカードは皆持ってるな?」
と問い掛けてきた。まあ、『魔工検 五級』は、勉強をサボしなければだいたい合格できるレベルらしいし、魔法取扱い『仮免許』は“落ちる方が至難”と言われるほどに簡単なのだとか。先生は教室内を見渡し、その中で、スッと上がった手の主──彩に目が止まった。
「どうした?」
そして、“何事か?”と尋ねる。先生からの応答を受けると、彼女は席から立ち上がり、
「はい。わたくしは一年B組の田山 彩です。わたくし、『仮免許』と『魔工検定 五級』の免許証を持ってはいませんわ! そして、わたくしの隣にいらっしゃる同じく一年B組の桜花 朝芽さんも持っていません。」
と宣う。そりゃ、私と彩は魔法取扱いの『普通免許』と『魔工検 一級』という飛び級したので、『仮免』も『魔工検 五級』も──『魔工検 一級』が上位互換で、それ以下の級をすべて含んではいるが──“持っていない”と言えば、“持っていない”と言えなくもない。
ってか、彩ってこんな冗談を言うキャラだっけ? 初めて見る友人の一面に、私は少しビックリ。
「…………そうか、そいつは残念だったな。」
おそらく、授業に入る前の掴みだったのだろうけど、出鼻を挫かれた先生は、なんとも言いようのない表情になり、
「なら、二人は実技実習は無理だから見学してなさい。二学期の資格取得試験では受かることを願っている」
そう締めて、気不味くなった教室内の雰囲気から極力目を逸らして授業に入ろうとする先生。だが、立ったままの彩が告げる。
「先生から励ましのお言葉、感謝いたしますわ。ですが、わたくしと朝芽さんは、魔法取扱い『普通免許』と『魔工検定 一級』に合格していますので、どうしたらよいのでしょうか?」
「え?」
彩の告白に目を丸くする先生。そして、教室内にドッと笑いが──いや、爆笑が起こった。




