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おい今度の救世の乙女は何だか想定外だな?〜誰に理解されなくてもあたしは信じた道を進むことにした〜  作者: 夜朝
第2章 〜生きてこそ得られる幸せってあるでしょ〜

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第2章 その57

よろしくお願いします。。。

 そこを狙っているのだろう──。


(これは邪魔できないわ)


 一切の身動きを止めて、何なら呼吸すらも控えめにして。

 エティは全力で動くのをやめた。


 ダルクが突然、踏み込む。


 一か所に集まった侵害者五体が、ダルクの一突きで一気に串団子状態になった。

 それと同時に、彼の剣に集まっていた精霊力が上下左右・三百六十度に散り消えていった。

 まるで夜空に咲く花火のように。

 その光の乱舞が収まると、団子と一緒にダルクの剣も跡形もなく消え失せていた。

 その場に一人残されているダルク。

 姿勢を正す彼の背を呆然と見つめていたエティは何とか声をかける。


「終わっ……た? ダルク」


「ああ。よく頑張ったな、エティ」


 彼が銀の髪をなびかせながら振り向くと、その灰色の瞳が髪と同じような銀色に輝いているように見えたエティだ。

 思わず見とれた彼女を、彼は怪訝そうに見つめ返して小首を傾げた。


「どうした? エティ」


「あ──いや、うん。何でもないわ!

 ありがとねダルク。

 あ、そうそうフィーレは? どう?

 ワーテル、ワーテル」


「おう。何とか熱は引いてきたぜ。

 この分ならソリに揺られても悪化はしないだろ。

 それともエティの癒しの術をここで試すか?」


「キーペ! あたしの癒しの術って何度も使えるもの?」


 常になく明後日のほうを向いていたキーペへ声をかけると、少年神官は我に返ったように慌てて駆け寄ってきた。


「はい。すみません、なんでしょう?」


「どうしたのキーペ。

 めずらしくぼんやりしてたけど大丈夫?

 それはそうと、あたし、さっき炎の壁を消すのに癒しの術を使ったのよ。

 もう一度って使えるかしら? やめたほうが良い?」


「大丈夫です。すみません。

 癒しの術は周囲の精霊力をごっそり持っていきますし、今回はダルク様も相当派手にご使用でしたから、もうこの辺り一帯の精霊力は枯渇しています。

 精霊力さえあれば癒しの術は何度でも使えるのですが、何分、エティ様はまだ量のコントロールに慣れていらっしゃらないので──ここでは無理ですね」


「分かったわ。ありがとキーペ。

 ……じゃあフィーレ?

 神殿に戻った時にまだ本調子じゃなかったら言ってね。

 あそこまでいけばまた使えるでしょ」


「わりいな。エティ。

 とりあえずソリで寝かせてもらわ。

 俺いつも大抵、寝てりゃ治るんでな」


「元気ねぇ。若いっていいわ」


「おばんだ……」


「おばんだぜ」


「聞こえてるわよ。フィーレ、ワーテル。

 ていうか、フィーレはともかくあんたには言われたくないわよワーテル。

 あんたあたしとそんなに歳変わんないでしょ」


「オレは29だな」


「うん。やっぱり、そんな変わんないわ

 そういえば、救世の御一行様は誰が最年長なの?

 ワーテル? ソイルもなんか歳いってそうに見えたけど」


「いや。一番は、本当に本当なら──」


「皆様、ソリのご用意ができましたよ。

 順にお乗りください。

 早いところ出発しましょう」


 キーペに急かされて、エティたちはそれまでの会話を忘れ去って、ソリに乗り込んでいった。


これで第2章は終わりです。

次は幕間を挟んでから第3章が始まります。

どうしたら面白くなるのかいまいちわからない。が、がんばります…!


ここまでお付き合いいただきありがとうございます!

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― 新着の感想 ―
ここまで読ませていただきました。ダルク、侵害者たちを一気に串団子状態に…凄いですね。エティも見とれてしまって、キーペも放心状態なのが印象的でした。 癒やしの術は、ダルクの術とともに精霊力をかなり使う…
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