想いの絆……
「……ねぇ、レンくん」
「ん? どうした? ネネ」
「今日も平和ね〜」
「そうだなぁ……平和だな」
ここはライトセル門前で、2人の若い男女が和やかな時間を過ごしていた。
「あれはどうしたの? ほら最近してるじゃない」
「……んぁ〜あれはまぁ順調だよ、最近鈍ってきてるからさ、門番ってずっと立ちっぱなしだから」
「……ごめんね、私が門番になりたいって言った日から……レンくん冒険者やめさせてしまって」
「……何言ってんだよ、俺はどうせA級になれなかったしな、ネネはあと少……いや、何でもない……」
「大丈夫よ、もうその事は気にしてないもの、レンくんなら行けたわよ……きっと……」
「……慰めるのはやめてくれって♪ ネネから見たら分かるだろ? 俺がB級以上になれなかったのは……色々指導してもらってたけど、きっとネネの隣には立てなかった……今だってこんなに遠いしな♪」
「それは……立ち位置の問題じゃない……
私はもう、大丈夫だから冒険者に戻ってもい「冒険者じゃネネを守れない……」……レンくん……」
「はい! この話は終わりだ♪ ネネも門番に集中しろよ〜」
「……えぇ……そうね」
「…………」
「…………」
「……レンくん?」
「早い! 本当ネネはすぐ喋りたがるよな! 集中! はい! 今から集中!!」
「……いいじゃない、暇なんだから……レンくんって結構、真面目なんだから」
「…真面目って、仕事熱心のはネネの方だろ? 俺より人さばくし、不審な奴とか見抜けるじゃんか」
「……そんぐらい出来て当然よ、レンくんは出来なさ過ぎなのよ♪」
「あっ! ああーー!! 言ったな! 言っちゃいけない事言ったなー!! もう口聞かねーわ、俺今からネネに構ってやらんから」
「……ごめんね? 優しいレンくんなら許してくれるよね?」
「…………」
「……おーーい、レンくーん」
「…………」
「……じゃ、今日の夕ご飯は、ピマ炒めにするわよ?」
「……?!」
「いいの〜?♪ ピマ炒めに♪ ピマスープ♪ ピマとニトリスの卵焼き♪ ピ「分かった! 勘弁してくださいネネさん! 付き合うから! ピマはやめてくれ」ふふ♪ 本当ピマ嫌いよね〜レンくんは」
「苦手なもんはしょうがないだろ? あの苦い味は体が受け付けたがらないんだから」
「ピマ美味しいのに……」
「……ネネは、嫌いな食べ物無いからいいよな〜いつも美味しそうに食べるから、俺までたくさん食べちゃって太っちまう」
「……私は、太らないわよ〜♪」
「……ネネのあれ強すぎだって……脂肪燃焼効果付きとか羨ますぎだぜ本当に」
「え〜そんないいものじゃ無いわよ? あれした後、凄く疲労してしばらくの間、魔法効果低くなるし長く持続させるのは出来ないしね」
「それが、気にならないくらい強いんだって……自分で作った魔法じゃんあれ……他の人使えないんだぞ?」
「……そうね、私が考えて実践して使えるようになったから……」
「…………」
(普通、魔法なんて作れない……ネネがどれだけ冒険者として努力したか、それをずっと見てきたから分かる……ネネはまだきっと……)
「……ネネ……」
「……ん? どうしたの? レンくん」
「……俺は、もう弱く無いからな♪ 」
「…………そんなの当たり前じゃない♪ レンくん変なの♪」
「……そうか〜? 俺は真面目なんだろ?」
「……勘違いだったかも……」
「おい! 勘違いな訳ないだろ!」
「……ふふ♪ 嘘よ♪ レンくんはいつだって優しいから♪」
「……優しい関係なくない? はぁ〜ネネは全く……」
「レンくん集中!」
「……って、こっちが言ってたんだが! なぜこうなった?!」
「……さぁ♪ 今日もライトセルは2人で守るわよ! ね?!」
「……くっ! 分かってるよ! 守ってやるよ!」
「……いい返事ね♪」
2人の門番は、今日もライトセルの安全を守る……互いに理解し合い深い絆と共に……
「よう! 2人共!」
すると、シビュター1が2人の様子を見に来た。
「おはようございます」
「おう! おはよう!」
「ああ、おはよう……2人とも相変わらず仲良いよなぁ……」
「……聞かれてましたか?」
門番ちゃんは、モジモジとしながら聞く。
「……バッチリだ♪」
シビュター1は、親指を立てた。
「……ま、まぁ気にすんなよネネ」
