↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おい今度の救世の乙女は何だか想定外だな?〜誰に理解されなくてもあたしは信じた道を進むことにした〜  作者: 夜朝
第2章 〜生きてこそ得られる幸せってあるでしょ〜

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

84/90

第2章 その56

よろしくお願いします。。。

 すぐに離されるかと思っていたエティだ。意外と長い間、彼に抱かれていると思うと、それが不思議で、怪訝そうな顔で彼を見上げた。


 彼女と目が合うと、彼は、はっと息をのみ、わずかばかり目を見開いて後、そっと彼女から腕を離した。


 エティは、まだ怪訝そうな顔をしていた自身を振り払うように首を振ってから、真っ直ぐにダルクを見つめた。

 握手しようと右手を差し出すと、手首に二本重なっているバングルが、しゃらりと鳴った。

 ダルクが握手を返してくる。ぐいっと、少し強めに腕を引かれた。

 エティは引っ張られるのを引っ張り返して、深く息を吸い込み、告げた。


「宣誓!」


 ダルクがゆったりとした動作で空いている方の腕を横に伸ばしていく。

 その、上へ向けて開いた手のひらの上に小粒の柔らかな光と淡い紫の影が現れ、くるくると回る。


 思わず見惚れそうになったエティに、続きをと、ダルクがあごを動かして促す。


 エティは少し慌てて態勢を立て直す。

 だいぶ慣れてきた精霊力の開通の儀。

 それでもいつも緊張する。

 心地よいそれに身を引き締めながら、いつもの祝詞を連ねていく。


「救世の乙女・エティが精霊神・トゥークの名において汝に月闇の力を導くことを誓いたてまつる」


 ダルクの手のひらの上に踊っていた精霊力の粒を核にして、周囲に垂れ込める力が一点に集まり出す。

 エティが驚いて握る力を緩めていた右手を、ダルクが思い出させるように強く握り直した。


(そうだ。集中しなきゃ──)


「その身に潜めし力を開通せよ、守護者・ダルク!」


 エティが、あごを引いて最後の言葉を告げた瞬間。


 二人を取り巻くようにすさまじい圧力の精霊力が渦を巻いた。

 それが一筋残らずダルクの手のひらの上に編み上げられていく。

 細身の両刃剣の形だ。


「御意。守護者・ダルク。我が名にかけて──」


 すぐ手元に浮いている剣の柄をダルクが握りしめる。

 彼が手にした剣を高々と天空に突き上げ、堂々たる様子で宣言した。


「御身に忠節を!」


 剣を構えたダルクはすぐさまその身をひるがえし、祠から伸びている火の紐へ対峙した。

 侵略者からエティをかばう格好だ。


 地面に落ちていた紐は、今は宙へ浮かび──次の瞬間にはダルクめがけて飛びかかってきた。


「動くなエティ!」


「……っ」


 ダルクは線が細く、普段はさほど頼りがいのありそうな容色ではない。

 それでも今この時は彼の守護にすっぽり囲われ守られている。


(ああ、人って見かけじゃないわよね)


 エティは益体もなくそんなことを考えていた。


 その間もダルクの侵害者との戦闘は続いており、少し焦げた銀の髪を風に散らしながら、彼は何かを見計らっているようだった。


 少ししてエティも気付く。


 火の紐の動きは複雑なようでいて実は同じ動作を繰り返しているのだということ。

 まだ彼女はタイミングをつかむところまでいけないが、時々、すべての侵害者が一か所に集まる時がある。

なかなか退治するところまでいかない理由は見せ場を作りたい欲求のせいです。

作れてない…。


ここまでお付き合いいただきありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ダルクとの開通の儀、綴られていく言葉から情景がありありと浮かんできました。 侵害者との戦い、まだ続いていますね。線の細いダルクが、今はエティを囲うように守りながら戦っている姿がとても印象的です。続き…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。