穴あき
もう迷いはないハッチ。意気揚々と進んでいる。
「ズンズンズン。ドーンドン進むぞぅ、ズーンズン」
鼻唄も勇ましい。
ふと、しゃがんでいる子が目に入る。
「こんにちは。どーかしたの?」
なんだかとても困ってる様子。
「あ…こんにち…は」消え入りそうな声で答える。
「何か困ってるの?」ハッチは大きな声。
「あのね、チェックサムが合わなくて、あのゲートが通れないの」少し離れたゲートを指差す。
「ふーん、なんでだろう?あ、ボクはハッチって言うんだ。ボクでよければ力になるよ!」
「ホントに?ありがとう。ワタシはレジー」
レジーがゆっくり立ち上がる。ハッチより少しだけ大きくてメガネをかけている。
ポトリ。リュックから何かこぼれ落ちる。
「あっ!!ビットだ!」
サカサカサカ。
逃げようとするビット。
「えぃっ」
「あっそっちに行った!」
「きゃっ、ま、待って」
「任せて、やっ」
ハッチが飛び込んで捕まえる。
捕らえたビットを驚かせないように優しく両手で包み込むハッチ。
レジーの後ろに回り込んで覗き込むハッチ、「そのリュック穴が開いてるよ!」
「あ!ホントだ」驚くレジー。
「ビットが逃げだすはずだね」
「だからチェックサムが合わなかったんだ」
「そうみたい。気が付かなかったなあ。」
リュックの中をゴソゴソしながら答えるレジー
「それで、足りないのは何匹?」
「えーとハッチが抱いてる子入れて三匹かな」
もしかして?とほのかに期待を込めて答えるレジー。




