嘘
「ぁぁ……」
私は【リリースリコレクション】の時の「記憶が無くなる」ということを、言おうとしたが、何かに操られてるかのように言葉が出ないのだ。
「どうしたのですか?かすみさん?」
「はぁ……。はぁ……。だ、大丈夫だよ?」
「息が切れてますよ?」
「いや、本当に大丈夫だから!」
「そ、そうですか……。なら、いいのですが……。何かあったら、私に言ってくださいね?と、友達……。ですから」
シルビアちゃんが恥ずかしがりながらそう言った。
「か、可愛い!うん!その時は言うね!心配かけてごめんね?」
「わ、分かってくれればいいんですわ!」
言えない……。私が知った記憶が無くなる事実は誰にも教えることが出来ないなんて……。そして、もうシルビアちゃんとアヤメちゃんに【リリースリコレクション】を使わせる訳には行かない……。私はこの時、強く決心したと同時に初めてシルビアちゃんに嘘をついた。
放課後になり、朝の件について話す勇気を持った私は、すみれちゃんとつくしちゃんに話しかけた。
「あの……つくしちゃん?すみれちゃん?」
「ん?なに?かすみ」
つくしちゃんが少し機嫌を悪くした表情でこっちを見た。私は逃げ出したくなったけど、ここで逃げてはダメだと思い、話しかけた。
「朝は本当にごめん!!寝ぼけてて……。その……怖い夢を見てて……。その事が頭をよぎって……。本当にごめんなさい!!」
私は頭を下げた。反応が無く、少し怯えながら私は頭を上げてつくしちゃんの方を見た。
「しょうがないなぁ〜かすみは!次そんなことしたら本当に話しかけないからね!?分かった?後、来週私になんか奢れ!」
「うん!ありがとう!つくしちゃん!」
「で?怖い夢ってなによ?」
つくしちゃんは笑顔を取り戻して夢のことを聞いてきた。当然私は嘘で言ったので思い出してる訳もなく……。
「ごめん……何かまでは覚えてないんだよね……。なんか曖昧で……」
「えぇ!思い出せないの!?」
「でも夢ってそんなもんじゃない?」
すみれちゃんがフォローしてくれて、何とかこの場を落ち着かせることが出来た。私が2人の記憶が無いことを気づかせないようにしないと……。私は心に止めておいた。
家に帰り着いてから、私は日記がある事に気が付いた。今度は忘れても思い出せるようにノートを探してたら日記が出てきたのだ。
日記には、颯太のことばかり書かれていて、確かにこういうことがあったな〜と思いつつ、新しいページに書くことにした。すみれちゃん、つくしちゃん、他にもクラスの人達の顔と性格を覚えてる限り書き出した。1時間ぐらいたった時、よし、今度はみんなに好きな食べ物とか聞こうと思って、布団にダイブした。
「ここは……ユーカリ、話すことあるんでしょ?」
「そうだよ〜今日は昨日言ったみたいにかすみだけ、さぁ【限界突破】を使った人には質問していい様にしてるんだ♪聞きたいことがあったら言ってよ〜」
ユーカリはいつも通り元気そうに言ったが、私は前みたいに笑うことが出来なかった。




