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おい今度の救世の乙女は何だか想定外だな?〜誰に理解されなくてもあたしは信じた道を進むことにした〜  作者: 夜朝
第2章 〜生きてこそ得られる幸せってあるでしょ〜

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第2章 その46

よろしくお願いします。。。

「ガラスなんか割れるでしょう!?

 建物って何ですか!」


「そこは頑丈な──そう。いわゆる強化ガラスを作ってくれる職人さんに話を聞きたいわ。今のこの星の技術力では本当に無理なのか。それともいけるのか」


 ソリに乗ってやってきた衛士たちを乙女の家に誘導している間も、エティとキーペの会話は止まらない。

 帰宅した一行は、先触れで話を通しておいたため、何の抵抗もなく使用人に出迎えられた。


 久しぶりに人間に戻ったのだから、ついでにサウナも使っていったらいいとエティからの心配りは既に使用人たちも承知の上で、彼らは用意されていたフリーサイズの着替えを手にうれしそうな声を上げて案内に従った。

 それが終われば食事、それから客室で就寝だ。


 その間、食事を終えたエティとキーペはガラスハウスについて打ち合わせを重ねていた。

 誰を呼ぶかの選別だ。


「できれば、試行錯誤を苦にしない、前例のない挑戦を楽しめる性格の人が良いわ」


「板ガラスじゃないですけど、『どんな形状の置物でも作ります』っていうガラス工房ありますよ。何年か前、中庭にガラス像を飾るのが流行った時期がありまして」


「いいじゃない。そういう人は呼んでほしいかもしれないわ」


 でも、屋外にガラスの像……?

 とエティは不可解そうな表情をしたが、キーペは微笑みながらメモを取っており、視界には入れていなかった。


「それに、大工! 精霊神殿のような石造りの建物を作っているのとは違って、木材を組み合わせて直線だけじゃなく滑らかなカーブも描ける職人が森の里に何人もいます。

 前例があるのが当たり前な業界ですが、若い子たちはチャレンジ精神旺盛だから面白がるかもしれませんね」


「はあ。若い子……キーペより若いってわけじゃないわよね?」


「……っ。や、やだなあ。そりゃぼくよりは年上ですよ? ただほら、職人さんたちは年嵩な人が多いので」


「ああ、そりゃそうよね。うん」


「そうですよー」


 冷や汗を垂らしている少年の様子にエティは気付かず、ふむふむとうなずいた。


「会うのが楽しみだわ。専門家の意見も参考にできるなんて。あたしは幸せ者ね」


「何だかぼくまでわくわくしてきました。今日眠れるかな」


「ふふ。ごめんなさいね。いつもより夜更かしさせちゃったわね」


「いいんですよ。たまにはエティ様時間で過ごすのも楽しいものです。

 お気づきでしたか?

 ぼく時々、エティ様の部屋の明かりが消えるまで自分も寝ないようにしていたんですよ」


「ええ! 大変じゃなかった? 我ながら太陽の運行とはそぐわない生活だと思っていたのに」


「確かに太陽とはずれますけどね。でも、八時間寝て十六時間起きて、それの繰り返し。と思えば規則正しいですよ」


「なるべくこっちのお日さまに体を慣らすわ。やっぱり日に当たらないと元気出ないしね」


「はい。ぼくにできることならお手伝いしますよ。

 何なりとお申し付けください。

 手始めに明日の朝の起床から始めましょうか?

 今からなら二時間コースですよ」


「二時間コース? 何が二時間?」


「やだなー。睡眠時間じゃないですかー」


「絶対に六時間は寝かせてよね……!」


 エティが太陽の運行にそって生活できる日はまだ遠いようで、キーペは細かく肩を揺らすばかりだった。


ビニールハウスができなきゃガラスハウスです。

これまでにも歴代の救世の乙女は自分たちの知識をこの世界の人々に提供して正の遺産を遺してきました。

果たしてガラスハウスはエティの遺すものになるのでしょうか?


ここまでお付き合いいただきありがとうございます!

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