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Dialogue Engage-ダイアローグエンゲージ-   作者: ZoRa
深緑の首【ケッツアルコアトル】
37/49

有りし闘乱と起こりし混沌


集落に戻り、一行は儀式が失敗したことを皆に報告をした


村人B「そんな…なんて酷いことを…」


神輿を担いだ村人D「それに亡骸もまた奴に持っていかれた…。」


村人E「何が原因だったんだ…。」


村人B「そういえば!アイツ、禊の時間が少し短かったんじゃあないか?」


村人D「それに何だか終始嫌そうにもしていたよな」


村人C「どうしてくれんのよ!?これでウチの子が次に印を刻まれでもしたらアンタ、責任取りなさいよね!?」


神輿を担いだ村人D「な、なんだよその言い方!アイツはお前らんとこのガキみたいに不真面目なヤツじゃねぇ!ずっと祈り続けていたし、落ち度だって全然無かった!」


村人C「何ですって!?失敗しておいて何なのその態度!結果的に無駄死にして迷惑をかけただけじゃない!」


神輿を担いだ村人D「何だと!?」


村人C「何よ!?」


グレイ「やめろ!!…いい加減にしてくれ…。」


グレイの一蹴で周囲は静まり返る。


グレイ「なぁ、禊ってヤツが終わったら毎回ああやって沢山の屍異奴が出てくるものなのか?」


村人A「いや、今までにも黒い影人が出てきた事はあった…。だがあそこまで出てきたのは初めてだ。」


村人C「やっぱりあの子が穢れてたんだわ…」


グレイ「うるさい!黙れ!」


銃弾を村人Cの近くで発砲する


シン「グ、グレイ、お前も落ち着けって!…で、お前、何が言いたかったわけ?」


シンがグレイを静止するとグレイは萎縮した村人Cに謝罪して話を続けた


グレイ「…悪い。とにかく俺が言いたかったのは、屍異奴は人の生きたいという気持ち…つまり生への執着から生まれる存在だってことと、それに本来人の影から現れる屍異奴が1人の人間からあんなに大量に出るなんて事はありえないって事だ。」


村人D「でも結局はアンタらが言うその屍異奴ってぇ黒い影人が出た事が原因で穢れた訳だろう?それじゃあ誰も庇いきれないさ。」


シン「じゃあ逆に聞くが、あなたは今この場ですぐに死ねと言われたら死ねますか?」


村人D「そ、それは…」


シン「普通の精神状態の人間ならそんなのまず無理な話だと思ってる。痛み、恐怖、そしてやり残している事に対する未練…。それだって立派な生への執着さ。もちろん屍異奴が生まれる要因に繋がるさ。」


トウキ「(やり残していることに対する未練…。フィリアのお兄さん…ガルガさんもきっと…)」


シン「当たり前の事なんだよ。誰だって死にたくない。だから簡単に穢れているなんて言わないで欲しい。わたしだって屍異奴を根絶やしにするまでは死ねないし、死ぬわけにもいかない…。こんなこと、普通じゃないし、続けさせちゃいけないんだよ。」


グレイ「そうだな。こんな前時代的なイケニエみたいなエグいこと…一刻も早く止めさせないと!協力するぜ。俺たちが!」


村人B「ま、待ってくれ!そんな急に言われても…だいたい俺たちは戦う力なんて無いし…それにここを離れる気も無いんだ。」


トウキ「どういうことですか?」


村人A「我々も別の場所に住んでいたんですが、ここ以外に行くあてが無いんですよ。

元々いた場所では戦が頻繁に起こってましてね、国のお偉いさんから声がかかったら戦に参加せにゃならなかったんですよ。最前線で槍や剣、弓を持たされて、国の為に死ぬよう言われ続けて来たんです…。時には敵国の魔術部隊の攻撃の盾になったり、罠が無いか確かめる先遣隊だったり…奴隷のような扱いで生きてる心地がしなかったんです。

