第2章 その49
よろしくお願いします。。。
火に包まれているという表現が正しいかどうかは分からないと感じたエティだ。
なぜなら鳥の周囲の雪は溶ける様子がなかったから。
「あれ、ほんとに燃えてるの? フィーレ」
「燃えてるっつーかなぁ。
あれ、火に見えてるのは炎の精霊力なんだよな。
触れば熱いんだけどよ、物を燃やすことはないんだ。
火傷の心配はねえから安心しろよ」
「でも、熱いなら雪が溶けるはずじゃないの?」
「ああ、気になってんのそこか。
降りたての柔らかい雪なら溶けるんだけどな。
硬くなった雪は氷の精霊力が強く宿ってるから、火喰い鳥程度には負けねえわ」
「ふぅん……あたし、腕に乗せても大丈夫だと思う?」
「大丈夫じゃね?
ウードなら相性悪いから全力で止めるけどな。
お前はたぶん中和だろ。
……おーい! エマ! 乙女が呼んでるぞ」
エマと呼ばれた火喰い鳥は、ちょんちょんと雪の粒をついばんでいるのをやめて、顔を上げた。
赤く輝く羽毛に青く光る瞳。
雪面に落ちる影さえゆらめいている。
エマは小さく羽ばたいてエティのすぐそばまでやってきた。
エティは恐る恐る右腕を差し出した。
エマが音もなく飛び上がり、ふわりと彼女の腕にとまる。
ほんのりと温かい。
温湿布を腕に巻いたような感触で心地よかった。
が、もちろんそれだけではない。
エティの腕にエマがとまったのを見ると、キーペは彼女の正面に立って、空いているほうの手を差し出すように告げた。
エティがそれに従って左手を前へ伸ばす。
その手のひらに、ころん。と、ふたつの飴玉が置かれた。
夕日の色をしたその飴は、どことなく温かく、火喰い鳥と同じように揺らめく光をまとっていた。
「これは?」
「フレインといって、火熱属性の魔獣たちの餌になるものです。
ひとつは火喰い鳥へ。もうひとつは、エティ様が食べてください」
「あたしも? 食べて大丈夫なの? これ」
「はい。火熱属性の持ち主は大丈夫です。
それ以外の者が食べると火傷するので、もし扱う際には気を付けてください。
とはいえ、エティ様に持ち歩かせるつもりはあまりないんですが」
「なんでよ。あんたはいつも持ってるんでしょ、キーペ」
「いえ。ぼくも持っていくのは火熱属性の儀礼具を扱う時だけです。
それ以外で火喰い鳥に用事もないですし」
「俺は普段から持ってるぞ。
いざという時、いつでも呼べるようにしたいからよ」
エティはフィーレが懐から取り出した巾着袋の中身を見て、わ。と声を上げた。
黒い袋の中身は、今エティが持っているフレインがどっさりと詰まっており、その光が乱反射してまぶしいくらいだったのだ。
目をつむって半歩、後ろに下がるエティ。
そこへキーペが手を伸ばし、そっと彼女の右下腕をつかんだ。
フィーレも巾着をしまってエティの右上腕に手を乗せる。
面食らっているエティに、キーペが説明を続けた。
魔獣・火喰い鳥の扱いについて。
こんな本筋と関係ないところに労力を割いてしまう私。
いいんでしょうか。あんまりよくないのでしょうか。不明ですが楽しんでやっています。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございます!




