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オカマバー「アコーリス」へようこそ  作者: 蘭鍾馗


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3/8

3.アンテ、貴方『いつ〜(以下略)

「……アンテ?」


 ◇


「君までどうしてここに?」

「待って。貴方『何時いつ』から来たの?」

「……その質問には、まだ上手く答えられない。僕もそこにいるカイラと同じで、さっきここに来たばかりでまだ訳がわかっていない。」

「そっか。」


 ダンタリオン、ちょっと考えた。


「質問を変えます。アンテ、貴方『何処どこ』から来たの?」

「君の村のはずれにある、井戸の小屋からだ。」

「村へは何をしに?」

「クロアチアの軍隊が、明日、悪魔討伐の名目で村を襲う。それを知らせに来た。」

「……それはもう知らせたの?」

「知らせた。」


 ダンタリオンは、深く安堵のため息をついた。


「……ありがとうアンテ。これで村のみんなも、貴方も助かる!ああ神様ありがとう!」

「僕も?」

「説明するわ。」


 ダンタリオン、あの日の一連の出来事を、順を追ってアンテに説明する。



 〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「…………。」

「ごめんなさい。すごくショックな話よね。」

「ばれてたのか……。僕と迷子になった男の子は、峠で待ち構えていた兵士に殺されるんだね。」

「……そうなの。」


   〜 ここまで、クロアチア語 〜


 ◇


「ダンタリオンちゃん、この人も知り合いなの?」


「あ、ごめんマスター言葉わかんないわよね。」

「いや別に私がわかんなくても良いんだけどさ、でもうちのトイレからたまたま出て来た二人が、揃ってダンタリオンちゃんと知り合いみたいだから、ちょっとびっくりしたのよ。」

「二人と再会できたのはこの店のトイレのお陰だから、マスターも話を聞く権利があるわよね。」


 ダンタリオン、マスターにここまでのやりとりと事の次第を説明する。


   〜 ここまで、日本語 〜


 ◇


 それから、さらに一時間程飲みまして。


 ◇


「ごめんねー、あと30分で閉店なのよ。」

「うわもうこんな時間?」

「900年振りの再会で盛り上がったみたいね。」

「900年振りなのは私だけだけど。」

「ややこしいわねー。」


「で、お二人は何処泊まるの?」

「そうか、来たのは良いけど帰れないのよね。」

「あのトイレから帰れないの?」

「駄目元で試してみる?」


 カイラ、トイレのドアを開けて入る。

 ・・・

 暫くして出てくる。

「駄目だわ。」


「僕も試してみるか。」

 アンテ、トイレのドアを開けて入る。

 ・・・

 暫くして出てくる。

「駄目だね。」


「じゃあ、二人とも私の部屋に来て。」

「いや、カイラはともかく僕は駄目だろう。」

「いいわよ。ちょっと狭いけど。」

「駄目だよそんな事、一人暮らしの女性の家に泊まるなんて。」



【アンテは私のところに泊まれば?】

 マスターの手元から、突然クロアチア語が聞こえてきた。

【携帯の自動翻訳アプリよ。これがあればなんとかなるでしょ。】


 ◇


 そんな訳で、アンテは私が預かることにしたわ。カイラちゃんはダンタリオンちゃん家ね。

 ま、これからどうするかは、おいおい考えましよ。





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