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「INT型ヒーラー「エリナの日常ブログ」●月▽日の日常」
最近私の周囲で、私がレベル100を目指しているという話が出ています。
それについては、ギルドチャットで100を目指すと言ったのは事実です。というより、恐らくブラックアースを遊ばれている皆さんのほとんどは、いつかはレベル100になりたいな~とお考えでは無いでしょうか?
私自身、プレイ時間やプレイ内容に関しては、これまでとなんら変わることはありませんが、やはりレベルが90台になった事で、今までよりレベル100を意識し始めたことは確かです。
現在色々な方々と交友させて頂いており、皆さんと一緒に遊ぶ中で、レベルが100になれたら嬉しいですね。
【以下略】
最近里奈の周囲で、里奈がレベル100を目指すらしいという話が出回っている。
これは嘘でも何でもなくて、あいつがギルドチャットで言ったことが、利久のツイッターによってお兄ちゃん大好きギルドの人達の目に留まり、そこから拡散していった結果であり、まさに里奈の自業自得だろう。
まあ、その後利久が、里奈から大目玉を食らった事は想像に難くないと思う。
でもさ、そんな人の噂なんてすぐ忘れられると思うんだよね。なので一番の対処法は「ほっとく」だと思う。
けどあいつは、なんとかしなきゃ!って思ったらしい。それで日記で、「皆さんと同じで、いつかはレベル100になりたいなー」みたいなニュアンスの日記を書いたんだ。
しかしそれは逆効果だった。
日記を見た知らない人から「頑張ってください!」と、声を掛けられ、ブラックアースニュースからはインタビューを申し込まれ、里奈の思惑とは逆の効果が表れ始めていた。
いやさ、俺は一応言ったんだよ?「日記に書くのはやめとけ」って。そしたらあいつ、
「あんたは関係ないんだから黙ってなさい!」
ときたもんだ。
なので俺は放置してたんだ。
「ちょっと!姉が困ってるのに手助けしようと思わないの!?」
そしてさっき俺が言われた言葉だ。
「いやお前、俺は関係ないから黙ってろって言ったじゃん!」
「言ってないわよそんな事!」
でたよ!自分に都合の悪い所は全部忘れるやつ!毎回こうだからなこいつは。いつかレコーダーで録音しといて聞かせてやりたいぜ。
「前も言ったかもしれないけどほっとけって」
まじでこれが一番いいんだよ。どうせそんな事みんなすぐに忘れるんだからさ。
「あんたは適当すぎるのよ!」
「どっちがじゃ!元々お前が適当言ったからこうなってるんだろうが!」
「あれは仕方ないでしょ!」
仕方なくねーよ!って言いそうになった。これ以上不毛な議論を交わしても時間の無駄なんだけどなあ。
「じゃあどうすんのさ」
「それがわからないからあんたに聞いてるんじゃない。役に立たないわね」
「じゃあお役に立たない俺には聞いてくんな!このアホ里奈が!」
「何よこの馬鹿真司ーーーーーー!」
「おい、こら!物を投げつけんな!ぐはあっ!」
もうやだこの姉・・・。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「なるほど、先輩も大変ですね」
「だろ?」
今日は学校の屋上で珍しく燈色と一緒に飯を食っている。
最近は学校の友達とも飯を食えるまでになったみたいで、以前のこいつを知っている俺としては、ちょっと感動さえ覚えちゃうぜ。
きょうはちょっと愚痴を聞いてもらおうと、燈色に飯を誘ったわけだ。こんな事利久には相談できないしな。というか、あいつもこの騒ぎの一因だしな!
