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昼休みになり、六日目にして、既にルーチンになりつつある咲夜たちとの昼食。どうやら、今日は私たちの方が早く着いたようで、いつもの屋上のベンチに腰掛け、先にお昼ご飯を食べ始める。
暫くすると、咲夜たちがやって来た。そして、なぜか咲夜はベンチに座らず、お弁当を食べている私の前に仁王立ちすると、
「──じゃーん! 『仮免』と『魔工検 五級』、無事に取ったぜ!」
自慢顔で、二枚の免許証を見せてきた。ちなみに、『仮免』とは説明しなくてもお分かりかもしれないが、説明すると“魔法取扱いの『仮免許』”で、自動車などと同じ“指導教員や『普通免許』以上を所持した人物の監督下であれば、魔法を扱える”というもの。ついでに『魔工検 五級』は、魔法工学科がある高校の一年生一学期前半に授業で習ったことをちゃんと復習していれば合格できるレベル。
さて、咲夜はいったい何故に、『仮免』と『魔工検 五級』の免許証を私に見せ付けてるのか? まあ、一先ずは、
「合格おめでとう、咲夜」
箸を止め、て咲夜を誉めてあげる。私からの誉め言葉に、彼は──自身は気付いていないかもだけど──朗らかな笑みを浮かべ、
「おう、ありがとよ」
と、照れた。しかし、咲夜は魔法を扱う為の二枚の免許証をいまだに私に見せ付けたまま、なにやら見下したような目付きで私を見てくると、
「朝芽はどうだ? 合格できたのか?」
嘲り混じりの言葉を投げかけてきた。…………はぁ~。自然と溜め息が出てしまった。
私はお弁当を一旦、弁当包みの上に置き、制服の内ポケットから、
「……私も合格したわよ、魔法取扱いの『普通免許』と『魔工検 一級』にね。私、やれば出来る子だから」
私の魔法を扱う為の二枚の免許証を取り出して、咲夜たちに見せる。
「………………へ? 『普通免許』に『魔工検 一級』!?」
咲夜は私が見せた免許証をまじまじと見ると、サッと上村くんの側に移動して耳打ち。
「──おい、朝芽は“オレと同じ理由で浅木夢見魔工に入った”から、“免許と検定の合格はギリギリか落ちてる”んじゃなかったのか、よ? なんか、余裕で『普通免許』と『検定 一級』に合格した感じだぜ」
もっとも、距離が近いので筒抜けなのだが……。
「…………いや、普通、咲夜と同じ理由で進学したんなら、勉強も“咲夜と同じレベル”って思うじゃねーか」
ヒソヒソと話し合う咲夜と上村くん。だが、先にも述べた通り、筒抜け。でも、まあ、ここは“聞こえていないフリ”が正しい対応と思い、私は免許証を元の制服の内ポケットに入れると、お弁当を手に取りお昼ご飯を再開する。
ヒソヒソ話を終えた咲夜と上村くんは、なにを思ったのか今度は彩に話を振った。
「ところで、田山さんは、当然、『仮免』と『魔工検』両方とも合格したよね? オレっちも、合格したし」
「ええ、しましたわよ。朝芽さんと同じ『普通免許』と『魔工検 一級』に、ですわ」
「「ぬをっ!?」」
しかし、彩からの回答に、二人は口をあんぐりと開けてアホ面を晒す。なんか、複雑……。理由は言わずもがな。咲夜は私とは鏡合わせの似姿。まるで、自分のアホ面を見てるみたいで、笑うに笑えない。
そんな事もありながら私たちの日々は過ぎていく────




