魔王と天の王族
緋絽です!
パキッと枝を踏む。
「……うぜぇ」
『そんな言葉を使うな』
「うっせぇ!お前は肩に乗ってるだけだからいいけどなっ、俺は歩いてんだよっ、疲れるんだっ」
『気にするな』
「ムチャクチャ気にすんだろっ!」
それに…。重い。
「リュカ…ッ」
『たしかに、これはダダ漏れすぎだな』
少しは抑え込んでほしい。でも倒れられたら…。
「クソッ」
なんとか気配を感じとれないだろうか。
頭の隅で集中する。
「!!」
こっちか!!
気配が急に感じとれるようになった。
今は集中しなくても感じる。
しばらく奥に進んでいくと道が開けて小さな広場のような所にでた。
気配はここにある。
「……………」
「どうも、こんにちは。君は彼の友人ですか?」
「っ!!あぁ……」
後ろでセダが笑って立っていた。
とても優しい笑顔なのに、その目は暗くて冷たい――。
「おや、肩に乗っているのは闇の属性神様ですね。て事は、あなたは俺の世界の敵…」
ニヤと笑った。
と思ったら剣を出して切りかかってきた。
「魔界の王でしょう、君」
「く……っ」
ブンと振って弾きとばす。
「だからなんだよ!!」
「あいつと一緒にいていいんですか?あいつは次期…」
「知ってる!!」
上から切りかかる。でもとめられてしまった。
「へぇ。そうなんですか。魔界も落ちぶれたものですね。魔王自ら天界と手をつなぐなんて」
「知るかっそんなもの!!」
間をとって睨む。
「俺は魔王である前に“カナタ”っていう人格があるんだ!!俺は“カナタ”の意思に従う!!」
ここは初めはひどく居心地が悪かった。魔界にだって温かいところはたくさんあった。
だけどここは全てが温かい―――。
「大切な、場所だ…っ」
「………」
「お前に壊させない…っ、俺の…あいつらの温かい場所は…っ」
「温かい…ねぇ」
セダの目が細くなった。
「え」
急にセダの力が増した。
やばい!!バッと離れる。
遅かった。
体をななめに切りつけられた。それから何回か切りつけられる。
「“温かい”じゃなくて“温い”、ですよ」
ドサッと倒れる。
う…動けない…っ!!
「魔王もたいした事ありませんね。これなら、あのイスまではそう遠くないな」
「お…前…何かしてみろ…あいつら…に…っ」
「…動けないくせに…」
ドカッと蹴られる。
「………!!」
「ナメたことを、言わないでください」
「まっ待て…っ」
薄れていく景色から色が、全てが消えた。
次は夕さん!




