怒りと指輪
夕です!
リュカside
なにか寒気を感じて目が覚めた。
「あっリュカ、もう起きちゃったのかい?」
「カナタは…?」
「カナタ君ならさっき出ていっただろう?」
ベッドの近くのイスで親父が天界関係のぶっとい本を読んでいた。
「そっか…」
なんだろう。
すごく嫌な感じがする。
―――外からドドドドッと音がしたかと思うと、ドアがバンッと開いた。
「リュカ!!」「リュカ君!!」
レナとリルだった。
騒々しいな…まったく。
「大変よ!!カ、カ、カ…」
「カ?どうした、落ち着けよ」
「落ち着けませんっ」
2人は飛んだり跳ねたりしながらギャーギャー言っている。
「「カナタ(君)があいつ(あの人)にやられちゃったのよ(んですよ)!!」」
「…は………?」
なんだって…?
「森で倒れてるのが見つかったんですよ!!」
リルがポロポロ涙をこぼしながら言う。
「さっき、ガネルと同じ病院に…!!」
布団をはね飛ばしてベッドからおりる。
「リュカ!まだ絶対安静…!」
「知るかっ」
親父に体当たりくらわせて部屋を出る。
「――時間をつなぎ我を導け――≪転移≫」
「だめですっ、リュカ君まで…!!」
「そうよ!!」
リルとレナの声が聞こえたが、ぼくはもう≪転移≫でそこから離れていた。
ピキッと3つ目の指輪にひびがはいった。
視界が揺れる。
さすがに3つ分の魔力を抑え込むのは、厳しい…。
セダの気配は今ない。
「逃げたな…っ」
一度天界に戻ったのだろうか。
≪転移≫の行き先を変える。そう、病院に。
パッと病院のある部屋の前に着いた。
カナタ…。
中に入ろうとすると、男の人にとめられた。
「いけません。面会は禁じられています」
「うっさい!!」
横をすり抜けて中に入る。
「カナタ!!」
中には空いたベッドが並んでいて、その1つにカナタが寝かされていた。
カナタは目を閉じていた。
なんで…カナタまで…っ。
パキンと3つ目の指輪が割れ、床で音をたてた。
「こら、君!出なさい!」
男の人に腕を引っ張られる。
―――――そこからの記憶はない。
それから数日。
「リュカ!はやく病院行くわよ!!」
「そうですよ!ガネル君が目を覚ましたんです!」
学校帰りのレナとリルが部屋にとびこんできた。
「…………マジで?」
のっそり起き上がる。
あの日からずっと高熱状態なのだ。
理由はもちろん魔力のせい。
3つ目が割れたから、押さえ込もうとしても少し漏れてしまう。
ぼくのような天界の者の魔力はダダ漏れにしていると人間に気絶したりだの、何らかの影響がでる。
それを無理に抑え込んでいるから…。
「ほら、起きて」
「えー…でも、ぼく熱…」
「熱のあんたより、重傷のガネルよ」
しぶしぶベッドからおりる。
今日のレナこわ…。
普通、熱あったら誘わないよね?
あーぐらぐらする。
「急いで!!」
「はいはい…」
「レナちゃん、ガネル君が目を覚ましたって言われたとき、一番喜んでましたからね」
「リル、余計なこと言わないのっ」
「カナタも…目覚ましてればいいのに…」
次は秋雨さん!




