チュウ食……
ケイゴが二度目の交渉し勝ち取った頃、ギルドでは……
「……もんセンパ〜イ」
「どうしたの? ノエさん」
「それ美味しそうっすね♪」
ノエちゃんは、フォークっぽいもので弁当箱を指しいう。
「一口食べてみる? これはミンちゃんが作ってくれたの」
受付嬢ちゃんは、嬉しそうに言う。
「……いいんっすか?!♪ 私も最近自分で作るようになったっすけど、味見してもらってもいいっすか? 交換っす♪」
ノエちゃんは、自分のおかずを受付嬢ちゃんの弁当箱に置き、交換した。
「……なになに? 私も混ぜなさいよ〜」
ルン先輩が、2人の後輩の昼食に混ざる。
「……もぐもぐ……いいっすよ〜♪ これ美味しいっすね! 確か、先輩と暮らしてる子供っすよね?」
ノエちゃんは、腰を上げ場所を作りルン先輩が座るのを確認した後、受付嬢ちゃんに美味そうに言った。
「……えぇ♪ 最近はずっと家事をしてくれて、すごく助かっているんです……とてもいい子ですよ?」
受付嬢ちゃんは家族を話し、その笑顔はとても母性溢れる素敵な微笑みだった。
「……負けられないっす!」
(……ミンちゃんにも、もん先輩にも……
その笑顔は反則っすよ〜先輩)
ノエちゃんは、闘志を燃やす。
「……私もこれあげるからそれちょうだい「これっすか?」そうそれ」
昨日より少し化粧が濃くなり、美しくなったルン先輩は、ノエちゃんとおかずを交換した。
「……でも、大丈夫なの? もぐもぐ…美味しいじゃないノエ〜♪」
受付嬢ちゃんに話しかけながら取ったおかずを食べ、ノエに肘を押し当てながら笑うルン先輩。
「……何がですか?」
受付嬢ちゃんは、首を傾げ聞く。
「……教会よ……受付嬢は確かに給料は良いけど流石にあの大きさの土地のタプは馬鹿にならないでしょ? 子供達の生活費やそろそろ修繕しないとヤバいんじゃないの?」
ルン先輩は、イヤリングをチラチラと揺らしながら、フォークっぽいのをボロい教会がある方に指した。
「…………」
受付嬢ちゃんの笑顔が消える。
「……ルン先輩! 今言わなくても……」
ノエちゃんは、小声でルン先輩に言う。
「……分かっています……ありがとうございます、ルン先輩」
すぐに笑顔を作り、そう言う受付嬢ちゃん。
「……あの子達の為にも、貴方は決断しなきゃならないわ? ちょうどブレイクがいるじゃない……」
「「……っ?!」」
ルン先輩の言葉に、目を見開き驚くノエちゃんと受付嬢ちゃん。
「……彼は、貴族なのよ? 何故か知らないけど冒険者している変わり者で貴方のことになると手に負えないけど、それって貴方が好きだからでしょ? この前のギルド襲撃の前に、1番にその予兆を感じてノエを助けてたじゃない? ギザナは相手が悪かったけど……もぐもぐ……」
「……そうですね……」
「……僕は貴族だ……今は冒険者だとしても貴族だ……タプは沢山ある……君と孤児達も養っていける……教会だって綺麗にしてやれる力が僕にはある……」
「…………」
「……僕の妻になってさえくれれば……」
ブレイクは、真剣な表情で受付嬢ちゃんの手を握り、言った。
「………ッ!?」
受付嬢ちゃんは、咄嗟に手を引っ込めようとするがブレイクは、離さなかった。
「……返事を聞かせてくれないかな? 妻になってくれれば不自由な生活はさせない! 君が今まで孤児達の為に費やして来た時間を自分のために使って欲しいんだ!」
「……ブレイクさん……」
「…………」
受付嬢ちゃんは、手を撫でる。
「…………」
ノエちゃんは、受付嬢ちゃんの表情を覗き込み……自分の弁当箱を見た。
「私はほら……勇……ラトさんにもらってもらうわけだし? 転職しちゃうじゃない?
……言っちゃった♪」
ルン先輩は、髪を撫で凛とした表情で言うが、頬は赤く染まり、溢れる幸せは隠し通せていなかった。
「……ソウッスネ〜」
「おめでとうございます」
ノエちゃんは、ジト目で言い。受付嬢ちゃんは、微笑み言う。
「……な、何よ! 私は別に賛同してもらう為に行ったわけじゃないわよ? ……ウンッ! 貴方達もそろそろ考えておきなさいって事を言いたいの……私ぐらいの歳になるとなかなか現れないわよ? 勇者様は……違った……
……名忠の恋人は」
凛としたルン先輩は2人を見る。
「「…………」」
ノエちゃんと受付嬢ちゃんは、2人ともルン先輩を見ていた。
「……勇者様とはいい感じなんすか?」
ノエちゃんは、素の顔で聞く。
「……えっ? ええ♪ 今日のラトさんのお弁当は私のお弁……はっ!」
ルン先輩は、デレっとした笑顔で楽しそうに話していたが、ノエを見る。
「……勇者様ってルン先輩は、乙女っすね〜♪」
ノエちゃんは、ニー♪ と笑っていた。
「……ルン先輩が幸せそうで何よりです♪ これ餞別に……」
受付嬢ちゃんも、嬉しそうに微笑み、おかずをもう一つプレゼンツ。
「……!!」
ルン先輩は、顔を真っ赤にして立ち上がる。
「「……クスクス……」」
2人で食べている受付嬢達は、勇者語りと書かれた本をルン先輩に見せた。
「……ああ、あ、アンタ達! 私をからかっているの!?
今日! 定時で帰れると思わないでよ!!」
「「「「……はい!♪ お幸せにルン先輩!!」」」」
「……うぅ……」
皆からの信頼が今はとても憎らしいルン先輩だった。
「…………」
受付嬢ちゃんは微笑んでいたが、休憩所の方を見ていた。
「…………」
ノエちゃんは、そんな受付嬢をジッと見つめていた。
受付嬢ちゃんは何を思い、ノエちゃんは何を感じているのか……
ケイゴを囚人としたせいで何が何やら……どうしよう……




