纏え!マナ!研ぎ澄ませ!刃!
トウキA「う…っ、分身した僕……?」
トウキB「斬鮫!頼む!」
斬鮫「おうよ!まずはフィリアをっと!」
体当たりをしてガルガと距離が離れた隙にフィリアを剣先から開いたアゴで優しく咥えトウキBの元へ運ぶ
斬鮫「その次は…刻むッ!」
そのまま宙を泳ぐように倒れたトウキAの周りを囲む獣人達を斬る
そして柄をまるで尾ビレのように使って獣人達をなぎ払って吹き飛ばす。
トウキAの襟元を咥えながらトウキBの元へ運んだ
トウキA「…フィリアを探すのに必死で気づかなかったけど…、こんなにも…上達していたなんて…」
トウキB「まぁね。でも斬鮫に意識を集中してた分、気付くのが遅れた…。動いてないのに息が上がるし、足はパンパンだし身体中痛いけど…あとは任せて。一度1つに戻ろう」
トウキA「ハハハ…斬鮫を持たない手ぶらな僕がもう1人がいるより、その方が戦いに集中できていいかも…ね。」
2人が手を取り合うと双子は解除され、トウキは1人に戻った
身体中は傷だらけなのは変わりないが、力強く立つ彼に斬鮫は自ら寄り、柄を掴ませた
トウキ「さあ、ここからだ…形勢逆転…始めるよ」
ガルガ「形勢逆転?ナァニ言ッテンダぁ?たダ剣が一本増えタダケじャねぇか!数なラこッチが上ナんダヨぉ!」
獣人達は再びトウキとフィリアを囲い四方から飛びかかる
ガルガ「メスハ傷ツケルナ!邪魔ナニンゲンヲ殺セェ!」
トウキ「フィリア、しゃがんで!」
フィリアは言われた通りに頭を抱えてしゃがむ
トウキ「マナで斬鮫を包むように…そこから一気に…放つ!」
斬鮫に青色に揺らめくマナを流し込む
今までと異なり無駄な放出はせず、コントロールしているようだ
そして回転しながら斬鮫を横一線に振ると同時にマナを周りに放出し一気に周囲を斬り割いた
トウキ「氾濫斬!(はんらんざん)」
溢れるマナが洪水のように広がっていき、獣人達を吹き飛ばす
そしてマナを足に流し込み、放出するとジェット噴射のように勢いよくフィリアを抱えてジャンプする
フィリア「と、とんだぁ!」
トウキ「手、離さないでね!」
フィリア「うん!」
トウキに抱きつくようにフィリアは必死にしがみつく
吹き飛ばされた獣人達はトウキの真正面向かって跳び上がってくる
トウキ「狙い通り!陣形も崩れた今なら…」
再び斬鮫にマナを込める
トウキ「水刃斬!」
青いマナ…水属性のマナを刃に収束した斬鮫を振り翳すと、マナを纏った斬撃が獣人達に向かって飛んでいく
身の丈ほどの大きさの剣から繰り出される斬撃は全ての獣人達に命中し、
地面に叩きつけ動きを止めた
トウキ「…付け焼き刃でどうにかなるとは思ってなかったけど…案外うまくいったなぁ…」
斬鮫「相手を斬れてない以上、言葉通りだからな!
『変質』の特徴がある水属性はどんな形にでもなれる柔軟性に富んだマナだ。鋭い水は肉を断ち切り、岩をも砕く!
もっと刃をイメージした斬撃だったらヤツら程度、真っ二つにできるんだ。まだまだ扱いが雑すぎるぜ」
トウキ「手厳しいなぁ…まぁでも…動きは止まったし結果オーライかな?」
斬鮫「…この調子でこの先やっていけるんかねぇ…」
フィリア「トウキお兄ちゃん!今の跳ぶの、すごかった!」
トウキ「ありがとう!さっきあいつにぶつけたウォルターを応用したんだ!」
ガルガ「情ケナイヤツラダ…集エ!俺ノ元ヘ!」
ガルガの掛け声と共に獣人達の中から黒い影が現れる。
野を駆けるオオカミの姿となりガルガを目掛けて駆けていき、身体中に噛み付く
そして影達は、再び形を変え混ざり合う。そしてガルガを覆う毛皮のローブのような姿となり一体化した
ガルガ「…フィリアァ、コレが最後ダ。コッチへ来イ。」
フィリアは首を横にブンブンと振った
ガルガ「…。ナラ仕方ガナイ。四肢ヲ引キ裂イテ連レテ行ク」
トウキ「させるか!」
ガルガがフィリアに襲いかかるがトウキが斬鮫で防ぐ
ガルガ「邪魔ダァ!ソコヲドケェ!」
トウキ「退かない!フィリアは僕が守る!」
ガルガ「ナラ死ネェ!!」
ガルガを包んだ毛皮から狼の頭部が現れトウキの腕や足に噛み付く
トウキ「ぐっ?!さっきの屍異奴達が実体化を…?!」
ガルガ「コイツラモ…元々ハ俺自身…死ニカケテイタヤツラノ身体ヲ器ニシテ、増エテイッタ…。ソシテコレカラモ俺ヲ増ヤシテイク…ソノ為ニ必要ナ器ヲ作ル存在…フィリアァァァ!」
トウキ「ふざけるな…仲間もフィリアも道具じゃない!君を…屍異奴を増やすための道具なんかじゃない!!!」
トウキはオオカミが噛みつかれている腕を無理矢理動かそうとする
オオカミ達は抵抗し首を振り回して引き千切ろうとする
トウキ「負ける…かぁあああ!」
頭突きをしてガルガを怯ませる
ガルガ「イ”?!」
その隙にトウキのマナを得た斬鮫が動きオオカミを剣先から開いたアゴで噛み千切って拘束から開放させる
そして距離をとったトウキは買い物袋の中から小さな紙で包まれた袋をガルガに向けて投げつけた
ガルガは爪でその袋を切り裂くと中に包まれていた粉塵が周囲に散っていった
ガルガ「?!…ッシュン!!…ッッッハクシヨォン!!」
トウキ「みたか!…名付けて…スパイス爆弾!」
フィリア「…ハクッチュン!」
オオカミは優れた嗅覚を持っている。
オオカミの特徴を持った獣人も例外ではない
ウラヌスに頼まれた買い物の中に入っていたスパイスが鼻にかかった2人は堪らず大きなくしゃみをした
トウキ「フィリア!ごめんっ!危ないから今のうちに下がってて!」
フィリア「…う、うん!…クシュン!」
斬鮫「相手に隙を与えるな!このまま攻めるぞ!俺を使え!」
斬鮫を握ったトウキは再びマナを注ぎ込む
斬鮫「もっと鋭く!研ぎ澄まされた刃物を思い浮かべろ!」
トウキ「くぅっ!鋭い刃物…。殺す為の刃物じゃない。今はただ…フィリアを守る為の刃を…いくぞおおおお!水刃斬!」
先程放った斬撃よりも鋭く尖った刃が目前のガルガを両断した
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