表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/12

第二十一章 広美、お座敷で事件の予感する

広美がいつものようにお座敷にでていると、お客様は、どこかの政治家か医師か恩師を接待しているようで、先生と呼んでいた。

その先生が、「松井を消せ!」と指示した。

広美は事件の匂いがしたので、「その松井さんは左遷ですか?先生のような偉い人に見放されるような事をしたのね。」と会話に割り込み印象付けた。

    **********

数日後、鴨川の河川敷で早朝トレーニングをしていた若者が死体を発見して警察に通報した。

三係に連絡があり、広美達は現場に急行した。

被害者は、身元を証明するものを何も身につけていなかった。

広美は、「西田副主任、渡辺刑事、被害者の身元を調べて下さい。前田刑事、須藤刑事、この付近の聞き込みをして下さい。」と指示した。

翌日の捜査会議で前田刑事が、「二十二時ごろ、付近の住民が死体発見現場近くにアベックがいた事を目撃していました。そのアベックを会話の内容から捜して事情を聞くと、その時間、死体はまだなかったそうです。二十二時ごろから翌朝六時までの間に遺棄されたと思われる為に、その時間に絞って聞き込みを続けます。」と報告した。

西田副主任が、「歯の治療痕から身元を割り出そうと歯科医師会に依頼しましたが、現時点で被害者の身元は判明していません。」と報告した。

渡辺刑事が、「前歴者の指紋にはヒットしませんでした。捜索願が提出されている人物との照合をしていますが、現時点で判明していません。」と報告した。

広美が、「先ほど解剖医から報告がありました。胃の中から紙のようなものが発見されたそうです。現在科捜研で分析中です。事件の重要な手がかりなので、鑑定結果を急ぐように催促しておきました。」と報告した。

科捜研では、「鬼軍曹から急ぐように指示された。」と他の分析は後回しにして、広美からの依頼を最優先にして分析していた。

科捜研の所長は研究員に、「何故分析の順番を変えるのだね?不公平ではないか。」と確認された。

研究員は、「以前、鬼軍曹から鑑定の順番を変えなかった為に一人亡くなりました。私達は殺人事件を担当している上で急ぐように催促したにも関わらず、聞き入れて頂けなかったので尊い人命が失われました。これは上司に報告しておきます。と苦情があり、その後本部長から一課長に聞いたが、今後このような事があれば、君は解雇し業務上過失致死で逮捕する。今後、人命を守る為に何が重要なのかを考えて仕事するようにと警告されました。」と説明して所長も納得した。

緒方係長は、「今回は手掛かりも少なく、林君も焦っているようだな。」と感じていた。

捜査会議中、科捜研の研究員がきて、「胃から発見された紙ですが、名刺でした。」と復元結果を広美に渡した。

広美は復元写真を見ながら、「岸田電機経理部長松井智明、名刺の裏には、民政党大場弘明とメモされています。この二人を調べて下さい。」と指示した。

    **********

広美は、先日のお座敷で、“松井を消せ“と聞いた事を思い出して、母に電話して、その時のお座敷のお客様について聞いた。

初美は、「また事件なの?今夜そのお客様から予約があったわ。芸者の指名はしてないので自分で聞きなさいよ。今晩のお座敷頼んだわよ。」と事件だったら、他の芸者を巻き込みたくなくて広美に依頼した。

西田副主任が、「民政党の大場が今晩、花町のお座敷で実行犯と会うようです。」と報告した。

広美は、「先ほど母に確認しました。それらしい予約があったわ。他の芸者がいくと事件に巻き込まれる可能性がある為、私が芸者としてお座敷にでます。話の内容は無線で流すわ。」と全員に伝えた。

お座敷で大場は、「松井が自分の名刺に、俺の名前を書いて飲み込んでいたらしい。刑事がきて色々聞かれたじゃないか!何とかしろ!」と怒っていた。

お座敷終了後、広美は、「以前のお座敷で大場が松井を消せと指示していました。花町は芸者遊びなので本名を名乗らない事もあります。須藤刑事、前田刑事、尾行して身元を確認して下さい。渡辺刑事、西田副主任、岸田電機について調べて下さい。」と指示した。

    **********

翌日須藤刑事が、「大場さんを接待していたのはやくざでした。流星会の猫山武でした。実行犯は流星会のやくざだと思われます。実行犯を特定します。」と報告した。

広美は、「了解。前田刑事と二人でお願いします。」と一人では危険だと判断した。

西田副主任が、「先月不正経理が発覚して、社長命令で、社内で徹底的に調査する事になりました。殺人事件との因果関係について調査します。」と報告した。

数日後西田副主任が、「松井部長は会社の資金を横領して大場議員に流れていました。横領に女子社員が気付いて、まさか松井部長が横領しているとも知らずに松井部長に相談していました。」と報告した。

広美は、「大場議員がそれに気付いて、自分に火の粉がかからないように松井の口を封じた可能性があります。須藤刑事、鶴千代がお座敷で、松井を消せと聞いたと揺さぶりを掛けて。私を消そうと襲ってきた所を逮捕します。今日から私は芸者姿で囮になります。横領については私達の専門外なので、一課長から二課長に捜査協力を依頼します。」と全員に指示した。

