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おい今度の救世の乙女は何だか想定外だな?〜誰に理解されなくてもあたしは信じた道を進むことにした〜  作者: 夜朝
第2章 〜生きてこそ得られる幸せってあるでしょ〜

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第2章 その45

よろしくお願いします。。。

 ひとまず衛士たちは寝床を提供できる人数だけ残して、後はコインに戻ってもらった。

 誰がどれほど試しても一向に戻れなかったコイン形態に、しかしエティがうなずいてからというもの、簡単に戻れるようになったのだった。

 やっぱりエティのせいだったのかと厳しい眼差しを浴びることもあったが、彼女としては、いざとなったらまたコイン禁止にしてしまおうと目論む結果になった。恨めしそうな視線など痛くもかゆくもないのだ。


 さて、そんなコイン反対派のエティが頑なに主張するので、人間のままで残る権利は、強さや階級で固定するのではなく、ローテーションで全員に当たるようにすることになった。

 提供する寝床は、乙女の家の空き室だ。同じく食料も、乙女の家に保存されている非常食をあてがうことになった。

 それでも足りなくなることは自明の理だったが、キーペが神殿の非常食を提供すると言ってくれた。

 一度に人間に戻る人数は五~六人だから、一年半は持つ計算だ。

 それまでをリミットと決めて、エティは食料の確保から始めようと思った。

 困ったのは、彼女は受付業務はやったことはあっても農業の知識などほとんどないということだ。

 一応、子どもの頃に学校で朝顔やヒマワリを育てたことはあるが、それくらいだ。

 「温かければ食物は育つ」ということを、もっと現実味を帯びて農家の人々に分かってもらう必要がある。

 ガラス工房も押さえなければならない。寒さをさえぎり温もりを保持できるガラスハウス。昼は太陽で、夜は引いてきた温泉で温まるように。

 ガラスの壁は層を重ねることはできるのだろうか。確か間に空気を挟むことで断熱の効果が上がるとか聞いたことがあるような気がするが……。


「エティ様。エティ様──着きましたよ」


「ん? ああ、もう家? ありがとキーペ」


「何を考えていたんですか? すごい企み顔で」


「失礼な!? 企んでなんか……あるか」


「あるんですか」


 先にソリを降りて、呆れたような顔をしたキーペ。

 彼は育ち切らない手を差し出してエティが降りるのを手伝った。


 エティは手短に礼を言うと、すぐそばにいる少年神官にさっそく願い出た。

 思い立ったが吉日だ。

 もう今日という日も終わるのだが、相変わらず体内時計がずれているエティは、まだ元気だった。


「ねえキーペ。神殿なら色んな人が祈りを捧げに来るんでしょう。

 大きな板状のガラスを扱うガラス工房さんと、大工さんと、農家さんにつなぎを付けてくれないかしら」


「挙げた中に『農家さん』がいるから、先ほどの食料調達の話かなと思いますが、さっぱり分からない組み合わせですね」


「風を遮断して光を通すと温まるのよ──天井と壁をガラスにして、平屋の建物を作るの」


どんどん話が逸れていっている。……ようにみえますが。

エティはこの星を救うために召喚されているので、ある意味、目的の一端を果たそうとしていると言えなくもないのです。


ここまでお付き合いいただきありがとうございました!

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