月明かりの下で…
試験を終えた次の日の夜…
シン「では師匠、わたし達そろそろ…」
ウラヌス「うむ。うむ。気をつけての。…トウキよ、しっかりエスコートするのじゃぞ」
トウキ「は、はい…!」
シン「トウキが俺をエスコートか…期待してるよ!」
ウラヌス「星の文書庫で得た情報は役に立ったようじゃの」
シン「はい。これからは龍脈の謎を追いながら旅をしていこうと思います。もちろんそれに関係していると思われる屍異奴も倒しながら…」
ウラヌス「旅の目的がより明確になったようじゃの。そうじゃ、コレを持っていきなさい」
トウキ「こ、これは?」
ウラヌス「中立都市の使者の証じゃ。この先の旅で身分を証明するのに役立ってくれるじゃろうぞ」
シン「ありがとうございます!」
フィリア「トーウキー!」
駆けてきたフィリアはトウキに思いっきり抱きつく
トウキ「フィリア!キツい!首絞まってるって…」
フィリア「わ、わ!ゴメン!!あのね、コレ、お守り!あげる!」
離れたフィリアからトウキは髪留めの紐を受け取った
トウキ「これは?」
フィリア「よーく見てみて!」
トウキ「これ!この間僕が買ったチョーカー!それに…」
フィリア「ガルガにいちゃんの。2つとも切れちゃったから…半分こにして作ってみたの!見て!お揃いだよ!」
フィリアの首にもトウキが買ったチョーカーに繋ぎ縫いされたガルガの首飾りで作られた物が付いていた。
トウキ「…ありがとう!大事にするよ!」
トウキは後ろ髪を束ね、貰った髪留めの紐で結んだ
フィリア「私、ここでもっともーっと勉強していつか、絶対先生になるよ!亜人も人間も平等に学べる学校を作って…!そしてにいちゃんの分も生きていくよ!だから…」
再びトウキに抱きつく。そして耳元で囁いた
フィリア「必ず帰ってきてね…旦那さま」
シン「!?」
シンは鳩が豆鉄砲を食ったような表情になり頬を赤らめた
シン「おいトウキ…お前いつ…彼女をたらしこんだんだい?」
トウキ「え、あ、いや…これはちょっとした事情が…ってわ!やめろ!痛いって!」
トウキの頬を抓り、引っ張った
フィリア「あははは!冗談だよ!トウキ、シン姉ちゃん、気をつけてね!」
シン「う、うん…」
ウラヌス「まったく…若さよのう…ほれ、早よしないと獣車の引き手がお待ちかねじゃぞ!」
フンゴ「そうだぜ…ったく…見せつけたくれるじゃねえかよ!トウキよぉ!」
トウキ「フンゴさん!お久しぶりです!」
星都まで送り届けてくれたイノシシ型の亜人フンゴが迎えてくれていたのだ
フンゴ「次は海を渡るんだろ?俺は流石に海は渡れねぇが…せめて港町まで猪突猛進でぶっ飛ばして行くぜぇ!」
トウキ「ありがとうございます!」
フンゴ「今回も相席で悪りぃが、目的地は一緒の奴もいるんだ。仲良くしてやってくれや!」
シン「そうなんだ…道中ご一緒するがよろしく…ってお前、グレイじゃないか!!」
グレイ「お?おお!お前たち…ぐ、偶然だな!まさか一緒の獣車で同じ港町まで行くとはな…」
ウラヌス「(あやつめ…もっと自然に接することはできんのか…)」
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シン「では、師匠!行ってきます!」
ウラヌス「うむ、気をつけての!」
トウキ「お体、髪に気をつけてー!」
ウラヌス「黙らっしゃい!」
フィリア「(2人とも、私、さよならは言わないよ…だって…だって…)」
トウキ「フィリアー!またねー!」
フィリア「…うん!元気でね!元気でねー!」
フンゴの獣車に乗り込んだ一行は港町を目指し星都を後にする。
見送る2人の頭上に輝く星々はより輝きを増しているようだ。
そして月明かりが照らすアトリエにはトウキが彫ったセイリュウを象った木像が静かに佇んでいたのであった…
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