「ですが、意外と里奈さんならレベル100目指せるんじゃないでしょうか?」
「え?ホントに?」
そりゃレベル90だし、俺や燈色よりは可能性が高いけど、ここから10上げるのって相当きついぜ。俺だったら10年かかる自信がある。
「今までのスタイルだったら無理ですが、今はブラックアウトとも週一で高難度高経験値の狩場へ出かけていますし、その狩りに慣れたらアップデート後に実装される新しい高難易度の狩場へもいくんじゃないかな?」
なるほど・・・。俺基準で考えたら、そりゃあ恐ろしい程の時間が掛かるけど、ブラックアウトのようなギルド基準で考えると・・・。
「まあ、後は私たち次第じゃないですか?」
「へ?なんで俺達?」
さっき燈色も言ったけど、今までのスタイル、つまり俺達基準じゃ到底レベル100なんて無理だってのは、こいつもわかってるだろうに。
「私達が、どれくらい強くなれるかにかかってる気がします」
「俺達が、里奈が行ってるような狩場にいけるくらい強くなれればってことか?」
「はい」
なるほどとは思う。思うけど、それはつまり「神秘の塔」とかにいけるくらい・・・って事だ。とてもじゃないが、しばらくそんな所に行けそうな気がしないぞ。
「私は出来るだけ早く、もっと高難易度の狩場へ行けるよう頑張りたいです」
「そうか・・・」
そういやこいつは里奈と一緒で、上昇志向が強い奴だったな。一緒に遊びたいが為に、結構な無茶をやってくるほどにな。
俺はと言うと、じつはゲーム開始当初はゲームで一番強くなりたい!って思ってたんだ。けど、それははっきり言って現実的ではない。そして俺は正直言うと、みんなで何かが出来れば内容は何でも良いんだ。
要塞戦をするのも楽しいから。狩りに皆でいくのも楽しいから。チャットで話すのも楽しいから。だからゲームをやっている。
たぶん団長やアッキーさん、そして千隼さんもそういう人だと思う。まあ、千隼さんに関しては、楽しいからというだけで、レベル100近くまで持って行けるような人だから、一緒では無いかもな。
まあ何が言いたいかと言うと、本来ならこの二人は自由同盟に居るようなプレイヤーでは無いんだろうと思う。
ブラックアウトとまでは言わないが、お兄ちゃん大好き!辺りに所属していれば、里奈の奴も狩りの事で悩むことは無かったろうな。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「ダーク君、君は知ってるかい?」
「なんですかいきなり。急に言われても知りませんよ」
「なんだ遅れてるなあ~」
「いやいやおかしいでしょ?」
「先輩、アップデート日が決まったんです」
「え?まじで?」
団長の言葉に、ログイン早々?マークを頭に浮かべた俺だったが、なるほどね。
「アップデートは1カ月後。その間4週間かけて、事前ダウンロードを開始するみたいですよ」
「ああ、いっぺんにやるとサーバーがパンクしちゃうからなあ」
「地獄のログイン祭りが開催されちゃうねw」
いっぺんにやろうとすると、皆が同じタイミングでログインしようとして、サーバーに負荷がかかり、ログインしにくくなる現象が起こるんだ。
で、ログインできないから何度もチャレンジして、さらに負荷がかかってログインしにくくなるという、まさに負のスパイラル。
「あ、さっきのアップデートはそれですか?」
「だね。僕もログインしようとしたら急にアプデが始まったんで調べてみたんだ」
なるほど、ユーザーがログインする段階でアップデートすれば、アップデートのタイミングもバラバラになって、サーバーへの負荷も分散されるって事か。
「先輩、新狩場情報も載ってましたよ。「死者の島」だそうです」
「死者?という事は、アンデットゾーン?」
「ですね。相場が荒れますよ」
「ああ、そうか!光属性が弱点だもんな」
このゲームのアンデットは「光」が弱点だ。なので、武器も光属性の物を使うと、殲滅が凄く早くなるんだ。
ただこの光属性。ゲーム序盤でのダンジョン以降、ほとんど出番が無かった。高レベル狩場になるほど「炎」「水」「風」、この三属性がメインになるからだ。
で、光属性の最高武器が「シャイニングエアー」という名前なんだけど、光属性であるという事を除くと、中堅プレイヤーが持ってる武器の平均性能程度の平凡な武器なんだ。価格もお求めやすい価格となっている。
で、新しい狩場がアンデットの狩場という事は、このシャイニングエアーの価格が高騰する可能性が大という事になる。というか、間違いなく上がる。光属性の武器はほとんどが値上がりだろう。
「と言うかね・・・」
「なんですか?」
「俺、シャイニングエアー持ってるんだよね。何故か2本」




