変わらぬ物……
「…………」
……あれだ、俺はステータスカンストが999という認識が違かったって事だろ? 初期値1000という事は……
結局、俺が最弱じゃん! 何それ?! 俺まだ職業脚フェチだぞ!! 職業と言えるのか? いや言えねー!! てか、人に言えるようなものでもない! 見られたくない人に見られまくったけど……最弱職は脚フェチだ!
ケイゴは、闘花囚群皆が嘆いている中1人その場に立ち尽くして己の弱さに呆れる。
「……ん? 618番お前はそこまで気にした様子がないな……」
ケイツは、1人立つケイゴにそう言ってきた。
「……い、いや……はい!! 凄く嫌です!!」
ケイゴは、自分の腹を触り、また殴られたくないのでそう答えた。
「……どっちか分かりづらいな、ちゃんと答えるようにしろこれからは……いいな?」
ケイツは、眉をひそめながらケイゴに言う。
「はい!!」
あんたがはいって言えと言ったからだろう! こっちだってどう答えればいいのか分からんわ! でも俺は気づいたんだ……
囚人となった今……俺はこれから……
職業が脚フェチじゃなくなると!! そこは俺にとって嬉しい事だ……囚人になって嬉しいって何だよ。でも考えてみてくれ、他人に言えるか? 俺の職業脚フェチです! なんて言えるわけないだろ? でも、囚人ならまだ言えるそう言えるのだ。胸張って言えないけど、言える職業なのが俺にはメリットなんだ。
それに999は上限で引き上げる事が出来ないが、囚人になれば1000になると言う……たかが1されど1だ! よくあるだろ? RPG系のゲームには、レベルマックスからステータスを1ずつ上げるアイテムとか! それよ! 集めるのめんどくさくてしなかったけどね!
「…………」
ケイゴは、己の弱さに気づき、それを強化する方法が閃いた事で、少しテンションが上がっていた。
「……あとは618番だけだな、よろしくお願いします……ラトさん」
ケイツは、トラリス男にそう言った。
「……え、えぇ……分かりました」
ラトさんは、曖昧な返事を返すと俺の前に立つ。
「……参りましたね……貴方は実に困る人だ……」
ラトさんは、俺にしか聞こえない程の声で言う。
「……え? どうかしたんですか?」
ケイゴは、ラトに聞こえる声で聞く。
「……少し試してみましたが、やっぱりダメでした……脚フェチさん」
「…………」
「脚好きすぎですよ……脚フェチさん」
「…………」
「脚フェチさん? 聞いてます?」
「…………」
「言ってる意味分かりません? あなたは……
囚人になれません……転職はしたくないのですね……」
「…………」
女神様ーーーー!! なんて呪い掛けてくれたんだよ!! 今囚人だよ? 捕まってるんだよ? 罪おかしたんだよ? ねぇ! 俺は脚フェチだけどそこまでじゃないからーー!!
ケイゴは、微笑む女神様を思い出しツッコンだ……脚は鮮明に思い出そうとしていた。
「……すみませんが、囚人になったフリしてもらっていいですか? ここでカードを見せる機会はありませんから」
ラトさんは、そう言った。
「……え、あ、はい」
だから! 囚人のフリってなにーー?! 囚人だよね? 俺……えっ? 違うの? そうだよね? あれ? 訳わかんなくなって来たんですけど……
ケイゴは、自分が何なのか分かんなくなった。
「 [ トラリス 職を拒む者に永滅の権利を行使する……無職
重ね
最底辺に堕ちる者に転職を……囚人 ] 」
ラトは、皆にかけた魔法をケイゴにも掛けるが、魔法陣が展開することはなかった。
「……ん? ラトさん今魔法が掛かってたんですか? 」
ケイツは、ラトに問う。
「……えぇ、ちゃんとなりましたよ?
……体が重くなったと言ってください」
ラトは、ケイツに答えた後、ケイゴに小声で指示を出す。
「……あ、か、体が重くなった……」
……ナニコレ、罪悪感ぱない……罪人だけども……そもそも元から重いですけどね!
「……よし、これで全員囚人になったな」
ケイツは特に怪しむ事もなくそう言った。
「……ふ〜……次は脚フェチやめてもらえます?」
ラトは、ケイゴに小声で微笑む。
「……やめたいんですけど……」
……何なのこの人……前も何かと無理な事を言ってくるよな……上限になっているって言うのに強くなれって……ギルドを助けてくれた人で感謝してるけど……それに……
あの……私がケイゴさんに渡した紙を見せてもらってもいいですか?
……えぇ……いいですよ
……クシャクシャですね……
……すいません……
いえ、持っててもらえてるだけでいいんです……それだけで……いいんです
……ケイゴさん……
はい? 何でしょうか
……私と一緒に頑張りましょう。
選別出来るようにしてあげますから♪
はい! よろしくお願いします先生
任せてください
「……ラトさんと呼べばいいですか?」
ケイゴは、真剣な表情だ。
「はい、私はラトですが……」
ラトは、ケイゴの表情が変わったのに気づいた。
「……ありがとうございました」
ケイゴは、頭を下げる。
「…………」
ラトは、言葉の意味を理解しようと考えていた。
「……ラトさん、仕事は終わったのでこれが今回の分です」
「……あ、すいません」
シビュター1が、ラトに話しかけジャラジャラ音のなる袋をラトに渡した。
「……それは、どうい……」
ラトが振り返った時ケイゴは、闘花群の方に歩んでいた。
「……どうかしたんですか? ラトさん?」
「いや、何でもないです……それでは私はギルドに戻ります」
ラトは、そう言い集会室を出て行った。
「……もう一度……笑いかけてもらいたかった……」
ケイゴは、ソウネを顔の横に持ち嬉しそうに笑う人を想い……囚人じゃなくても、自分の意思で囚人になると心に刻んだ。




