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Dialogue Engage-ダイアローグエンゲージ-   作者: ZoRa
藍色の首【レヴィアタン】
27/49

rebirse/Re•birth

夜になり日がすっかり沈んだことで、周囲は暗くなってきていた

照明や灯りといった人工的な光が無い分、星都のように星が近くに感じる程星々が眩しく瞬いている。

そんな島にある村のはずれでひっそりと独りで住んでいる漁師タムンの小屋で眠っていたトウキは、外から聞こえる微かな声で目を覚ました


トウキ「…ん?この声は…歌?」


誘われるように声の元へ向かってみると海辺にたどり着いた


トウキ「…海か…。」


周囲を見渡すと月明かりに照らされた岩礁の上に髪を靡かせた女性が腰を下ろしている

トウキは声に惹かれるように海に足を入れ近づいて行く。


トウキ「あの…」


女性「海、平気になったね」


トウキ「!?え、うわ!わっ!」


我に返ったトウキは驚き戸惑うが


女性「大丈夫」


女性の発したその一声で冷静さを取り戻した


トウキ「なんだろう…この感じは…?

心地良い…。ずっと聴いていたいような声だ…って聞き惚れている場合じゃない!!君は一体誰なんだ?!」


女性「私は…セレン。」


トウキ「セレン…。何故こんな夜遅くにこんな所にいるんだ?」


セレン「海が、好きだから。あなたは嫌い?」


トウキ「…正直、ちょっと苦手…かな。」


セレン「変なの。あなたに私、水の力を感じるわ。それに…ちょっと冷たい氷も」


トウキ「水の力…水属性のマナのことか…でも氷は…?確か…」


海の中でセイリュウが与えた“怠惰の氷”のことであろう


トウキ「あれは夢じゃなかったのか…」


セレン「海も同じ水なのだから怖がらなくていいのに…。でも不思議。それ以外でもあなた、私と同じ感じがする。」


トウキ「同じ…感じ?確かに初めて会った気がしない…。何だかずっと昔から知っている…いや、ずっと探していたような…!」


その時、自分の胸に手を当てた瞬間、トウキは胸にアザのような紋様が浮かび上がっていることに気づく


セレン「遠い昔、散り散りになった7つの首達、天に昇るも、儚く地に堕ち大地に伏せた私たちは、いつしか戻れる日を望み、夢見ていた…」


トウキ「7つ…首…それって…オロチ…?」


セレン「…もうすぐ、朝が来る。大地を照らす燈が灯る…。そしてあなたも、もうすぐ目が醒める…」


トウキ「待って!まだ話が…」


セレン「また会える。そして…」


「…っトメテ」


『止めて』いや、別の言葉を発したのであろうが、言葉を上手く聞き取れなかったトウキをよそにセレンは浸かっていた海から下半身を上げた


翡翠のような緑と紺碧の鱗で覆われたヒレが日の光を反射させ美しく光っていた

そして妖艶な笑みを浮かべると海の中へ飛び込み消えていった


セレン「またね。」


トウキ「待って!セレン!」


追いかけようと必死に手を伸ばすトウキだったが目を見開いた瞬間、気がつくとタムンの小屋の天井が目に入っていた


トウキ「なんだったんだ…今のは…夢…?だったのか?それにしては現実味がありすぎる変な夢だったなぁ…」


タムン「どうしたんだ?起きるなり変な顔して…」


トウキ「タムンさん、僕、昨日の晩、外へ出ていませんでしたか?月が綺麗に見える時間帯から日が昇るちょっと前まで!」


タムン「んぁ?いや、もう昼だど?今の今までぐっすりと…。それに昨晩は新月で月は見えねかったけんどなぁ…」


トウキ「え…?」


現実のような夢のような、不思議な感覚に陥っていたトウキであった


タムン「まぁ、とりあえず飯にすんべ。久々に海に出て漁をしてきたら大漁だったんじゃよ!いやぁ…ザザールの港に居た頃を思い出すなぁ!」


そんなトウキをよそにタムンは食事の支度を整えていた机には多くの魚料理が並んでいる。


トウキ「タムンさん、ザーザスにいたんですか?僕もそこにいたんですよ!!」


タムン「なんと!そりゃ偶然じゃな!昨日はあまり話せんかったが、実はワシな、アソコじゃちとばかり有名な漁師だったんじゃよ。じゃがある時、獲物に刺したモリから怪物が現れたんじゃよ。ソイツの起こした波に巻き込まれちまって、海に投げ出されちまってなぁ…。まぁ気づいたらここに流れ着いたってわけよぉ!」


トウキ「(それって僕達が遭遇したあの巨大イカのことじゃ…?)」


タムン「…食事、口に合わなかったかの?」


トウキ「い、いえ。ちょっとこの島に来る前の事を思い出しまして…」


タムン「そうかい。んで、今日はどうするんだい?」


トウキ「そうですね…もう一度海を見てみようかと思います!」


タムン「大丈夫か?アンタ見たところ海苦手そうだけんど…?」


トウキ「いえ、もう…大丈夫です。ごちそうさまでした!行ってきます!」


タムン「おぅ?!い、いってらっしゃーい…いやぁ若いっていいねぇ。」



グレイ「…俺たちみたいに浜辺で倒れてるかもしれないと思って海に来てはみたが…」


シン「朝からひと通り探しても見つからないな…」


シンとグレイは自分達と同じように海辺に打ち上がっているのではないかと思い浜辺を探していた。すると…


トウキ「海にいたあの子…一体なんだったんだろう…本当にアレは夢だったのかな…いや、でもそれにしては色々と…その…鮮明すぎた…あんなに綺麗な女性…見たことないぞ…」


