↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女転生 〜魔法少女になったのに初陣で死んだ私、異世界で残機5の魔王討伐を開始します〜  作者: 罪木葛士


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
16/48

第16話 魔法少女、凹む

「しかしモヒちゃん、魔獣を見つけ出して倒すには、どーしたら良いと思う?」


『お前ノープランかモヒ』


「仕方ないじゃん、実働部隊は動くのが仕事、作戦は司令官が考えてよー」


『仕方ねぇやつだモヒ』


 やれやれ、とでも言いたげな空気を残しつつ、それでもモヒちゃんはちゃんと私のために作戦を考えてくれる……はず。


『目標が普段屋上にあるのは好都合モヒ。夜中に屋上へジャンプして忍び込めモヒ』


「えっ、ずいぶんとシンプルな作戦だね?」


『こんなのはシンプルなくらいでちょうどいいモヒ。どっかで適当に時間潰して、夜中になったら作戦決行モヒ』


「それじゃ……まずは市場で食べ物とか買って、そのあと宿屋を探そう」


 私はステイシー邸を一度後にして、目の前に広がる市場へ飛び込むことにした。

 先ほどと違って、今度は充分過ぎるほどお金がある! 何か美味しいものや便利なものは見つかるだろうか。


「っと、ボッタクリやパチモノ商品に引っかからないようにしなきゃね。『ライアージャッジメント』!」


 商売というのは、時にアコギなことを平気でする輩がどうしてもいるものだ、と思う。この超便利な魔法があれば、どんなアコギな商売人も怖くない! ……たぶん。


 往来を進むと、とても食欲をそそる匂いが漂ってきた。屋台でお兄さんが、串に刺した肉をジュウジュウと焼いている。たまらねぇ、とてもおなかが空いてたんだ。


「いらっしゃい! 秘伝のタレに漬け込んで焼いた、美味しい鶏肉の串焼きだよ!」


 秘伝のタレ。何とも興味深い。焼き鳥はやっぱりタレだよね。私は目を輝かせながら、るんるん気分で屋台に近づいた。


「おっ、()()()お嬢さん! うちの美味しい串焼き、一本買ってってよ!」


「…………あ゛?」


 突如として食欲が失せた私は踵を返し、串焼き売りの屋台に背を向けて歩きだした。

 お前、そこだけ嘘とか本気でびっくりだよ。


「あれ? お嬢さん? 串焼き美味しいよ? おーい! ()()()お嬢さーん!?」


 死体蹴りやめろ……。




「おー、そこの()()()()さん、珍しい柄の織物はどうだい?」


「あなたのような()()()方には、うちの店の化粧水がおすすめだよ! ほら、買った買った!」


「あー、そこの……何か可もなく不可もなくなお嬢さん! よく効くポーションが安いよ! 捨てる神あれば拾うポーションあり!」


 結局、行く先々でこのような調子だったため、私はメンタルに不要な大ダメージを負いまくった。

 なんでどいつもこいつも、そこ(・・)だけ嘘で他は本当なんだよっ!?

 むしろ逆にポーション売りのおじさんが正直過ぎて、ついポーション買っちゃったよ!


「この『ライアージャッジメント』って魔法、危険すぎる……優しい嘘まで暴いてしまうなんて、悲劇しか産まないよ……」


『我には喜劇にしか見えないモヒ』


「うっさいよ! どうせモヒちゃんも私のこと、すんでのところで可愛くないって思ってるんでしょ!?」


『我は人の美醜に興味ないから分からんモヒ。お前も、あのお気に入りのコトとかいう娘と自分を比較したら、自分が劣ることくらいは理解しろモヒ』


「ぐっ……そりゃぁコトちゃんと比較したら、私なんて道端のぺんぺん草以下だけどさぁ」


『他人の相対評価なぞ気にするなモヒ。お前には唯一無二の才能、魔力量という実益のある力を持っているモヒ』


「……モヒちゃん」


 まったく、この神様は……私に優しいのか優しくないのか、さっぱり分からない。


『分かったら、さっさと食い物と役に立つものを買って、宿を探すモヒ』


「はーい……ありがと、モヒちゃん」




◆ ◇ ◆ ◇ ◆



 危険すぎる魔法ライアージャッジメントを解除して、市場でお腹いっぱい食事をしたあと、市場からほど近い宿屋に部屋を取った。


「うひゃー……ベッド、硬いわぁ」


『ゆっくり休めモヒ。夜中になったら出陣モヒ』


 束の間の休息だ。異世界に来てからというもの、飛んだり走ったり、戦ったり死んだり忙しかった。この上で夜中にもう一つ片付けなければいけない仕事があるんだから、魔法少女ってとてもブラックな仕事だと思う……。


「外はもう真っ暗だけど、人が寝静まるにはまだ早いかな……ふぁ〜、ちょっと眠い」


『少し仮眠しておけモヒ。街の人間が寝静まったら起こしてやるモヒ』


「ありがと……おやしゅみ〜〜」


 固くて寝心地の悪いベッドではあったが、疲れからくる睡魔には逆らえなかった。

 瞼を閉じると、私は一気に夢の中へ沈んでいく……。




『……ろモヒ……起きろモヒ……』


「んー……あと5分……」


『起きろモヒ。あと5秒で起きないとレーティングが上がる系のお仕置きをするモヒ』


「すみません今すぐ起きますちょっと待ってください」


 無慈悲な神の声に慌てて固いベッドから飛び起きる。ただでさえ酷い目にあってるのに、これ以上お仕置きなんて食らってたまるもんですか。


『さっさと支度しろモヒ。まずいかもしれんモヒ』


「分かってるよ……って、まずいかもって? 何があったの?」


『強烈な魔力反応が動き始めたモヒ。とにかく急いで屋敷へ向かえモヒ』


「!! ……うん、分かった!!」


 魔獣が動きだしたということは……屋敷がヤバい!


「無事でいて……コトちゃんっ!!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。