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第二十章 連続芸者刺殺事件

ある日、京都府警に初美から電話があり、「花町で別の置屋の芸者が倒れていると小菊から聞いて、先日芸者が刺殺されたので、まさかとは思い、急いで現場にいくと、背中を刺されていたわ。救急車を呼んだけど、すぐきて!」と広美から先日芸者が刺殺された事件を担当していると聞いていた初美は慌てて広美に電話した。

芸者刺殺事件を担当している広美は、緒方係長に報告して、他の刑事達と現場に急行した。

広美達が花町に到着すると、救急車が到着していて救急隊員から、「背後から心臓を一突きされています。先程到着された監察医が死亡認定しました。私達の出番はありませんので、これで失礼します。」と報告を受けた。

広美は、「監察医より死体はまだ温かいので、犯行は先程だと報告を受けました。西田副主任、渡辺刑事、防犯カメラをチェックして下さい。前田刑事、須藤刑事、付近の聞き込みをして下さい。特に返り血を浴びている人物を捜して下さい。被害者の交友関係など、私が調べます。」と指示した。

    **********

翌日の捜査会議で広美は、「被害者の芸者は子夏、本名結城聡子で、交友関係者には特に怪しい人物はなく、人から恨みを買っている事もないようです。先日刺殺された芸者とは置屋も別で、同じ芸者だというだけで特に接点もありませんでした。」と報告した。

西田副主任が、「犯行直前に、結城さんの様子を窺っていた怪しい人物を防犯カメラがとらえていました。」と報告した。

前田刑事が、「その怪しい人物は、以前も花町で目撃されていました。主任、芸者のお客様ではないですか?」と広美が何か知っているかもしれないと期待した。

広美は、「私は知りませんが、置屋の経営をしている母は、他の置屋とも交流があるので何か知っているかもしれません。母に聞いてみます。」と怪しい人物の写真を持って京都府警を出た。

数時間後広美は、「その人物は、他の置屋の芸者のお客様で奥山吾一でした。また芸者が襲われる可能性があります。今晩から芸者として花町で貼り込みます。」と緒方係長に報告した。

緒方係長は、「了解、前田刑事と須藤刑事に向かわせます。」と連絡した。

広美は、「西田副主任と渡辺刑事に、奥山吾一の捜査をさせて下さい。」と依頼した。

    **********

数日後、広美は奥山を花町で発見して、袖口に仕込んだ通信機で、「奥山発見、これから接触します。」と連絡した。

広美は他の置屋のお客様、奥山に花町で声をかけてそれとなく事情を聞こうとしていた。

他の置屋の芸者、子冬が気付いて、広美がお客様と別れた後、広美に声を掛けた。

「ちょっと鶴千代!私のお客様に声をかけて横取りするつもり?きたないわね!」と苦情を訴えた。

広美は、「悪い事はいわないわ。あのお客様から手を引いて!」と警告した。

子冬は、「何ですって!鶴千代!私に喧嘩売る気!」と広美に掴みかかろうとした。

前田刑事が気をきかせて、「芸者さんも喧嘩する事があるんだ。」と二人の間に入った。

子冬は、「覚えていろよ!」と怒って帰った。

広美は、「厄介な事になりそうだわ・・」と心配していた。

    **********

数日後、芸者姿の広美に奥山が刃物を向けて、「鶴千代!お前何者だ!」と脅した。

須藤刑事と前田刑事が緊張する中、広美は、「落ち着いて!私は、ただ世間話をしただけですよ。」と落ち着いていた。

奥山は、「黙れ!」と刃物で広美を襲ったが簡単に避けた。

そこへ子冬がきて、「鶴千代!お前、奥山様に何を言ったのよ!」と割り込んできた。

奥山は広美が手ごわかったので子冬を捕まえて、「動くな!殺すぞ!」と脅した。

子冬は、「ちょっと、何するのよ!」と焦っていた。

須藤刑事と前田刑事が取り囲んで警察手帳を提示し、「京都府警です。その芸者を解放しなさい。」と警告した。

広美が、「先日の芸者殺しはあなたね。逃げられないわよ。その芸者を解放しなさい。」と警告した。

子冬は、「えっ?あなた人殺しなの?」と驚いた。

広美は、「だから、そのお客様から手を引けと警告したでしょう。」と警告した理由を説明した。

子冬は、「やめてよ、何でこんな事をするのよ!」と焦っていた。

奥山は、「俺の弟は芸者に金銭を貢いで借金でどうにもならなくなり、借金取りに追われて自殺した。芸者は借金取りの回し者か!ぶっ殺してやる。」と興奮していた。

広美は、「その芸者さんから事情を聴くわ。その芸者の名前は?」と確認した。

奥山は、「調べたが、わからなかった。弟は芸者の名前を明かさなかったのでな。芸者を何人か殺せば、その芸者も名乗り出るだろう。」と芸者を狙った理由を説明した。

広美は、「そんな事をしなくても私が調べるわ。あなたの弟さんの名前は?」と確認した。

奥山は、「調べる?俺の弟が嘘をついているとでもいうのか!」と広美の事を疑った。

広美は、「そうではなく、ニセ芸者の可能性があるのよ。お座敷ではなく、昼間に私服で、自分は芸者だと偽って金品を要求するのよ。だから、あなたの弟がお座敷で芸者を呼んだかどうか確認したいのよ。」と説明した。

