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咲夜──ファーストコンタクト時のの終盤にて、桜花 咲夜とは互いに名前を呼ぶときは、下の名前で呼ぶ事に取り決めた。なにしろ、苗字では互いにヘンな気分になるからだ。それに、私から咲夜たちに積極的に関わることもないし。──との邂逅から、早くも数日が経った。五月も四週目に入り、一年一学期の中間試験週間が始まった。
今日の中間試験は六時限目まであるため、昼食は試験の連続で詰まった息を吐き出すため、彩に誘われて校舎の屋上で食べることに。
四時限目までの各々のテストの自己採点の上でのでき具合を彩と私は話し合いながら、屋上へと出る扉に続く階段を彼女と並んで上る。そして、階段を上りきると扉を開けて屋上へ。
視界いっぱいに広がる五月晴れの蒼い空。屋上には花壇やベンチなどが設置され、私たちのように、お昼ご飯を屋上で食べる生徒達で賑わっていた。
彩が先を歩き、迷うことなく進んでいく。そして、
「ちーっす!」
「──よう!」
「お待たせしましたわ」
「……うげー……」
辿り着いた先に居たのは、なんと、上村くんと風邪が治ったようでマスクの外れた咲夜の二人組。彩は躊躇うことなく、二人か座っているベンチの空いているところに腰掛け、お弁当の包みを解きだす。
「朝芽さん、わたくしたちが、咲夜さんたちと出会えたのは何かの縁ですわ。このように親睦を深めても、何ら損にはなりませんわよ」
そうしながら、彩は私の心の内を見透かしたような言葉で諭してきた。
──……ま、まあ、確かに私と咲夜は、出会い頭は険悪になりかけたが、彩のとりなしにより事無きを得た。それと、別段、友達付き合いするのは構わない。が、咲夜と同じ空間にいると意識させられると、なんか……こう……落ち着かない!
しかも、今日は気分を変えようと思って、サイドテールを結ったのだが、
「おい、見ろよ。咲夜。朝芽さんのサイドテール、お前のと同じ高さの結び目の鏡合わせだぜ!」
と、上村くんが言った通り、私と咲夜は真に鏡合わせの姿だった。ちなみに私は左側に結い、咲夜は右に結っていた。
まさか、髪形までもが鏡合わせになるとか、
「あなたが先週に言ってた通り、私とあなた“呪われてる”のかもね……」
「……おいおい、それ、冗談にならなくなるから、止めてくれ」
両者とも溜め息ものだった。
私は彩に倣って、ベンチに座り、お弁当の包みを解いて、上村くんと咲夜も含めて談笑しながら昼食を食べた。
──しかし、この時の私は……いや、私たちは“自分たちが、いまだに学校内の一年生界隈での話題の流行トピック”である事を失念していた。まさか、後々になって、一人歩きした噂話がトンデモない事態の引き金になるとは……──。




