↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女転生 〜魔法少女になったのに初陣で死んだ私、異世界で残機5の魔王討伐を開始します〜  作者: 罪木葛士


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
28/48

第27話 魔法少女、狙いを外す

『蘇生したら正面に魔獣が居る位置モヒ。すみやかに『ライトシールド』を張るか、斜め後ろにある壁に移動するモヒ』


「ちょっと待ってよ、その前に教えてよ。400メートル先なんて、どうやって当てたら良いの?」


『やりながら覚えろモヒ』


「雑ぅ!?」




◆ ◇ ◆ ◇ ◆




「わぁっ、『ライトシールド』!!」


 意識が覚醒してすぐ、正面に盾を張る。そして、どうやら死んでも握りしめていたらしい望遠鏡を使って、先ほど覗いた位置に再度ピントを合わせる。


「……いたっ!!」


 ふてぶてしい顔のゴリラ魔獣が、こちらを見て首をかしげながら、足元の石を拾い上げた。

 そしてその石を、振りかぶって……投げたっ!


 ギュィィィンッ!


 投げられた石が光の盾に阻まれて、ものすごい音をたてながら消滅する。


「何あれ……投げてからこっちに届くまで、早すぎない……?」


『投石の初速、時速800キロ近くモヒ。投擲から着弾までほぼ1.5秒モヒ』


「メジャーリーガーもびっくりだよ……」


『しばらくこのままで、相手を観察して情報を集めるのも策だモヒ』


 ギャィィィンッ!!

 ギュィィィンッ!!

 ギョィィィンッ!!


 数発の石を受け止めたところで、いろいろ気づいたことがあった。


「投げ終わってから、次の石を拾って投げるまで、けっこう時間あるね……」


『タイムラグがおよそ15秒モヒ。これは明確な弱点モヒ』


「それと、コントロールは鋭いけど、そこまで安定してない……石は何個か、逸れて飛んできたし」


『これほど距離があると、ほんのわずかなズレが着弾時には大きなズレになってしまうモヒ。とはいえ、相手が外すことを前提に立ち回るのは愚策モヒ』


 そこまで確認したところで、石の一撃を受け止めたあとすぐに走って壁の裏に隠れた。

 直後、壁の裏に数発の衝撃が走り……静寂が訪れた。


「動いている人間がいたら投石して、いなくなったらやめる、か……」


『で、やれそうかモヒ』


「うーん……とりあえず一発、ぶち込んでみますか」


 姿勢を低くして、中腰の状態で……こっちから見て、壁の右側……さっきと反対側から身体を乗り出す!


「『クリ』……げっ!? 『ライトシールド』!!」


 狙撃のために望遠鏡を覗きこんだら、ゴリラ魔獣はすでに石を構え始めていた。慌てて盾を展開するが……。


 ドゴォン!!


「はへ!?」


 飛んできた石は大きく狙いを外れ、岩肌に激突した。


「へっ? へっ?」


 ドゴォン!!


 次弾は、先ほどより近い位置に着弾して。


 ギャィィィンッ!!


 3発目でようやく、投石が盾に激突した。

 それを確認してから、私はまた壁の裏に慌てて隠れる。


「どういうこと? 急にノーコンになったけど、またすぐに狙いが戻った……」


『お前の位置が移動したからだモヒ』


「へっ?」


『遠距離狙撃は、狙いを定めるのにかなり精緻な調整がいるモヒ。相手を視認後の初弾は相手が動き回ることも想定した位置に投げ込み、相手の位置と着弾位置のズレを確認して照準をアジャストしているモヒ』


「ってことは……隠れた状態から飛び出た直後の一投目は、高確率で外れるってこと?」


『今回は三投目で当てられたが、基本的には二投目からヤバいと考えていいモヒ。時間にしておよそ20秒……それがお前のアドバンテージモヒ』


「つまり、その20秒のあいだに、『クリスタルランサー』で撃ち抜いちゃえばいいんだね?」


 整理してしまえば、やることは単純だ。あとは当てるだけ……!

 心を落ち着けて……呼吸を整えて……!!


「いくぞっ! 覚悟しろ!」


 壁の左から飛び出て、望遠鏡を睨みながら指先を構える!

 望遠鏡の先に指先を合わせ……撃ち抜く!


「『クリスタルランサー』ッ!!!」


 放たれた破壊光線は、ゴリラ魔獣とずいぶん離れた、明後日の位置にぶち当たった。


「あれーーーっ!?!?」


 バゴォンッ!!


 かなり近距離に石が着弾する。私は焦りながら『ライトシールド』を展開し、盾を構えながら走って別の壁の裏に隠れた。


「ぜ……全然見当違いのとこに当たったんだけど!?」


 惜しくも外れたとかそういうレベルじゃない。あんなの百回撃っても当たるかどうか怪しい。


『当然ながら、距離が離れれば離れるほど、正確に的を射抜くのは難しくなるモヒ。10メートル先程度なら大きな影響が出ない指先のブレも、400メートル先ではズレの影響が40倍になるモヒ』


「それ聞いて活路見出だせると思う? ちょっと私、今ものすごい絶望してるんだけど」


『この程度の狙撃、鼻歌交じりにできるようになれモヒ』


「本当に無茶言ってくれるなぁ……」


『相手が何をやっていたか、思い出してみろモヒ』


「相手が……何をやっていたか……?」


 ……鼻をほじってた。

 ……手につばを付けてた。


「……ぶっ殺す!」


『そうじゃねぇモヒ』


 なぜだろう、脳内でモヒちゃんが私に『なんでやねん』とツッコミを入れるイメージが鮮明に浮かぶ。


『相手は一発撃ったあと、狙いと着弾位置の誤差から狙いをアジャストして、2発目3発目でぶち当ててくるモヒ』


「……つまり、ズレを確認して2発目で当てろってこと?」


『そういうことだモヒ』


 ゴリラ魔獣は2発目を投げるまでに時間がかかるけど、私の『クリスタルランサー』は連発できる。2発目で当てられれば、確実に勝利できるだろう。


 当てられれば、だが。


「今までで一番の強敵だよ、ゴリラ魔獣……」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。