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おい今度の救世の乙女は何だか想定外だな?〜誰に理解されなくてもあたしは信じた道を進むことにした〜  作者: 夜朝
第2章 〜生きてこそ得られる幸せってあるでしょ〜

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第2章 その54

よろしくお願いします。。。

 それからのエティは忙しかった。

 保管庫に紐を二本かけてから、その二本を橋渡しする要領で持ち手をつける。

 その間も対熱中症に効率的な冷やし方をワーテルにレクチャーして、時にはフィーレの首筋や脇を触って状態を確認した。

 それだけなら何ということもないのだが、時々守護者が防ぎきれなかった侵害者の攻撃が飛んでくる。

 本来なら三人いるはずのところ、今はダルクだけだ。

 その分キーペががんばってくれているが、やはり手が回りきっていない。

 エティは小さな火の玉や細い熱線が飛んでくる度に両手首のバングルをかばって両太ももの間に挟んだ。

 すると、右手首にはめている月闇と水冷のバングルは何も変わらないのに、左手首にしている火熱のバングルだけ、じわりじわりと、だが確実に熱くなってきていた。

 エティはよぎる不安をどうしようもできなかった。

 バングルがこのまま加熱を続けたら火傷してしまうとか。

 もし発火したら困るとか。

 何かある前にバングルを外しておくべきではないのかとか。

 ひとまずバングルが長袖の内側ではなく外側にくるように袖を引っ張った。

 しかしこれでは侵害者からの攻撃を防ぎづらくならないだろうか。

 エティの脳内は保管庫の支度ができて火喰い鳥を招いている間もぐるぐるとせわしなく回っていた。


「エマ! 持てる?」


「り りり り」


 鳥からの回答を訳してくれる相手は今はいないが、何度かうなずいているのが肯定の証かと考えてエティは保管庫の前から立ち上がりエマへと場所を開けた。


「お願いね」


「エマ! ラルラ レロール ラ レラルーロ!」


 エマが保管庫の持ち手をつかんで力強く羽ばたく。箱を持ち上げ、空を見上げた。


 その瞬間だ。


 キーペが鳥に向かって何やら指示を出した。


 するとエマの身を包んでいた薄く揺れる炎のような精霊力が、真夏の太陽のような光を放つ。

 見送るまでの時間もかからず、飛び去ったエマの姿はすぐに見えなくなってしまった。


 それに気色ばんだのは火熱の侵害者たちだった。

 小さかった体が、ぱちぱちと炭がはぜるような音を上げながら、急速に膨らんでいく。

 すると結界を囲んでいた、精霊力でできている細い紐も、見る間に太くなっていった。

 炎の壁に隔たれて結界の内と外とで視界がさえぎられている。


「あつ……! ほんとに火事みたい」


「きびし。ノド火傷するぜ」


「エティ、ワーテル! 聞こえるか?」


「ダルク、聞こえてるわよ!」


「その後、フィーレの様子はどうだ」


 エティがワーテルのほうを振り向いた。

 白髪が炎の光に揺れて、まるで燃えているように見える。

 ワーテルはTPOもわきまえず見とれてしまいそうな自身を叱咤して首を横に振って答えた。


「まだ全然熱いぜ。言ってなかったが、キミがエマに保管庫を託している間もオレはずっとフィーレを冷やす手を止めてなかった」


乙女が暑いのに慣れているエティで良かったです。

でもそこ行くと水冷の儀礼具を入手するときは大変ってことでしょうか。

難しい! まだ火熱の侵害者を倒してないうちから気が早いですが、頑張ります。


ここまでお付き合いいただきありがとうございます!

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