そんなある日の事です。1人の鎧兜を纏ったお方が現れましてね。戦ってる兵達を次々に斬り捨てていったのです。

不思議なお方でした…。我々のような戦う意思のない者には目も暮れず、戦いを望む者だけを斬り捨てて行っているように見えました…。確か名前は…ヴシュラ様と言ったか…?」


村人D「そうそう。それで俺たちはその隙にその場から逃げ出して、この遺場所に流れついたんだよな。

食べ物もいっぱいあるし、今まで通り農民として生き続けることができたし…。

でもしばらくして、流行病に倒れる村人が増えてきたんだ。そんな時にあの神官が現れて、1人の命で皆を救うことができると言い出したんだ。

今思えばあの時断るべきだったが、戦を経験した俺たちは誰だか知らん奴の為に死ぬよりマシだって思ってあの神官の話に乗ったんだ。

それからだ。刻印が現れた者を差し出さなければ皆が死んでしまうっていうようになっちまってよ…。」


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同刻、遺跡の奥。暗い部屋の隅で神官は先程の儀式で穢れを指摘された少年の裂かれた腹に性器を擦りつけ息を荒げながら、激しく腰を動かしていた。

そして絶頂に達すると少年の眠っているような顔に欲望の塊を吐き出すのであった。


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村人B「アイツは悪魔だよ。あの遺跡周辺の木々を通して俺たちを常に見張っていて、監視をしている。だから逃げたりするような動きを見せれば、木を通して罰を受けるようになっているんだ。」


シン「だから外では儀式の話はあまりするなって言ってたんだね…」


村人C「ここは石で周りを囲った地下室になってるからそんな心配もないし…今みたいにこうやって皆で集まれる場所になっているの。」


グレイ「…つくづく陰湿な野郎だな…あの変態神官は。」


トウキ「あの神官が言ってた神…、龍脈になった首の魂の事を言ってるんだと思う。」


意を決したトウキは突然重い口を開いた。


グレイ「言い切るじゃないか。確かに説得力はあるが、根拠はあるのか?」


トウキ「それは…。僕の中に…」


トウキは自身の胸をさらけ出し、セイリュウに刻まれた刻印を見せる。


村人C「あんた!その刻印は次の…」


村人A「いやよく見んだ。我々が見てきたものとは少し形が違う。別物だよ。」


シン「トウキ、詳しく聞かせてくれないか?」


トウキは自身と斬鮫に刻まれた怠惰の刻印、そして以前の島で出会ったレヴィアタンが司る色欲の刻印が星証にあること、それが発するやまびこの歌がより強く反応した瞬間など全てを話した。


シン「だからか…この地に着いてから、らしんばん座の力が消えかけても迷わずこの場所に辿り着けたのは…」


トウキ「うん…。レヴィの歌が連れて来てくれたんだ。それにさっきあの遺跡のてっぺんにいた時、星証が強く反応したからきっと龍脈もあの遺跡の真下にあるんだと思う。」


グレイ「そもそもあの遺跡はあんたらが建てたのか?」


村人D「いや、アレは我々がここに来た時には既に作られていた。」


シン「あんな優れた建築技術を持っていた人が過去にいたって事か。じゃあ造った人はどこに行ったんだろうか…」


?「皆、死んでいったさ。」


一同「!?」


どこからか聞こえてきた声に一同は周囲を見渡すがそれらしい声の主を見つけられなかった


?「ここだよ。こーこ!」


床に敷き詰められた石と石の間に小さな花が咲いていた


村人C「ひぃ!!…こんな花さっきまで無かったわよ!?」


グレイ「離れてろ!あの変態神官…ついにここを嗅ぎつけやがったか…ヤロー!踏んづけてやる!」


花「待って踏まないで!僕はその…へ、変態じゃないけど!その神官の魂そのものなんだ!」


トウキ「まぁまぁグレイ、落ち着いて…ねぇ、魂そのものってどういうこと?それにもともといた人たちのことをキミは何で知っているの?」


花「…僕はシャマノ。このアスティルカの地を守る祈祷師にして最後の生き残りだからさ。」


シン「祈祷師…!霊魂との対話をすることができる生まれ持ってのスタイル持ちがいる聞いたことがあったが…。まさかこんな形で会うことが出来るとは…!」


シャマノと名乗ったその花は器用に体を揺らしながら話し始める


シャマノ「昔、星空からこの地に翠の星が落ちてきたんだ。光を放つその場所からまるで泉のようにマナが溢れて広がっていくと、周囲は自然に溢れ、大地は潤っていった。そんな時だった…周辺の国々はその富を狙って責めて来たんだ…。

