3.アンテ、貴方『いつ〜(以下略)
「……アンテ?」
◇
「君までどうしてここに?」
「待って。貴方『何時』から来たの?」
「……その質問には、まだ上手く答えられない。僕もそこにいるカイラと同じで、さっきここに来たばかりでまだ訳がわかっていない。」
「そっか。」
ダンタリオン、ちょっと考えた。
「質問を変えます。アンテ、貴方『何処』から来たの?」
「君の村のはずれにある、井戸の小屋からだ。」
「村へは何をしに?」
「クロアチアの軍隊が、明日、悪魔討伐の名目で村を襲う。それを知らせに来た。」
「……それはもう知らせたの?」
「知らせた。」
ダンタリオンは、深く安堵のため息をついた。
「……ありがとうアンテ。これで村のみんなも、貴方も助かる!ああ神様ありがとう!」
「僕も?」
「説明するわ。」
ダンタリオン、あの日の一連の出来事を、順を追ってアンテに説明する。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「…………。」
「ごめんなさい。すごくショックな話よね。」
「ばれてたのか……。僕と迷子になった男の子は、峠で待ち構えていた兵士に殺されるんだね。」
「……そうなの。」
〜 ここまで、クロアチア語 〜
◇
「ダンタリオンちゃん、この人も知り合いなの?」
「あ、ごめんマスター言葉わかんないわよね。」
「いや別に私がわかんなくても良いんだけどさ、でもうちのトイレからたまたま出て来た二人が、揃ってダンタリオンちゃんと知り合いみたいだから、ちょっとびっくりしたのよ。」
「二人と再会できたのはこの店のトイレのお陰だから、マスターも話を聞く権利があるわよね。」
ダンタリオン、マスターにここまでのやりとりと事の次第を説明する。
〜 ここまで、日本語 〜
◇
それから、さらに一時間程飲みまして。
◇
「ごめんねー、あと30分で閉店なのよ。」
「うわもうこんな時間?」
「900年振りの再会で盛り上がったみたいね。」
「900年振りなのは私だけだけど。」
「ややこしいわねー。」
「で、お二人は何処泊まるの?」
「そうか、来たのは良いけど帰れないのよね。」
「あのトイレから帰れないの?」
「駄目元で試してみる?」
カイラ、トイレのドアを開けて入る。
・・・
暫くして出てくる。
「駄目だわ。」
「僕も試してみるか。」
アンテ、トイレのドアを開けて入る。
・・・
暫くして出てくる。
「駄目だね。」
「じゃあ、二人とも私の部屋に来て。」
「いや、カイラはともかく僕は駄目だろう。」
「いいわよ。ちょっと狭いけど。」
「駄目だよそんな事、一人暮らしの女性の家に泊まるなんて。」
【アンテは私のところに泊まれば?】
マスターの手元から、突然クロアチア語が聞こえてきた。
【携帯の自動翻訳アプリよ。これがあればなんとかなるでしょ。】
◇
そんな訳で、アンテは私が預かることにしたわ。カイラちゃんはダンタリオンちゃん家ね。
ま、これからどうするかは、おいおい考えましよ。




