学べ!マナ
ウラヌス「…どうやら上手く“対話”が成せたようじゃな」
ヘラクレス「そのみたいね〜!どうする?コレ、オジキに任せちゃっていいの?」
ウラヌス「そうよのぉ。ちょいと様子を見ようかの。」
トウキ「ペルセウスさん!いきますよ!」
ペルセウス「承知!」
斬鮫とペルセウスの剣がぶつかり合う瞬間、爆風にも近い風圧が周囲に広がった
トウキ「うおおおおお!このまま…押し切って…!」
ペルセウス「笑止!マナが垂れ流しですぞ!」
ペルセウスは剣の腹で受け流すように斬鮫の軌道を変えた後、剣を足元の地に刺してトウキの腕を掴み引き寄せた。そして左手をトウキの脇腹に向けて広げると…
ペルセウス「ビュード!」
手の平から風の塊が放たれトウキは吹き飛ばされる
トウキ「んぐあッ?!…なんだ?風が急に…!?」
ペルセウス「剣撃だけが戦いではございませんぞ!」
トウキ「な…なんなんです?!今のは…?」
ウラヌス「自身の持つマナの力を外へ放出させる『マナリス』。簡単に言えば魔法じゃ。」
いつの間にかトウキの背後に回っていたウラヌスが声をかけてきた
トウキ「先生!?いつの間に後ろへ!というか魔法…?そんなことができるのですか…」
ウラヌス「できるも何もお主達は先程からずっと出し続けてておるぞ?」
トウキ「え?でも物語に出てくるような魔法も唱える呪文も僕、全然知りませんよ?!」
ウラヌス「体のエネルギーを出すのに呪文なんていらん!いらん!お主は見たところ、マナを出す方法すらまだ掴めておらん。剣が勝手にマナを吸って戦っておるようじゃからの。少し違うが、似たような戦い方が大戦時にあっての。多くの者が使っておった戦闘スタイル…自身のマナを武器に流し込み、武器に属性を付加して戦う『マジックナイト』と呼ばれるスタイルじゃ。
…あ、そういえばシンもこのスタイルを扱っておったか。」
トウキ「そういえば確かに石の剣に電気がビリビリ…ってなってました…じゃあ僕もそれを?」
ウラヌス「“星”を通して見たところ、お主はただただエネルギーとしてマナを吸われておるだけじゃ。そのマナを剣が蓄え、剣自身が持つ己の属性を付与しておったわい。」
トウキ「は…はぁ…」
ウラヌス「人間が持つマナにも属性があっての。
例外はあるが主に『火、水、雷、風、土』の5つに分かれておる。火には『侵食』、水には『変質』、雷には『貫通』、風には『流動』、土には『硬化』といった特徴があるのじゃ。
マジックナイトスタイルは自身の持つ属性を含めたマナを武器に与える事で、様々な効力を付与する事ができるのじゃ。
例えば槍に雷のマナを与えれば、貫通力が増し攻撃力が上昇する。
対して盾に土のマナを与えれば、盾の耐久性を高め防御力が上がる…なんて感じじゃ。
じゃがお主の場合、粗削りで属性を付与しない純粋なエネルギーとしてのマナを与えているだけなんじゃよ。」
斬鮫「ホント、お前なんにも知らないのな。鈍い奴め」
トウキ「しょ、しょうがないだろ?!戦う事なんて今まで無かったんだから…。」
ウラヌス「とりあえず、まずは対話が出来た分、ひとまず良しとしよう。陣を解くから一度休むがいい。」
トウキ「は、はい…」
斬鮫「ちっ…。おいトウキ!…ちょっと耳貸しな。あの左腕モジャモジャ野郎に伝えて欲しいことがある」
トウキ「え?…あ、ペルセウスさんに?うん…何?」
ペルセウス「い、如何した?私をじっと見て…?」
トウキ「ええっと…その…お、『俺はナマクラじゃねェ!そのモジャモジャした気持ち悪りぃ左腕、絶対刈り取って丸坊主にしてやる!覚悟しておけワカメ剣士!』
…と斬鮫が伝えろって…」
ヘラクレス「…プッ。ハハハハハハ!ワカメ剣士!てかその人喰い剣、そんな口調なんだね!それとも実はトウキが思ってる事も含めてちょっと盛って言ってたり〜?!」
トウキ「いえ、そんな!!」
ペルセウス「そうか…じゃあ私からも伝えさせてくれ。
…幾度でもお主の動き、止めて差し上げよう。このワカメ剣士、いつでもお相手致しましょう。とね!」
ウラヌス「フォッフォッフォッ…。では、では、一度小休止といこうかの。その間、儂はシンの様子でもみてくるわい。」
そう言うと陣は消え去っていく。
同時にペルセウス、ヘラクレスも徐々に粒子となって消えていくのであった
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一方勉強組は、一般的な基礎学問を覚えるフィリアとトウキが机に向かっていた
トウキ「ぬあああ…これで…終わりっ!」
ウラヌス「地頭は悪く無いようじゃの。うむ。正解。合格じゃ!」
トウキ「よ…よっし…」
ウラヌス「次はコレじゃ!」
トウキ「せ、先生…これは…?!」
ウラヌス「さっき“別のお主”に教えたマナについてじゃ。属性付与についてのイメージをまずは頭で覚えるんじゃ。」
トウキ「…?あ、向こうの僕にですよね…。というかビックリしましたよ…急に倦怠感が出たと思ったら今度は腕が痛くなるもんですから…」
ウラヌス「言ってなかったかの?意識や経験が共有されるっていうことはそれ以外も、もちろん共有されるんじゃよ。マナを吸われて感じる疲労感も、腕を噛まれた痛覚も例外ではない。ちなみに腕のケガは、自分から暴走した人喰い剣に噛まれに行ったんじゃよ?儂、何もしとらんもんっ。」
トウキ「き、聞いてませんよ…そこまで共有されるとは…。それに我ながら何であんな行動をしたんでしょうね…。意識が共有されてても、自分が何であんな風に動いたのか全くワケが分からないですよ…。」
ウラヌス「野生の勘ってやつじゃの。戦いの中で考えるよりも先に行動しておったんじゃろうの。ホレ、ホレ、休憩は終わりじゃ。続きをやろうぞ」
トウキ「え?!今のが休憩?!…なーんか同じ人間を分けたハズなのに、こっちのウラヌス先生の方がスパルタだと思うのは気のせいだろうか…」
ウラヌス「ん。問題集、追加じゃな」
トウキ「ひ、ひえぇぇぇぇぇ…っ」
建物中にトウキの力無き悲鳴が響き渡るのであった…
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