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Dialogue Engage-ダイアローグエンゲージ-   作者: ZoRa
藍色の首【レヴィアタン】
23/49

錯乱…夢現(ゆめうつつ)

船は港へ戻った。しかし巨大な異形のものにより犠牲者が出て、船体もボロボロになり

再び海に出る目処は立たずにいた。

シンの目覚めを待つトウキとグレイは宿を借りて彼女を運び入れた。


グレイ「俺は一度外に出る。薬が売っている店があるかもしれん。探してくる。」


トウキ「ああ。よろしく頼むよ。」


ドアが閉まると重苦しい静けさが暗い部屋を包み込む。トウキは暗い表情を浮かべ、眠る彼女を見つめる

・

・

・

「…助けてくれ!巫女様!我々を…その剣で…あああああああ!」


シンは夢を見ていた。夢というにはリアルすぎるそれは記憶というべきものであるか、巫女の姿をして石の剣を抱える少女…過去の自分をシンは俯瞰するように眺めていた。

星の無い夜、都アルマリアにて彼女が巫女として存在していた頃の出来事…。

都中の人達の体を闇より這い出た数多の屍異奴が蝕んでいたのだった


シン「やめろ…やめろ…。」


過去のシン「うあああああああ!」


シン「やめろおおおおお!」


祭壇に石の剣を突き刺すと都中に稲妻が迸る。そしてそれを浴びた人々は雷撃に耐えきれず次から次へと倒れていく


「巫女様…」

「巫女…」

「なんで…」

「信じてたのに…」

「助けて…」

「死にたくない…」


『オマエのせいだ』


次の瞬間、記憶の夢は一変し、禍々しい景色が身を包む。そこに当時の自分の姿はなく、周りには先程の雷撃を受け倒れていった都の民で溢れている。


倒れていく者たちの声が頭に響く。その者たちが伏して尚、這い寄ってくる。伸びた腕は顔を覆っていき、やがてその者達の中に埋もれ沈んでいくイメージが彼女を支配する


シン「ああああああ!…誰か…誰か…助けて…」


底の無い沼へ沈んでいくように、どこまでも深く落ちていく。そんな中でもシンは必死に手を伸ばしたそして…


シン「!?」


誰かが手を握ってくれた。

優しく包み込まれるような大きな手はその沼から引きずり出すようにゆっくりと彼女を引き上げていった

が、あと少し…光が見えてきたというところでその手は力を抜き、シンの手を離してしまう。

手の持ち主は目元を氷のように冷たい面で隠し、巨大な剣を背負った少年…まるでトウキのような風貌であった

そしてその面から2本の角が伸びており、内より見える眼は殺意に満ちていた


シン「嫌だ…嫌っ…嫌あああああっ…!」


目を覚ますとシンはベッドで横になっていることに気付く。そして自分は悪夢にうなされていたと認識するが、


トウキ「シン!よかった…ようやく目が覚めたんだね…!」


声をかけてきた者を見た瞬間に夢に出た面をつけた者のイメージと重なる


シン「やめろ…こっちに寄るなあああ!」


錯乱したシンはベッドから飛び降り必死に剣を探した

が、辺りに自分の持っていた石の剣は無い


シン「無い…無い!」


トウキ「どうしたの?!落ち着いて!」


シン「嫌ァァァ!触らないで!やめて…殺さないで!」


トウキ「何言ってるんだよ?!僕が君を殺すわけないじゃないか?!」


シン「返して!剣を…皆を…返して!!!」


部屋に飾ってあった花瓶を投げつける

トウキの頬に切り傷がつき、そこから血が伝った


グレイ「何だこの状況は…?おいトウキ!ひとまず取り押さえろ!今買ってきた薬を飲ませる」


トウキ「わかった!」


パニックを起こし、マナが枯渇し抵抗する力も弱々しいシンを取り押さえる。

グレイが買ってきた薬を飲ませてしばらくするとシンは落ち着きを取り戻し、再び眠りにつくのであった…


グレイ「相当うなされていたようだな…」


トウキ「ああ。いつものシンって感じじゃなかった…。」


グレイ「とりあえず、鎮静作用のあるポーションが効いてよかった。星都に近いだけあって質のいい物があって助かったな。」


トウキ「グレイ…、ありがとう。君がいなかったら僕は…」


グレイ「何も言うな。今の俺はお前達の旅に同行している身だ。そんなお前達に何かあっては俺が困る。そう判断したまでだ。」


トウキ「…グレイ、少し聞いて欲しいことがある。」


グレイ「ああ。」


トウキはこれまでの旅の経緯をグレイに話した。そして星都において修行をしたこと、シンの性別のことも知る限り全てを伝えた


グレイ「…なるほどな。さっきの錯乱ぶり…詳しくは知らんが、まだシンにはお前に言えてない何かがあるのかもしれんな…強いて言えばトラウマ…みたいなものか。」


トウキ「そうだね…起きたら聞いてみるよ」


グレイ「やめておけ。こればかりは本人の意思に委ねて時期を待つべきだ。それに余計な詮索はさらに混乱を招くだけだ。」


トウキ「わかったよ…それにしてもよく眠ってるね…」


グレイ「ああ。これで男の身なりをしてなきゃぁな…」


トウキ「…グレイ、しばらくシンを見ててくれないか?」


グレイ「あ?別に構わないが、お前はどこに行くつもりなんだ?」


トウキ「シンの剣を…探してくる」


グレイ「おそらくアレはさっきのイカにまだ突き刺さったままだぞ?それにお前…」


トウキ「僕、あんな取り乱したシンを見たの初めてだったんだ。正直ショックだった…それにさっき言ってたんだ。剣を返してって…。あの剣が手元にあればきっと…だから…」


グレイ「いや、いくらなんでも危険すぎる!まともに戦える相手じゃ…」


トウキ「作戦ならある。頼む。行かせてくれ!」


グレイ「…決意は固いようだな。わかった。止めはしない。だが、命あっての旅だということ、忘れるなよ?」


トウキ「ありがとう!…行ってくる!」


・

・

・

トウキ「って勢いよく飛び出してきたはいいものの…まずは船を借りなくちゃなぁ。」


しかし巨大イカを倒しにいくと言っても誰一人船を貸してくれなかった


トウキ「海に出る前からこれじゃあなぁ…」


途方に暮れているといきなりウラヌスから貰った使者の証が輝き始めた


トウキ「これは…?!」


トウキは旅立つ前に聞いた言葉を思い出す


ウラヌス「この使者の証…仮に星証(せいしょう)とでも言っておくか。

これに少しばかり儂の力を分け与えることができるのじゃ。本当に困った時、この星証がきっと導いてくれようぞ。」


・

・

・


星証が光を放つ先でりゅうこつ座、ほ座、とも座…3つの星座が重なると、やがて船の形として実体化した


トウキ「すごい…これなら進めるぞ!」


トウキは現れた船に飛び乗った。そして船は意思を持っているかのように進み出す

大海原をしばらく進んでいくと目の前に巨大イカが再び姿を現した

お読み頂きありがとうございました。


もしも

・面白い

・続きが気になる

・なんじゃこりゃあ!

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皆さんに見て頂けること自体が嬉しいことですし、これからも貴重なお時間を共に過ごせるよう頑張って書いていければと思いますので応援よろしくお願いします_(:3 」∠)_

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