レンは、門番ちゃんの肩をポンポンとしながらいう。
「えぇ……で、何の用ですか? シビュターさん」
まだ少し頬の赤い門番ちゃん。
「……解決した話なんだが……昨日フムロマスタが襲撃われた……」
シビュター1は、真剣な表情でいう。
「「えっ!?」」
同時に目を見開く門番。
「ラトさんが襲撃犯を倒してくれてケガ人は多少いたが、死者は出なかった」
「……よかった……」
安堵した顔の門番ちゃんは、レンの顔を見る。
「ちっ! 外からじゃなくギルドに直接なんて対処できねーよ」
レンは、悔しそうに怒る。
「まぁ、それは俺らの仕事だ、2人は門の外を見張ってくれてるからいい……」
「犯人達は?」
「ちゃんと牢屋に入れて仕事させてるよ♪ あーそうそう、今回一番酷い犯罪者がいてな」
少し嬉しそうな顔で言うシビュター1。
「ギルド襲撃に加えてまだ罪を犯す奴がいたのか? クソヤローだなそいつ!」
「クソなんて言わないの……そっちの対応は任せるわ……困った事あったら手伝うから」
「いつも悪いな、青光の聖矢」
「その名で! 「いいのよレンくん……ネネと呼ばれるよりマシよ」 ……ネネが良いなら」
レンが怒鳴りかけたのを制し、門番ちゃんは、優しく微笑む。
「……ん? 呼んじゃダメだったのか? ずっとそう呼んでいたが……ケイツさんだって」
「いいえ、呼んで大丈夫よ? 報告ってそれだけ?」
「まぁ、一応門番もシビュターの一部みたいなものだしなぁ?」
「シビュターは一緒じゃない! あの時助けてくれなかった奴らと一緒にすんじゃね!」
レンは、溜まってたのかのごとくそれを吐き出す様に怒った。
「……お、おう……俺に怒るなよ……」
シビュター1は、一歩下がり両手を上げて言う。
「レンくんすぐ怒るのは良くないわ、ね?」
「……俺は良いんだ……ネネ……が……」
「……レンくんは優しいわ……本当に」
2人は見つめ合う。
「はぁ……他でやってくれよ、性犯罪者だった今回の最囚人は」
「…………」
門番ちゃんは、ビクッとなった。
「……なんだと? 性犯罪者? 被害者は大丈夫だったのか!」
レンは、シビュター1の肩を掴む。
「……そそ、そんな顔で睨むなって俺がした様に感じるだろ?」
「……悪い」
「太ってて、髪ボサボサの如何にもそういう事しそうな顔だったぞ?」
「……?!」
門番ちゃんは、怯えた表情で両腕を抱える。
「……ネネ……俺がいるから大丈夫だ、そいつは捕まってるから、な?」
「……ありがとうレンくん……」
「ど、どうしたんだよ……青光の聖矢」
「……いや気にしなくて良い、用が済んだろ? ライトセルの内は任せた……
……ネネ大丈夫か?」
レンは、ネネを気遣う様に優しく聞く。
「……ええ……」
「……なんか悪い事した様だな……気をつけるためにも伝えておく……名前はケイゴだ」
「「っ?!」」
2人は同時に目を見開き驚いた表情だった。
「……じゃ、任せたぜ! こっちも休憩しすぎるとケイツさんに掘られちまう」
シビュター1は、そう告げると笑い、走ってライトセルに消えて行った。
「……あ、あいつ……やっぱり」
レンは、手を握りしめ怒りを露わにする。
「…………」
門番ちゃんは、顔を下げ見えない。
「……ネネ、やっぱりそうだったんだ! もうあいつにかか「 [ リキャパー ]!!」待てネネ!」
レンの言葉の制止を無視して、顔に青い模様が浮かび上がる門番ちゃんは、高く跳ぶと屋根を高速で移動してすぐに見えなくなった。
「……俺は残らないと門番……クソ……
……門番でも、肝心な時に側にいてやれないのか」
レンは、己の弱さと不甲斐なさに悔しそうに地面を蹴った。
「……私を信じさせてくれるって約束したのにどうしてよ! ケイゴ!!」
門番ちゃんは、青光しながら屋根から屋根を飛び越えシビュターへと高速移動して行った。
「……お母さん、今ね? 青いお姉ちゃんが屋根走ってた〜♪」
小さい幼女のヒヨルちゃんは、お母さんロングスカートを掴みピョンピョン飛び跳ねながら屋根を指差す。
「……そんなわけないでしょ? ほら行くわよ」
「本当だもん!」
ヒヨルちゃんは、荷物を持ったお母さんに引っ張られる様にトッマテクに帰って行った。
書いてて心がすり減る私……幸せそうで嬉しいのですが……ケイゴを思うと……
どうなっちゃうの〜気になる〜
本当だもん!




