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魔法少女転生 〜魔法少女になったのに初陣で死んだ私、異世界で残機5の魔王討伐を開始します〜  作者: 罪木葛士


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第10話 魔法少女、褒められる

「「「とどめだー☆☆☆」」」


 3方向から同時に飛びかかるアライグマ魔獣!

 今から切り返して全部倒すのは無理、そして背後が壁だから回避も難しい!

 絶体絶命……!? じゃないっ!!

 『セレスティアルソード』の維持を一度手放す!


「物質をすり抜ける魔法! 『ホーリーワイプアウト』!!」


 魔法を発動すると、私の身体が淡く光り、そして背中の岩の感触が無くなる!


「うおぉぉぉぉっ!!!」


 そのまま思い切り後方に飛び退く!

 私の身体は岩をすり抜け、そのまま岩の裏側に飛び出した!


「「「うっそー?☆☆☆」」」


 3匹のアライグマ魔獣が岩に激突する音が響き……


 ドォーンッ!!!


 空気を震わす爆発音が鳴り響いた。


「…………」


 私は身構える。生き残りがいれば、いつでも『セレスティアルソード』を発動できるように。


「…………」


 動きはない。声も聞こえてこない。

 フィボナッチ数列も続かない。


「…………片付いた?」


『片付いたモヒ』


「…………いよっしゃぁー!!」


 思わずガッツポーズを決めていた。

 ペンギン魔獣の時は、正直まだ戦っているという感覚がしっかり根付いてなかったように思う。しかし……アライグマ小隊相手では、一度しくじってやられたこと、作戦を考えて立ち回ったこと、最後に自分の判断で勝負を決めたこと、すべてが「戦っている」という強い緊張感の中にある出来事だったように感じる。


「勝った! モヒちゃん、私勝ったよ!」


『1回敗北して死んでる上に、こんな雑魚相手に苦戦した上での勝利モヒ』


「ぐぅーーー!!!」


 達成感を感じていたところに思いっきり水を差され、思わず地団駄を踏んでしまった。


「何だよもう、たまには褒めてくれてもいーじゃん!」


『……そうだなモヒ』


「へっ?」


『よくやったモヒ。この調子で頑張れモヒ』


「……あ、ありがと……」


 唐突に予想外のお褒めの言葉が飛んできた。意表をつかれた私は赤面して固まってしまう。


「…………」


『どうしたモヒ』


「なっ、なんでもないよ……」


 我ながら、チョロいなぁ……。




◆ ◇ ◆ ◇ ◆




 こうして、橋の向こうの盗賊退治は、思いもよらずアライグマ小隊との死闘に発展し、そして無事に幕を下ろしたのだった。


 まぁ、完全に無事とは言い難いのだけれど……。


『何をボサボサしているモヒ。さっさと先を急ぐモヒ』


「待ってよ、まずは一旦馬車まで戻って、メイドさん達にお礼をもらわないと」


『お礼なんぞどうでもいいモヒ。先を急ぐモヒ』


「だって、私お金とか持ってないよ? このまま街まで行っても、ごはんも買えないんだよ?」


『……』


「お礼にいくらかお金をもらわないと、要塞に着く前に飢え死にしちゃうよ!」


『……それもそうだなモヒ』


 先立つものはどうしたって必要だ。モヒちゃんも納得してくれたので、私は馬車のところまで走って戻ることにした。


「『グロリアスロード』!」


 爆速で走る魔法を使い、一気に橋を渡り、馬車の手前で急ブレーキをかける。


 ドギャギャギャギャギャギャッ!


「ふぅ〜、ただいまー!」


「ぅげほっ、ごほっ……無事だったか、嬢ちゃん」


「盗賊は……退治できましたでしょうか?」


「ちょっと苦戦したけど、ばっちりだったよ!」


 本当は盗賊相手ではなく魔獣に苦戦したんだけど……その辺は内緒にしておこう。


「おぉ、おぉっ!! すげぇな、嬢ちゃん! 見かけによらず、強いんだな!!」


「あぁ……ありがとうございます! これで、街まで戻れます……!!」


 おじさんもメイドさんも喜んでくれている。いいことをしたあとは気持ちが良いなぁ……。


「俺も一応護身用にこうやって武器は持ってきていたんだが、二人がかりじゃ叶わなくてな……」


「仕方ありませんよ、御者どのは剣を使うのが本業ではありませんから……」


 なるほど、ヒゲモジャのおじさんは、剣士とかではなく、馬車を動かす御者さんだったらしい。


「それでですね、あのぅ……盗賊退治のバイト代などいただけましたら……なんて……」


「報酬ですね! 少々お待ちください!!」


 そう言ってメイドさんは馬車の扉を開け、何かを話している。どうやら他に乗ってる人がいるようだ。考えてみれば、御者さんとメイドさんの二人だけでこんな豪華な馬車には乗らないだろう。ということは、メイドさんのご主人様が馬車に乗っているのかな?


「お待たせしました、馬車にお乗りください」


「えっ? 乗って良いんですか?」


「はい、私どもの雇い主を紹介いたします」


 手招きに応じて、馬車の中に入ると……。


「こちらが、私どもの雇い主……コトセット・ステイシーお嬢様でございます」


「わぁ……」


 馬車の中に乗っていたのは、まるでお人形さんのように小さくて可愛らしい……ふわふわのドレスを着た、幼い女の子だった。


「おっ、おねーさん……たすけてくれて、ありがと……」




「………可愛いぃッ!!!」


『落ち着けモヒ』


★☆★☆★読んでくれてありがとうモヒ★☆★☆★


 勇気の魔法少女クリティカル・レイカの機転、お楽しみいただけましたでしょうか。


 モヒちゃんのデレにタジタジのレイカさん……そして、新キャラの登場! 彼女は物語をどんな方向へ導くのか!?

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