そうトウキが呟きながら姿を現した


一同「…あ」


3人は意外な方で再会することができたのであった…


トウキ「や…やあ!その…いい…お天気…ですね…」


シン「おい」


トウキ「へ?」


姿を見た瞬間、シンはトウキにドロップキックをかます


トウキ「ゔへぇ!?」


シン「今、何て言ってたかもう一度言ってみろ…」


トウキ「ゔへぇ!?…で、でしょうか…?」


シン「そンの前だよボケ!アホ!ドンカンボクネンジン!」


トウキ「き、綺麗な女性…の辺りでしょうか?!」


シン「そうだよそこだよ!あ?何だ?急に大人になったフィリアだけじゃなく、他にも居るのか?!とりあえずいっぺん死ねェ!」


トウキ「え、ちょ!待っ…!」


グレイ「まぁまぁ、感動の挨拶はそのくらいにしておけ」


胸ぐらを掴み、振り上げられたシンの拳をグレイが掴み止めた


グレイ「とにかく無事でよかった。変わりないようだな。」


トウキ「うん…でもこの状況で無事って言えるのかどうか…」


3人はしばらく黙り込むが、沈黙を咲くようにシンが言葉を発した


シン「…ありがとうな」


トウキ「え?」


シン「だから!その…無くした剣、取り返しに行ってくれたんだろ?」


トウキ「う、うん…。でもダメだった。僕の力だけじゃあのデカいイカには勝てなかった…」


グレイ「そうだったな…だが、お前は勝った…何だったんだ?あの姿は!?」


トウキ「姿…?」


グレイ「覚えてないのか?お前、あの巨大なイカを倒したんだぞ?」


トウキ「何を言っているんだい?!僕はアイツに負けて海に…」


グレイ「(どうやら本当に記憶がないようだな…)」


シン「鬼…」


トウキ「!?」


シン「夢に出てきた姿にそっくりだったんだ。まるで獣が暴れるような感じだった。」


トウキ「…そんな…確かに僕が僕じゃなくなる感じはしていたけど、まさか…」


グレイ「?」


タムン「あのー…話の途中で申し訳ないが…1つ、よいか?」


グレイ「トウキ、この人は?」


トウキ「…タムンさん、僕を助けてくれた人なんだ。」


タムン「お前さん達が出会った巨大なイカなんじゃが…モリが埋め込まれてなかったか?」


グレイ「ああ。コイツがそれをイカに突き刺した。そしたらその中に吸い込まれるように消えていった。」


タムン「そうか…アイツもやっと眠りにつけるんだな…」


シン「妙だね。まるで知っているような口ぶりだね。」


タムン「…ワシの仕事仲間だったんじゃよ。」

・

・

・


シンとグレイが世話になっていた村の話やトウキを助けたタムンの話、互いの情報を共有した後にタムンは過去の話を始めた。


タムン「トウキにはちっと話した事なんじゃが、ザーザスで漁師をしていたワシのところに医者か研究者みたいな白衣を着た男がが来ての。ワシのモリを見るや否や手入れをしたいと言い出しおった。

その日からモリを刺すとイカの足が現れるようになったんじゃよ。おかげで漁も捗ったんじゃが…しばらく経ったある日、モリと入れ替わるようにイカが現れたんじゃ。代わりにモリはイカの体の中に埋もれてしまい、開放されたイカの起こした波に呑まれたワシはここに辿り着いたんじゃよ。」


シン「…リバース現象。」


トウキ「知ってるの?」


シン「あ、ああ。前にも話しただろ?旅先で色々な巨大生物と戦ったことがあるって。」


トウキの問いかけに、少し気まずそうな雰囲気で目も合わせずにシンは答える


シン「物には魂が宿ると言われている。本来は体としている物の中に宿っているが、魂が表に現れる…つまり魂と物体の関係性が逆転してしまう事をリバース現象と呼んでいるんだ。表に現れた魂の内側に物は取り込まれ、魂はマナで出来た肉体を得て自由に動き回るようになるんだ。」


グレイ「…つまりこの危険な男が持っていたこの危険な剣がその現象を起こしたらとんでもないことになるって事だな」


トウキ「…。」


シン「俺は旅先でリバースした存在…仮にリバーサーと呼んでいるんだが、ヤツらと戦っても物に戻すことができるなんて知らなかった。

だが鬼…トウキはあの時、まるで熟知しているかのような動きでモリを見つけ、イカに突き刺した。偶然とは思えないくらい慣れた様子でな。お前、本当に知らないのか?」


トウキ「何も知らない。本当だ!信じてくれ!」


シン「…わたしは、今のお前が信じられない。夢に出てきた鬼がお前のように見えてしまって…正直怖い…。」


トウキ「そんな…」


戸惑うシンとトウキ、砂浜には絶え間なく波が寄せては返し続けていたのであった

お読み頂きありがとうございました。


もしも

・面白い

・続きが気になる

・なんじゃこりゃあ!

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皆さんに見て頂けること自体が嬉しいことですし、これからも貴重なお時間を共に過ごせるよう頑張って書いていければと思いますので応援よろしくお願いします_(:3 」∠)_

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