ライジングレイオ
グレイ「…ここは…?」
?「オレの空間だ。はじめまして…ようやく会えたな。シンクロウの息子よ」
グレイ「誰だ!?それに何故父の名を知っている!?」
?「お前の父に造られたんだ。知っていて当然だろ?」
グレイ「造られた…?まさかお前、この銃の…!?」
驚いた様子でグレイは銃の持ち手を強く握りしめる
?「そうだ。シンクロウ…いや、今はクリムゾンと言うべきか。オレはヤツの死に際、お前へ託された物に宿る存在だ。ずっとお前を見てきたが、さっきの拳がオレとお前を繋げるきっかけになったってワケだ。」
グレイ「父さんの造った銃に宿っていた魂…。俺は…あの時、自分の力を過信して選択を誤った。父さんは俺が殺したようなものだ…。だから俺はもう二度と過ちを繰り返さないようにあの拳は封じていた。封じていたはずなのに…」
?「理屈じゃないんだよ。それはオレよりもお前のが分かっているはずだ。それに、お前自身の力が誤っていたわけでもない。誤ったのは使い方…あの時の選択だ。幾多の屍異奴に囲まれ、勝てる見込みのない戦いにお前は無策で飛び込んだ。周りにいた人々を顧みず。ただ与えられた拳の力を過信して、自身の力を誇示する為に。
結果、お前は力及ばず屍異奴に捕らえられ人質となり、助けに入ったクリムゾンがお前を庇い、代わりに死んだ!」
グレイ「…。」
?「『お前は悪くない。あの場合は仕方なかった』とでも言ってもらいたかったか?あぁ?甘ったれるのもいい加減にしろ!今回もまた間違いを犯そうとしている事に気づいてないのか?
必要とされている時に力を振るわないで、いつその力を使うってんだ!?それで?考えを放棄して今度は何て言い訳するんだ?『詳しくは知らん、強いて言えば俺にはまだあの巨大な渦を止める力が無かった』ってか?」
グレイ「違う!俺はただ…」
?「村を守りたいんだろ!?」
グレイ「守りたいさ!俺の…父さんと一緒に暮らし、育った故郷にそっくりなあの村を…守りたい…」
?「だったら、選択肢は1つしかないだろ!?今できる最大限の力で…守る為に戦うしか!!」
グレイ「守る為に…」
虚だったグレイの瞳は再び火がついたように見開かれる
グレイ「…やってやるさ。誰かに見せつける為じゃなく…誰かの大切な場所を守る為に…この拳を振るう!」
?「そうだ!それでこそシンクロウの息子よ!…さあ、叫べ!オレの名を!お前の拳に…力になってやる!」
グレイ「…ああ。わかる…今なら…何故父さんが強かったのか…何故父さんは最期まで俺を守ってくれたのか…そしてそんな父さんが造り、託してくれたこの銃の…魂の名を!」
『限界突破!武装転身!ガントレット・レイオ!!』
グレイが名を叫んだ瞬間、対話を果たした存在…焔のように揺らめく姿をしていたレイオは、灰色に身を染めた若獅子の姿に変化していく。そして自身の体ともいえる銃の中に再び戻っていった。
心象空間から意識を取り戻したグレイの持つ銃は赤く発光していた。まるで銃が握られた手と共に燃えているかのように…。
心象空間での出来事は現実からしてみれば一瞬の出来事だ。いきなり発現した状況を目にしたシンとトウキは驚いていた
トウキ「なんだ!?グレイの右手に…火が!!」
シン「…これは…!グレイの限界突破だ!武器との対話と調和が成されたのか!?」
グレイの銃は徐々に変化していく。それはまるで西洋甲冑の籠手のように腕を覆っていった。
グレイ「グレネード・爆裂徹甲打!!」
グレイの右腕を覆った籠手の肘部分から膨大な熱気が溢れ出す。そして硬く握られた拳で空を殴ると衝撃波が生じ、沖まで一直線に飛んでいく。海をも裂いた一撃は巨大になった渦の柱をも跡形もなく消滅させたのであった。
シン「すごい…!見たかよトウキ…。これが限界突破、武器と持ち主の力が掛け合わさることで得られる力だ…!」
トウキ「武器の中にある魂と1つになることで、何倍もの力を引き出すことが出来るんだね…。ん?シン、あれを見て!」
裂かれた海の中、トウキが指差す所を見てみるとそこには今まで海の中にあったというのに、怪しく光り輝き揺らめき続ける不思議な場所があった
シン「アレは…龍脈だ!」
トウキ「龍脈…。(ってことはここにセイリュウの仲間…かつてはオロチだった首があるってことか…?)」
裂かれた海はやがて元に戻ると何も無かったかのように再び波が打ちつけるのであった
?「見たな…力の根源を!」
シン「龍脈から力を得ている存在なのか!」
トウキ「違う…」
シン「違うって…?どういうことだ?」
トウキ「よくわからないんだけど、うーん…なんて言えばいいんだろう…。龍脈の力をただ利用しているだけのように思えるんだ。」
?「戯言を!我はこの地の主にして海の王…ネプチューンなり。」
海の王を自称する声の主は再び渦の柱を作り出す
グレイ「まだ出るのか…!」
絶大な威力を見せたグレイの右腕は肘部分から黒い煙を上げている。まるでオーバーヒートを起こしたような状態に陥っており、徐々に元の銃の姿に戻りつつあった
ネプチューン「そやつの腕はもう使い物にはならないようだな。今度こそ盟約に則り…」
ネプチューンが渦を進めようとした瞬間、どこからか再び歌が聞こえてきた。何かを訴えるような切なく辛そうな声はネプチューンの動きを鈍らせた。その隙にトウキは周囲を見渡すと海に向かっていく黒い髪を腰まで伸ばした女性の姿が目に入った
トウキ「待って!そっちは危ない!」
シン「待てトウキ!一体誰に言っているんだ?」
なんとシンやグレイにはその女性の姿は見えていないようであった。しかしトウキにはしっかりと見えている。そんな不可思議な状況下で海に足を進めていく女性はこちらを振り向いた
トウキ「君は…!!」
夢に出てきた人魚に瓜二つの顔をした女性がそこにいたのだ。
グレイ「トウキ、お前、一体どうしたってんだ?!」
シン「ヤツの動きが止まっている今、体勢を立て直さなくちゃ…」
トウキ「少しだけ…僕に時間をくれないか?」
グレイ「どういうことだ?」
トウキ「ずっと感じていた違和感が…その正体が分かりそうな気がするんだ。だから…」
グレイ「分かった。後ろは任せておけ。ただもう1人で無茶はしないでくれよ」
トウキ「…分かった。ありがとう。」
トウキは自分にだけしか見えていないその女性を追うように海に足を踏み入れる。女性はトウキの姿を見て安心したような表情を見せると手を差し伸べた。
女性「やっと…会えた」
トウキ「君は…一体誰なんだ?」
女性「私はレヴィ。レヴィアタン。あなたと似た存在…。あなたが成り得た可能性のある存在。」
レヴィはトウキの手を握り話し続けるのであった…
お読み頂きありがとうございました。
もしも
・面白い
・続きが気になる
・なんじゃこりゃあ!
などと思いましたらブックマーク、お気に入り登録お願いします!
皆さんに見て頂けること自体が嬉しいことですし、これからも貴重なお時間を共に過ごせるよう頑張って書いていければと思いますので応援よろしくお願いします_(:3 」∠)_




