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そのスキル危険につき〜第一騎士団公安部始動〜  作者: 風雅みずいろ


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3)伝説のレミニセンス?

路地裏の古びた店の入口に魔道具と書いてある。

小さめな木の扉を押すとギギギギッと音がした。

濃いグリーンのローブの下は真っ白な白髪の老婆であろう店主が

「はじめてのお客さんだね」と低い声でしゃべりかけてきた。

「魔道具ってどんなのがあるのかい?」

「そりゃあ用途によって様々さ」

「わかってるけどさ、まずここにあるものがどんなものかもわからねぇよ」

そういいながら店主の側にある大きな鉱石に目がいった。

「このでっかい宝石はなんなんだ?」

「おや、魔石を知らないのかい?あんた召喚者か」

「そうだよ、初めて見るけど綺麗だな。この赤と青に輝いてるのはなんの魔石?」

「これは具現化じゃ。記憶を保存して投影する力があるのさ」

「んん?他人の記憶でもできるのか?俺、人の記憶を見るスキルがあるみたいなんだ」

「人の記憶とな。そなた伝説のレミニセンスか」

「レミニセンス?」

どうやら俺はレジェンド級のスキルを持っているらしいが、まだまだ未知のものだ。


「店主、ちょっと試せるか?」

「壊さないようにな」

その時刑事の勘をを揺さぶる目つきの悪い男が入ってきた。

狭い店内で男の肩に触れるのは簡単だ。

「おっ、悪いな」

おおお、きたーーーーと叫びそうになるのを抑えて、いま見た記憶を忘れないように魔石に力をこめた。

そして店主に聞いた通り「記憶の鍵をあけろ」と魔石に触れると店主を襲う映像がホログラムのように現れた。

「確保ーーーー」

公安部初仕事だなと男に手錠のような拘束具をつけて一件落着。

尚、男は店主を襲う妄想を抱いていたが店主のまわりには防御決壊がはられていてムリゲーってやつだったんだけど、俺にはラッキーだったなとほくそ笑んだ。


記憶を保存できるマテリアライズという魔石の威力はすごい。投影ができることで、事実もはっきりする。店主も感謝してくれて、2割引にしてくれた。

ちょっ…2割引ってと思いながら、

「この辺の警備の強化もしておくな」と伝え犯人を連れて外に出た。


ここ最近の俺はマテリアルライズを使ったスキルの研究と鍛錬にあけくれていた。

古本屋を回ったり、魔道士に話を聞いたり、前世の聞き込み調査と同じだなと日々動き回った。

最近あのストーカーも現れないしと、ちょっと油断していた頃、町の祭りの最中にあの男を見つけた。

どうやら式典で挨拶予定の令嬢を狙っていたんだろう。

俺はここぞとやつの後ろに回って肩を掴み、記憶を魔石に保存した後、男を縛り上げた。


そして領主達の前で男の記憶を映像として具現化させた。

単なる拉致ではなく、殺意を持っていることが証明され、男は永久投獄となった。

この国は領主の絶対権限があって便利だ。

前世のようにせっかく捕まえた犯人が心神喪失などで刑罰を逃れるとほんと凹む。

令嬢が怖い目に遭う前に捕まえられてほんとうによかった。

日本に帰りたい気持ちも大きいが、もう少しこのスキルを磨いてこの国の人々を救ってもいいかなと、小さな決意を燃やした。

決してマノンが俺に懐いてくれているからじゃないぞ。

魔道具屋の老婆が教えてくれた記憶の上書きや記憶の置き換えなど、取得したい技をどう磨いたらいいのか、課題は山ほどだが、せっかく使える技をこのままにする手はない。

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