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魔法少女転生 〜魔法少女になったのに初陣で死んだ私、異世界で残機5の魔王討伐を開始します〜  作者: 罪木葛士


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第8話 魔法少女、思い出す

 私の名前は綺羅星きらぼしレイカ、13歳。ピッカピカの中学2年生。

 中学生にもなって女児アニメに傾倒し、毎週日曜朝のアニメ鑑賞を欠かさないオタクであることを除けば、ごく普通の女の子だった。

 そう……あの日、魔法の国の妖精に出会うまでは。




 その日も私は、学校帰りに近所のコンビニでアイスを買い、家の隣の公園でのんびり食べながら、スマホでニチアサ魔法少女アニメの録画を見返していた。


「今年のニチアサは大当たりだなぁ……キャラも可愛いし声優も人気どころを揃えて……」


 オタク丸出しの視点でヒロインの変身バンクを鑑賞しながらベンチでくつろいでいた私の隣に、突然不思議な動物が現れた。


「へっ……えっ? 猫……? いやウサギ……?」


 見たこともない不思議な生き物が突然現れたことにも驚いたけど。

 次の瞬間、私はこの一生の中で一番驚いた。


『お前、我が見えるのかモヒ』


「…………へっ?」


『我は魔法の国を司る一柱、◯$▢✕※であるモヒ』


「…………」


『どうしたモヒ。聞いているのかモヒ』


「キィエェェェェシャベッタァァァァ!?!?」




「つまり君は、魔法少女になる人を探して魔法の国からやってきたの?」


『魔獣が亜空間を越えてこの世界にやってきてしまったモヒ。魔法少女を雇って討伐しないと、この世界が滅ぶモヒ』


「魔法少女……すごい、魔法少女って本当にあったんだね!」


『何だったらお前、やってみるかモヒ。魔力がカンストレベルで高いし、ひょっとすると才能あるかもしれんモヒ』


「えっ!? そんな……私には魔法少女として高い才能があるってこと? ぜひとも魔法少女になってほしいの?」


『そこまでは言ってねえモヒ』


「困っちゃうなぁ、憧れの魔法少女になってほしいだなんて……私が世界を救うヒロインになるんだぁ……えへへへへ、頑張っちゃうぞ〜」


『とりあえず魔法少女変身アプリをお前のスマホにインストールしておくモヒ。ウイルス対策はしてあるから安心しろモヒ』


「えー、魔法少女ってハイテクなんだね?」


 こうして、私は魔法少女になった。

 勇気の魔法少女『クリティカル・レイカ』に。




◆ ◇ ◆ ◇ ◆




 目を開くと、真っ白な……それでいて何もない空間に浮いていた。

 この領域には見覚えがある。


「あ、亜空間……ピピピ……ピピ……」


 言いづらい。


『タワケがモヒ』


「モヒちゃん……私、死んだの?」


『死んだモヒ。まったく、あんな数以外に能のない魔獣にやられやがってモヒ』


「……そっかぁ」


 二度目の死。

 死ぬって……きっついなぁ?

 痛いし、しんどいし……泣きそう……。


「私……なんでだろ、モヒちゃんと初めて会ったときのこと、思い出してた」


『人は死ぬ瞬間、過去の記憶が走馬灯のようによみがえるというモヒ』


「あぁ……そーゆーやつかぁ」


 哀愁も感傷も理解してくれない無慈悲な神様に辟易しつつ……記憶の中で、ふと気になったことを聞いてみた。


「ねぇモヒちゃん……完全に忘れてたんだけどさ」


『なんだモヒ』


「私が負けて食われた魔獣……あいつってどうなったの? 倒す人がいなくなって……」


 そうだ、あの魔獣をほっといたら、世界が滅ぶって言われたから。

 世界を救うために、私は魔法少女になったんだ。

 仮に魔王を討伐できたとして、それで元の世界に帰ったら滅んでいました〜とか言われたら、何のために戦ったのか分からなくなる。


『ああ、あれならちゃんと死んだモヒ。安心しろモヒ』


「へっ?」


『常識を遥かに超える量の魔力を保有しているお前を生でバリモグムシャーしたせいで、食あたりになって死んだモヒ』


「え、えぇ〜…………?」


 いや死因。

 世界が滅んでないのには安心したけど、私を食ったから食あたりで死んだって言われるのは、それはそれでキツいものがあるんだけど……?


「モヒちゃんさぁ、もしかして……最悪、私が負けてもそれで倒せると思ったから、私をスカウトしたわけ?」


『準備ができたモヒ。リスポーンするから、今度はうまくやれモヒ』


「あっ、ちょっと!? ごまかさないでよ!!」


『お前への自爆特攻で、魔獣が5匹一緒に吹っ飛んだモヒ。残りは13匹モヒ』


「う〜……まぁその程度なら、なんとか?」


『せいぜい気張れモヒ。これ以上こんな雑魚相手に死ぬのは許さんモヒ』


「いや、どんな相手だって基本的に死にたくないよ! 痛いしつらいしキツいし!」


『ならなおさら頑張れモヒ。まったく、人類史上五指に入る魔力量を保有しているくせに、魔法少女としては最弱レベルモヒ』


 無能と思われていたやつが実は最強だった……なんてのは、アニメにありがちなお話だけど。

 私の場合、まったく逆で……最強かと思わせておいて、実は無能だった、と言われてる感じだ。


 視界がぼやけ、意識が遠のいていく。もうすぐ生き返るようだ。


 私って……本当に、魔王を討伐なんて、できるのかな……?




◆ ◇ ◆ ◇ ◆


 残機、あと4。


◆ ◇ ◆ ◇ ◆







★☆★☆★読んでくれてありがとうモヒ★☆★☆★


 勇気の魔法少女クリティカル・レイカの活躍、お楽しみいただけておりますでしょうか。


 ついに残機が減ってしまったレイカ! 負けるな頑張れクリティカル・レイカ!

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