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大切な場所  作者: 緋絽
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目覚めと指輪

秋雨です!

レナに引きずられてガネルの病室に来た。

「よう、みんな久しぶりー」

ガネルは意外と元気そうだった。

それを見たレナはいきなりガネルを殴った。

「バカ!心配したのよ!?」

「レナちゃん、落ち着いてください。ガネル君が大変なことになってますよ」

「え?」

リルに指摘されてガネルを見たレナは真っ青になった。

ガネルが頭から血を流していたからだ。

「きゃーーーっ!看護師さん、看護師さーーーん!」

看護師はすぐに着てくれた。

「どうかしましたかー?って、大丈夫ですか!?」

看護師は大量に血を流しているガネルを見て、あわてて止血を始めた。

「あ………、川の向こうにばーちゃんがいる……」

「ちょ、ガネル!?その川多分三途の川よ!」

「ばーちゃんなんでオレを追い返そうとしてるんだよ……」

「あんたが行っていい場所じゃないからよ!」

「あ、じーちゃんもいる……」

「……いいかげんに、戻ってきなさい!」

「うおっ!?……あ、あれ?レナ?」

キレかけたレナが大声を出したおかげでガネルは川を渡らずに済んだ。

「カナタ君もガネル君みたいに目を覚ましてくれたら良いんですが……」

ぽそっと呟いたリルの声が聞こえたらしく、ガネルがこちらを向いた。

「え、何?カナタがどうかしたの?」

「はい、実は………」

リルが大まかにガネルに説明をした。

話を聞いていたガネルの顔から血の気が引いていく。

「………ということなんです」

「マジかよ……」

「嘘なわけないでしょ」

「あのカナタがやられたのか………」

………空気が重い。

「“リュカー、聞こえてるかい?”」

しんみりした雰囲気の中、いきなり頭に響いた親父の声。

「“………空気読め、このクソバカボケ親父が”」

「“ええっ!?なんで怒ってるの!?折角いいこと教えてあげようと思ったのにー”」

「“いいこと?それならさっさと教えろ”」

「“あのね、さっきリュカ宛に手紙が来て、『カナタ・ヴォルテスが目を覚ましました』だそうだよ”」

カナタが目を覚ました?

「“それ本当!?”」

「“本当本当”」

「リル、レナ、ガネル!カナタが目を覚ましたって!!」

親父との念話をブチ切って3人に伝える。

「ぼく、カナタのところに行ってくる!」

返事も待たずに僕は病室に走っていった。


「カナタ!」

カナタのいる病室の前に着いた僕は、勢いよくドアを開けて中に入った。

「リュカ………?」

眠そうな目でカナタがこちらを見ている。

「―――――――っ、よかったぁ………」

「おいおい、大丈夫か?」

座り込んだぼくを見て苦笑するカナタ。

「ん?なあ、リュカ。顔真っ赤だぞ」

「え?」

真っ赤?……あー、そういえば熱があったんだっけ。

「ちょっと熱があって……」

やばっ、思い出したらくらくらしてきた。

「リュカ、こっちこい」

「んー………」

ふらふらしながらベッドに近付く。

「ほら、手出せ」

「手?」

「そう。早く出せ」

なんで?と疑問に思いながらも一応手は出しておく。

「うりゃ」

「?」

ぼくの指に魔力制御の指輪がはまった。

「え、これってカナタの指輪じゃ……」

「そ。ひとつはめるだけで結構楽になるだろ」

あ、ホントだ。熱下がってきてる。

「ありがと」

「どういたしまして」


~カナタside~

よし、顔色はよくなったな。

にしても、俺はなんでベッドに転んでんだっけ。

うーん、確かセダと戦って………。

そうだ、セダ!!

「カナタ?どうした?」

様子の変わった俺を見て不思議そうな顔をするリュカ。

セダの野郎、よくもやってくれたな。

ピシリ、と音がする。

「カナタ!?指輪にヒビが……!」

リュカがあわてているが、俺は全く気付かなかった。

今度会ったらタダじゃおかねぇ………!

ピシ、ピシピシ、パキンッ。

乾いた音を立てて指輪が壊れた。

「「あ゛……………」」

やっちゃった………。

次は緋絽さん!

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