広美は奥山から聞いた弟の名前とともに、初美に相談して調べて貰った。

初美もニセ芸者の噂に困っていたが、被害に遭ったのは男性で花町には被害がないので、警察に通報すべきかどうか困っていた。

広美が捜査すると聞いて、喜んで他の置屋やお茶屋に電話して、京都府警の刑事である娘が捜査すると説明して情報収集した。

その間に広美は、「今、置屋の元締めに調査依頼しました。あなたの弟を自殺に追い込んだのは芸者ではない可能性があります。その芸者を解放しなさい。」と説得した。

奥山は、「そんな言葉には騙されないぞ!それだったら、その結果が出るまでこいつと待つ。」と芸者を離そうとしませんでした。

広美は、「置屋やお茶屋に連絡して調査するのよ。連絡を受けたお茶屋や置屋のおかみは、従業員に確認するのよ。しばらく時間がかかるわよ。生理現象もあるし、ここは一旦落ち着いたらどうなの?」と冷静でした。

奥山は、「生理現象?なんだ?それ。」と理解できない様子でした。

広美は、「ようするにトイレよ。あなたもトイレに行きたくなるのではないの?警察は何人もくるから交代できるけれども、あなたは一人なのよ。トイレはどうするの?」と説得を続けた。

奥山は、「ここで立ちションする。ウンチは我慢する。」と一歩もゆずる様子がありませんでした。

子冬は、「私はそんな事できないわ。トイレに行かせて!」と要求した。

奥山は、「結果がでるまで我慢しろ。我慢できなかったら漏らせ。」と芸者を睨んだ。

子冬は、「皆見ているじゃないの!そんな恥かしい事は嫌よ。」と抵抗した。

    **********

奥山は、「五月蠅い!ぶっ殺してやる。」と刃物で刺そうとして、振り上げた腕を広美が銃で撃ちぬいた。

解放された子冬は恐怖の反動から須藤刑事と前田刑事に、「あなた方も刑事だったら説得を芸者に任せず、自分達で犯人を説得しなさいよ!」とブチ切れた。

前田刑事は、「鬼にかみつく女性は怖くで上司に説得を任せました。」と説明した。

子冬は、「誰が鬼にかみついたのよ!」と前田刑事の説明が理解できない様子でした。

前田刑事は、「京都府警の鬼軍曹と鶴千代さんとは同一人物です。鶴千代さんが拳銃を所持している事を不思議に思いませんでしたか?」と助言した。

須藤刑事が、「その鬼軍曹が手を引けと警告したにも関わらず、手を引かなかったので人質にされて殺されかけたんだろう。鬼軍曹が発砲しなければ、あなたは三人目の被害者になっていたかもな。」と怖い目に遭ったのは自業自得だと説明して、前田刑事と奥山を連行した。

子冬は、「えっ?鶴千代!あなたが、あの怖いと噂されている京都府警の鬼軍曹なの?」と広美が拳銃を所持していても信じられない様子でした。

広美は拳銃を納めながら、「そうね、人は私の事をそう呼んでいるわね。」と雑談していると初美から着信があった。

    **********

初美は、「奥山様の弟が、花町でお茶屋を使用したり芸者を呼んだりしたりした記録は残ってなかったわ。それと、今、帰ってきた小菊から聞いたけれども、勝手に私を置屋の元締めにしないでよ。」と不満そうでした。

広美は、「奥山を説得する為に、権限のある人に調査依頼したと言っただけよ。」とその理由を説明した。

広美は今回殺人事件にまで発展して母とも約束したので、防犯として一課長の許可をとりニセ芸者の捜査もする事にした。

広美は、「前田、今度はあんたが囮になりなさい。」と指示した。

翌日、前田刑事が花町を散歩していると、若い女性が声をかけてきた。

自分は芸者だと自己紹介して、髪飾りなどねだってきた。

そこへ広美がきて、「あなた芸者らしいわね。私も芸者だけれども、あなたを知らないわよ。どこの置屋なの?源氏名は?」と問い詰めた。

その女性は、「五月蠅いわね。」と逃げようとしたので広美は警察手帳を提示して、「京都府警の林です。お話を聞かせて頂けませんか?」と睨んだ。

広美が取り調べて緒方係長に報告した。

「芸者を装い、男に買わせた髪飾りなどを質屋に入れてお金に換えていました。」と報告した。

緒方係長は、「騙された男性の中には、あとでニセ芸者だと気付いて警察に通報している被害者もいました。被害届が出ていたにも関わらず、芸者遊びだと甘く見て放置していたので殺人事件に発展したと、一課長から担当部署に警告して頂きました。その後は、その部署で捜査するらしいので、犯人を引き渡して下さい。」と広美に指示した。

広美は奥山にニセ芸者を逮捕した事を伝えた。

その日、帰宅すると初美や他の芸者達から、「鶴千代姉さんが警察手帳を提示して、ニセ芸者を逮捕していた様子を春駒が見ていました。逮捕してくれて助かりました。」と感謝された。


次回投稿予定日は、8月14日を予定しています。

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