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おい今度の救世の乙女は何だか想定外だな?〜誰に理解されなくてもあたしは信じた道を進むことにした〜  作者: 夜朝
第2章 〜生きてこそ得られる幸せってあるでしょ〜

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第2章 その50

よろしくお願いします。。。

「エティ様。ぼくたちも視界を共有したいので手を触れさせてもらっています。

 火喰い鳥にフレインを与える時には『リィル、リィル、リィル』と繰り返してください。

 ご自分で食べる前には『これは()(ひとみ)。あれは彼が目。つなげ、つなげ。彼の見し世は我が見る景色』

 ──ぼくたちも唱和します」


「分かったわ──エマ。リィル、リィル、リィル」


 フレインの一つを火喰い鳥のくちばしに差し出すと、エマは、ぱくりとそれを飲み込んだ。

 エティも続いてフレインを口に入れる。

 親指と同じくらいのサイズの球体は、食べると夕日色をそのまま映したような、甘酸っぱいオレンジ味をしていた。


「美味しい……」


 ぷ。と笑ってうつむくフィーレ。

 困り顔で微笑んだキーペが小首を傾げてささやく。


「エティ様。呪文はリズムというかテンポも大切ですから。

 次をお願いします」


「ごめん。──『これは我が瞳。あれは彼が目。つなげ、つなげ。彼の見し世は我が見る景色』」


 その呪文を唱え終えた途端、火喰い鳥はまぶたを閉じていても分かるくらいの、突き刺すような輝きを放った。


   * * *

 

 上空から見下ろすような絵面を想像していたエティだ。

 思ったよりも青い空ばかりが視界を埋める。

 少しそれに飽きてきた頃だった。目立った変化が現れたのは。


「ああ、やっぱり街ではないんですね」


 視界が下へ向いた。

 景色は森の樹々の合間。

 凍て付いた泉の中央にある祠を映し出す。

 それはまるで燃えているように朱色の輝きを放っていた。


「やっぱりってどういうこと? キーペ。

 この祠の中にあるんでしょう。本当は街にあるはずだったの?」


「ええ。侵害者が強奪していった儀礼具は彼らの手で分解されるわけなんですが、そうするとそこに宿る精霊力が強すぎて、侵害者にも扱えなくなるみたいなんですよね」


「何その間抜けなの。で?」


「街には、ひとつずつ小神殿があります。

 儀礼具は精霊神の加護を受けて自ら転移し、己と同じ属性を持つ小神殿の中で乙女か守護者が迎えに来るまで眠りにつくんです。

 けれども今回は精霊神様の加護が得られなかったから──」


 つらそうに眉根を寄せて言葉を濁すキーペ。


 エティが神妙な面持ちで後を続けた。


「小神殿に飛べなかったのね。

 それで? ……あの祠、泉の中央にあるけど、属性としては火熱なの? 何かすごいわね」


「それなんですが……」


 首を傾げたキーペの隣に立って、その細い肩を叩いたのはフィーレだ。


「そこからは俺が言おうかな?

 あの祠は元から火熱の祠だよ。周りがおかしいんだ。いつもと違う。

 ……あの辺はさ、本来なら雪がなくて、火を焚けるようになってたんだ。

 火喰い鳥からの情報じゃ、強くなり過ぎた精霊力を治めるために水冷の精霊が力を貸したんだとか。

 そんなところらしいな」


「それって、急いだほうが良いってこと?

 もしかして火熱の精が暴走したら、周辺の森を焼き尽くしたりするんじゃないの」


 どよっ。と守護者たちの間に緊張が走る。キーペもだ。


「今までの経験からすると、こういう時の乙女の言葉は無視できないからな」


「急ぐとするか、キーペ」


「はい。さっそく出発しましょう」


 すっかりピリピリしてしまった空気を肌で感じながら、ごくりと喉を鳴らしてエティもソリに乗り込んだ。

鷹匠って憧れなんですよね。可愛いモフモフとかっこいいのとどっちにしようか迷って今回はかっこいいのにしました。

いずれ可愛いモフモフも出したいです。


ここまでお付き合いいただきありがとうございます!

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― 新着の感想 ―
火喰い鳥のエマ、赤く輝く羽毛に青く光る瞳が印象的ですね…!特別な餌に、特別な呪文で、凄い力を使えるのですね。鷹匠のようなエティの姿を想い浮かべました。 火熱の祠は、ちょっと危険な状況のようですね。エ…
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