    **********

数日後、西田副主任が、「主任、流星会の猫山が尾行しています。気を付けて下さい。」と無線で報告した。

須藤刑事が、「他の流星会のやくざが遠巻きにしています。今晩襲われる可能性があります。今緒方係長に報告して、警官隊がこちらに向かっています。」と報告した。

西田副主任が、「銃に注意して下さい。銃を確認次第、銃刀法違反の現行犯で緊急逮捕して下さい。」と指示した。

広美が人通りの少ない通路に向かった。

西田副主任が、「主任!警官隊が到着するまで仕掛けないで下さい。」と焦っていた。

広美は、「こちらから仕掛けなくても、相手が仕掛けてくる可能性があるわ。人通りの多い場所で襲われると一般市民に犠牲者がでる可能性は否定できないわ。私達はどんな事をしても一般市民を守らなければならないのよ。」と人通りの少ない通路に向かった理由を説明した。

西田副主任が、「猫山が主任に急接近!注意して下さい。全員主任との距離を縮めて下さい。」と焦っていた。

渡辺刑事が、「だめです。遠巻きにしていた流星会のやくざが他人を排除しようとしています。」とおろおろしていた。

前田刑事が急いで反対側に回り、手を挙げて偶然出会った芝居をして、「鶴千代さんじゃないですか。先日のお座敷では、お世話になりました。今日はどこのお座敷ですか?」と話しかけながら広美と猫山の間にはいった。

猫山が、襲うのは人通りの少ないこの場所しかないと判断して、フードを被り、「退け!」とナイフで襲ってきたが、前田刑事が阻止して、警察手帳を提示し、「京都府警の前田です。殺人未遂の現行犯で逮捕します。」と手錠を出していた。

広美が流星会のやくざが銃を構えている事に気付いて、「前田君、危ない!」と前田刑事を庇った。

その結果、銃弾は猫山の腹部に命中して、刑事達は一斉に銃を発砲したやくざを取り押さえた。

他のやくざ達は逃亡しようとしたが、警官隊がパトカー数台で到着して、やくざ達を逮捕した。

銃を発砲したやくざや他のやくざに気を取られていて、銃で負傷している猫山には油断していた。

    **********

広美が、「猫山はどこ?」と確認したが誰も確認していませんでした。

広美は油断したと反省して、「猫山は負傷しています。まだこの近くにいるはずよ。捜して!」と刑事達や警官隊に指示した。

全員で猫山を捜していると須藤刑事が、「主任!中年男性が刃物で刺されて車が奪われています。車は黒のクラウンです。」と報告した。

広美は救急車を呼ぶように指示して、奪われたクラウンの車両番号を持ち主から聞いて緊急手配した。

数時間後、四条河原町で乗り捨てられているクラウンを発見した。

広美は、「猫山の腹部に銃弾が命中していて出血があり目立ちます。前田刑事、須藤刑事、目撃者を捜して下さい。西田副主任、渡辺刑事、付近の防犯カメラをチェックして下さい。私は近くの医療機関を調べるわ。」と指示した。

数時間後、須藤刑事が、「腹部から出血している男性が迎えにきた車に乗って四条通りを西に向かったそうです。目撃者は病院に行くのだと思い気にかけてなく、警察にも通報していませんでした。車は黒のベンツで車両番号は不明です。」と報告した。

広美は、黒のクラウンの緊急手配を解除して、黒のベンツを緊急手配して、部下の刑事達に京都市内の医療機関を捜査するように指示した。

一週間後の捜査会議で広美は、「医療機関からは猫山の行方が掴めませんでした。どこかの、もぐりの医師に手当てして貰った可能性があります。全員で流星会を張って下さい。」と指示した。

    **********

その日帰宅すると母から、「お得意さまの猫山様から鶴千代に呼び出しがありましたがどうする?多忙を理由に断る?」と確認された。

広美は、「会うわ。どこへ行けばいいの?」と猫山に接触しようとした。

初美は、「お座敷から帰ったら電話させると伝えておきました。」とメモを広美に渡した。

さっそく広美は猫山に電話した。

広美は、「鶴千代です。猫山さん、昼間花町で見かけましたが、どうしたの?やくざ者が銃を発砲して、フードをかぶった男性が私の目の前で撃たれたので、私怖くてあの場から逃げ出して何も知らないのよ。またお座敷に呼んでね。」と何も知らないふりをした。

猫山は、「お座敷に行きたいのは山々だが、怪我をしていて動けないんだ。」と広美を鞍馬の山奥に呼び出して殺害しようとしていた。

翌日広美は、「今晩、猫山から呼び出しがあったわ。」と伝えて全員で広美を護衛して猫山を逮捕しようとした。

現場には流星会の構成員も来る事が予想されたので、警官隊のほかに機動隊も出動させて近くに待機させた。

広美が私服で鞍馬に行くと猫山がいたので、「鶴千代です。」と声を掛けた。

猫山は、「今日は私服ですか?そうですよね。こんな場所に着物では不便ですよね。どこかでお会いした事はないですか?」と私服の広美に見覚えがある様子でした。

広美は警察手帳を提示して、「私を覚えていたとは光栄ね。京都府警の林です。私の前で松井を消せと言ったのは失敗だったわね。」と猫山に迫り刑事達も出てきた。

猫山は、「鶴千代、お前が京都府警の鬼軍曹だったのか!」と予想外の鶴千代の正体に驚いていた。

流星会のやくざ数人がでてきて抵抗する様子だった為に、広美は機動隊を最前線に押し出した。

銃や刃物で抵抗する中、広美達は全員逮捕した。

猫山の証言から、大場も逮捕され事件は解決した。


次回投稿予定日は、8月17日を予定しています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