気まず
秀にこれは…
直接対決を挑むべき?
いや、大人しく身を引くべきなのだろう。
やっぱり秀は、美華を選んだってわけか。
美華…喜ぶだろうな。
音声まで録音して、結婚の約束をさせたかったんだもんな。
でも、知佳子ちゃんは…
知佳子ちゃんは、これから大変になるんだろうな。
オレは…
オレは、これからなんにもせずに、二人から結婚の申し出がくるまで、そっと見守るしかないのかな。
美華は、妊婦だし…無駄なストレスを与えるのは、よくないよな。
あ、でもホワイトデーだけは返さないとだ。
それにしても、美華も知佳子ちゃんも毎日休まず学校にきてて、偉いよなぁ。
約一年前から二人は、お母さんになる準備をしていたんだ…。
食べ物の制限につわり…
えっ⁉︎
てことは…
夏祭りに美華と二人で行った時…
つわり大絶賛中だったんじゃね⁉︎
だからか…
ポテトにかき氷にきゅうりにから揚げって、両手が常に大忙しだったもんなぁ。
食べつわりってやつか。
あの時…もう美華は、妊娠わかっていたんだろうな。
一人で耐えていたのか…
どんな気持ちで、オレと祭りにいっていたんだろうな…。
月曜日
オレは、朝…美華を見かけた。
でも、声なんかとてもかけれるわけがないんだよなぁ。
…
あっ‼︎
美華がつまずきそうになって、とっさにオレは美華を助けた。
「あ、ユウタ…ありがとう。」
「おい、大丈夫かよ。気をつけろって…」
「うん、ありがとう。あ、バレンタインのときは、手伝いに来てくれてありがとうね。おとうさんもおかあさんもありがとうって喜んでた」
「あぁ、うん。むしろ勝手に来てごめん…」
「そんなことないよ?嬉しかったし」
「そ…?なら、よかった。」
…
「おっはよーん」
ビクッ
…
この声は…知佳子ちゃん。
「「おはよう」」
「ふふ、おはようハモリなんて、仲良しな二人だね」
知佳子ちゃんは、そう言って笑った。
「あ、そういえばさ、秀くんがさ、昨日美味しいって言ってくれてさ、三番目の候補にあげようかな?って言ってくれてさ」
「え、すごいじゃない!」
「うん、嬉しかったなぁ。美華ちゃんのおかげだよ」
「へへ」
美華は、照れているようだった。
てかさ…三番目って?なに⁇
「え、知佳子ちゃん…三番目ってどういうこと?」
「三番目は、三番目だよ?なんなら、もう少し早かったら、ぶっちぎりの一位だったかもって言ってくれてさ、これ決定しちゃうかもって、昨日秀くんが言ってくれたのー」
「すごー」
と、会話する美華と知佳子ちゃん。
え?
ちょいと?
「ならさ、二番目もいるってことだよね?」
オレの質問に二人は、
もちろんですけど?みたいな顔をしてみてきた。
え…
秀…?
秀って…どんだけの女性に…
「その…二番目って…」
「最高だよねー」
「ねー」
…
最高?
「え…それは…」
「あー、三人揃っておはよー」
「「おはー」」
秀が後ろからやってきた。
「秀…」
「どうしたユウタ、朝からそんな驚いた顔して?」
「おまえさ…色々なんか…」
「なに?どうした?」
「いや…」
…
こんなところで、いうことじゃないな…
「あ、ねぇわたしさぁ、今日めっちゃ朝ごはん食べてきてお腹パンパンなんだあ」
と、知佳子ちゃんがお腹をさすった。
「おお、立派に育ってますなぁ」
秀がお腹を覗き込む。
「でしょーって、そんな立派じゃないし!」
「ごめんて」
「あはは、許す」
…
えと…
思わずチラリと美華のお腹を見てしまったオレ…。
「ユウタ…いまわたしのお腹みたでしょ」
「あ…えと…はい。すみません」
「謝らなくてもいいけどさ…そりゃわたしだって、できちゃうし、お腹だってさ…」
「うん。でも、育つのは、いいことだよ」
「え、それってイヤミ?どういうこと?」
「いや、それは…」
…
「やば、時間ないよ!走らないと」
知佳子ちゃんナイスパスです。
ホッ
遅刻ギリギリのおかげで、命拾いです。
「あ、でも女子はあんまり走らない方が…」
オレは、二人の妊娠を心配した。
「え、なんで?遅刻よりは、マシだよ!ユウタ早くいくよ」
「うん、でも二人ともほんと気をつけてよ」
「オレは、いいのかよ?転んでも。」
「秀は、むしろ転んだほうがいいぞ?」
「んだよ、それ」
「「あはは」」
美華と知佳子ちゃんが笑った。
二人って…
ライバルなのか、仲間なのか…
オレには、いまいちわからない…ぞ?
なぜ、こんなに普通に仲良くできるのだろう?
そもそも、知佳子ちゃんって…
三番目の人…なの?
秀にとって…一番は、美華で…三番目が知佳子ちゃんで…
二番目ってだれ⁇
えっ⁉︎
だれ⁈
これはもう、秀と話し合う必要がありそうだ。
続く。