でも我々アスティルカの戦士はどこの国よりも強かった!一度だって負けたことはなかった!まぁ〜それも全ては僕が霊魂と対話し、敵の数や戦術を見通すことが出来たからなんだけどね!!」


グレイ「…おい、だんだん自慢話になってるぞ。腹立つしやっぱり踏み潰そう」


花「や!やめてくれ!冗談だってば…。

ゴホン!…んで、でだ。お察しの通り我々はその溢れ出すマナを封じるために石を積み上げて君たちの言う遺跡を造ったんだ。

溢れるマナが発する光が周囲から見えなくなった途端に周囲の国は攻めてこなくなったし、何より自然と調和することを重要視した我々にとっての最善策だった。だけどある日、その遺跡から出た悪魔に僕の体は自由を奪われてしまったんだ…」


シン「造られたものには魂が宿る。もしかしたらそれが遺跡そのものの魂ってことかもしれないな。」


シャマノ「…アレは死したアスティルカの戦士と他の国の戦士達の魂が混ざり合い生まれてしまったカオスさ。僕は抵抗したけれど、その凄まじい数の人間たちの怨念に勝てるはずもなく、僕の魂は体から無理矢理引き剥がされてしまった。

ひとまず近くに咲いていた花に憑依して周囲の様子を伺っていたんだけれど、ヤツは僕の体を使って遺跡の底に眠る富を与えるマナの塊…を神と称して、イケニエを捧げる儀式を行うようになったんだ。アスティルカの地を守るために落ちてきた星が選んだ子に刻まれる印を利用して…」


トウキ「そんな昔から刻印をそんな風に利用していたなんて…」


シン「誰も止められなかったのか?その儀式を…」


シャマノ「儀式を賛美する者と止めようとする者、アスティルカはその相反する考えで二極化してしまった。話し合いで解決するわけもなく最後には…」


シン「殺し合いか…。」


シャマノ「互いの考えを否定し、自身の価値観を押し付ける。対話を拒んだ両者の溝は深まっていくばかりだった…。結局生き残ったのはマナの塊を神と称し、心酔した死をも恐れない儀式賛成派だった。最後の1人になるまでイケニエとなり続けていってアスティルカの民は滅んでしまったんだ…。」


シン「信教は人の世を救うもののはずだが、それを一度捻じ曲げてしまうと争いは避けられないものだからな…」


シャマノ「だが腑に落ちないことは他にもあるんだ。星がこの地に落ちてきて一度もイケニエを捧げたことは無かった。なのに僕の体がカオスに乗っ取られてからは抉り出された心臓をマナの塊が喰らい始めたんだ…。まるで何かで味をしめたように…」


・

・

・


神官(カオス)「ああ…我が神よ…!この度も実に素晴らしい血酒(けっしゅ)が出来上がりました…!どうぞ心ゆくまで存分にお召し上がりください…!」


遺跡の最下部…地下に潜ったシャマノの体を乗っ取っているカオスは赤黒く染まった酒を龍脈に直接流し込んでいた


カオス「ああ…やはり体が在るということは素晴らしい…!!血肉で作った酒の匂いが鼻先から身に染みるようだ…。とても心地の良い気分だ…まるで宙に浮くようような…。さてと。残った肉はしっかりと私の糧としなければ…」


血生臭い異臭が周囲を覆っていた。人骨が無造作に捨てられているその場所はまるで地獄の入り口かのように禍々しい瘴気で包まれているのであった…

お読み頂きありがとうございました。


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皆さんに見て頂けること自体が嬉しいことですし、これからも貴重なお時間を共に過ごせるよう頑張って書いていければと思いますので応援よろしくお願いします_(:3 」∠)_

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