話の切り上げ方って分からないよね。アッアッ…ってマジなりがち。
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2人が俺に向けてくる目線からして、彼らもなんらかの事情で故郷を離れてここにいる。
そしてきっと彼らはそのことを悲しく思っている。
そのくらいのことは俺にも検討がついた…というか、目の前の2人が分かりやすすぎた。
素直な子たちなんだろう…。
年齢は俺と同じくらいか…?と思ったが、俺より一回り下な気がしてきた。
2歳差…って、ティーンエイジャーには大きいと思う。
よく分からん馬車を作っているデブ(名前忘れちった…)もサーシャさんもリマも、どこかスレたところがある感じだったので2人のピュアさに何故だか心を強くうたれる。
この船はいわば俺の船であり、そんな船に俺よりも年下の人がいるとなんだか気が大きくなって先輩ヅラしてみたくなる…やらないけど。
ただ、歳上の人には抱かない、「俺よりも若いのにいろいろ大変だったんだなぁ…」というしみじみとした心持ちになる。
改めて、この世界にもいろいろな人がいるのだと実感する。
ここに来てから人と触れ合う機会はたくさんあったけれど、やはり世界はまだまだ広い。
幸いにもこの船にはたくさんの客がおり、今この船のトップはこの俺だ。いろいろ見て回るのにこれ以上適した場面もなかなか無いだろう。
(会話が行き詰まってしまった感もあるので)俺は2人に「邪魔して悪かったな。じゃ、仕事頑張ってくれよ」と一言残し、爽やか(多分)にその場を立ち去った。
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2人と別れたはいいものの、特に行くあてがあるわけでも無い。
なんちゃらは高いところが好き…と言うが、なんとなく歩いていたら船の甲板に出た。
どこまでも広がる青にぼーっとする。
世界は違えど、空と海の色は変わらない。赤い海とかエ◯ァの中かよー病むわーって感じである。
別に俺はもともと海辺に住んでいたわけでも無いし、特に空にも海にも思い出があるわけじゃない。
こうやってじーっと眺めたことも無かったので比較することは出来ないが、きっとこーゆーのを海っていうんだろな〜なんてすごいアホなことを手すりに腕を乗っけながら考えていた。
ちゃぷん…波がたったのをきっかけに、あーーほんと姉ちゃんと何話せばいいんだよぉぉ…と先延ばしにしてた議題をここぞとばかりに引っ張り出す。
身体はトオル・マーケタリーのものでも中身は違うのだ。身体が弟だから=弟!とはならないと思う。…中身が違うなんてこと、どうやっても信じてもらえないだろうけど。
いつか言える日がくるのかな〜〜なんて、特に伸びてもない髪をくるくるしながら考える。
何もやましいことは無い…はずだ。妹のような性格…という可能性も、ある。
これだけ考えてなにも思いつかないんだからもう何も思いつかないんじゃね?とかも思い始めてしまっている。
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「びっくりしたー〜〜いきなり話しかけられるなんて思って無かったよー…」
「まあ…バレたらバレたで俺たちはそこまでだったってことさ。」
「………そうだね。アルクの言う通りだよ。」




